ネトウヨは朝日新聞が嫌い～尾身会長のオリンピック発言を朝日が報じて噛みつく

　政府分科会の尾身会長がオリンピック開催についてこんな発言。
「普通はない。このパンデミックで」
「そもそも五輪をこういう状況のなかで何のためにやるのか。
　それがないと、一般の人は協力しようと思わない」

　まっとうな意見だと思う。
　菅義偉、丸川珠代、小池百合子らは「何のためにやるのか？」を説明してほしい。
　それは──
・コロナに打ち勝った証？　←違うなあ、まだ勝ってないし。
・希望と勇気を与える平和の祭典?
　　見え隠れする利権とカネを考えるとなあ……。
　　別に希望と勇気を与えてくれるのはオリンピックだけじゃないし、
　　逆にオリンピックがそれらを奪ってる気がするし。
・契約違反になって賠償請求かもしれないから
　　これはあるかもね。でも本当か？　根拠を出してほしい。
・開催による経済効果が見込まれるから
　　経済効果と言っても大会運営費も入ってだろう。開催しなければ発生しないお金。
　　他にあるのは、放送権料・チケット代（観客ありの場合）・グッズ収入か。
　　でも、これらがこちらに還元されるわけではないし、一部の人間が潤うだけ。
　　仮に五輪がきっかけでコロナが蔓延すれば、その損失の方が大きい。
・国の威信　←そんなものにつき合わされてもなあ……。

　この尾身発言について、とある自民党幹部はこんな発言をしたらしい。
「ちょっと言葉が過ぎる。（尾身氏は）それ（開催）を決める立場にない」
「（首相は五輪を）やると言っている。それ以上でも以下でもない」

　これぞ自民党クオリティ。
　首相がやると言ったらやるのか……。
　その首相というのは、言葉も満足にしゃべれないおじいちゃんだぞ。
　つまり科学的な知見を無視して、
　菅義偉という頼りない、ちっぽけな脳ミソの中であらゆることが決められているということだ。
　………………

　さて、この件を報道したのは朝日新聞だが、ネトウヨはこう反応する。

　黒瀬深
『この手の「自民党幹部」や「政府関係者」が実在した試しはないが。
　朝日新聞も名前知ってるなら出せばいいのに。
　実在するかどうかわからない人間の発言をソースにするなんてデマと同じ。
　どうせマスコミの願望だろうと』

　この黒瀬氏のツィートを受けて、
『私も、黒瀬 深さんと同意見ですね。
　本当に、#朝日新聞 は、日本国民の敵です。
　さっさと、廃刊して欲しいです』
『捏造、タブスタ、二枚舌　新聞と言うことを理解しましょう。』
『事実に嘘を混ぜてわからなくする。マスコミによくある誘導の手口』
　と、なぜか先程の自民党幹部の発言は捏造となり、朝日新聞批判に発展する。

　ネトウヨは、朝日新聞、立憲民主党、共産党が嫌い。
　ネット掲示板などでは、『オリンピック否定派は皆共産主義者だ』という言葉がチラホラ見える。

　先程の自民党幹部の発言も含めて、こういう言葉を見ると、僕は落ち込む……。
「お前らバカか？」と反発する気力もなくなる。
　日本の知性はここまで落ちたか……。
　これがごく一部の少数派であってほしいと願う。

　1964年の東京オリンピックは『成長する日本の象徴』になったが、
　現在の東京オリンピックは『衰退する日本の象徴』になる気がする。


※関連記事
　尾身氏「普通はない」発言、自民幹部反発「言葉過ぎる」（朝日新聞）

※追記
　今回の尾身発言に対する政府の反応。

　田村厚労大臣
「自主的な研究の成果の発表ということだと思う。そういう形で受け止めさせていただく」

　丸川五輪担当相
「我々はスポーツの持つ力を信じてやってきた。全く別の地平から見てきた言葉を言っても、なかなか通じにくいのは実感するが」

　首相・菅義偉（※政府関係者の話として）
「黙らせろ。専門家の立場を踏み超え勘違いしている。首相にでもなったつもりなんじゃないか」