平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第45回 「西郷立つ」~言葉で解決しようとした西郷 「皆で東京に行き、先人たちや士族たちの思いを伝える」

2018年12月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 廃刀令、禄の廃止。
 士族にとっては既得権を奪われる政策である。現代で言えば〝構造改革〟。
 国の治安維持や予算を他のことに使いたい明治政府としては正しい政策だが、奪われる側は当然、抵抗する。
 まして士族には明治維新の立役者としての自負もある。

 一方、力で歯向えば、力で抑えられるのが歴史の常だ。
『神風連の乱』『秋月の乱』『萩の乱』 
 大久保(瑛太)は軍隊をおくって、これらを鎮圧する。
 だが、抑えられた側はいったんは沈黙しても憎悪は消えない。
 消えないどころか憎しみは増幅する。現代で言えば「イスラム国」。

 西郷(鈴木亮平)は〝力〟ではなく〝言葉〟で解決しようとしたようだ。
「皆で東京に行き、戊申のいくさで死んでいった先人たちや士族たちの思いを伝える」
 その旗に記された言葉は〝新政厚徳〟。
 この思いが、〝憲法発布〟や〝自由民権運動〟につながっていくのだろう。
 まあ、これらの動きも政府に潰され、骨抜きにされていくのだが……。

 日本人がお上に対して従順になったのは、いつからなんだろう?
 江戸時代の士農工商の身分制度があって、明治の士族の反乱が鎮圧された頃からか?
 明治政府は天皇を絶対的な権威にし、家父長制をつくり、「教育勅語」などで統治の価値観を植えつけようとしたし。
 明治の統治システムって、よく練られてるよな。
 実にいやらしい。
 …………

 歴史のifというのもあって、今回で言えば、
・もし、『ボウズヲシサツセヨ』の〝シサツ〟が〝刺殺〟でなく〝視察〟と捉えられていたら
・もし、大久保が岩倉(笑福亭鶴瓶)に止められず、西郷のもとに行って会っていたら
・もし、県令 大山綱良(北村有起哉)の手紙が届いていたら
 歴史は違っていたかもしれない。
 歴史はこういう誤解やコミュニケーション不足や偶然で動く。
 とはいえ、士族の不満のエネルギーが充満していただろうから爆発するのは時間の問題で、いずれは何かが原因で起こっていたんだろうけど。

 国父様・島津久光(青木崇高)は、いい味出している。
 西郷の出発に際し、海江田信義(高橋光臣)に言づてさせて、
「わしは見送りなどせん。わしに会いたかったら必ず帰ってこい」
 国父様ーーーーーっ!
 みんな大好き、国父様!(笑)
 番組のHPを見ると、「国父チャンネル」が好評配信中!
 すっかりみんなの愛されキャラになっているようだ(笑)

 西郷を送り出す時に、娘・菊草が歌った島の歌もなかなかよかった。
 こういう情緒がドラマなんですよね。

コメント (4)
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