市内中津川河畔から はるか南昌山塊を望む。河岸の高水敷は 昨年と違い雪がないに等しい。気温は低いが日差しは春の気配で充満しあちこち漂っている と…どうしても願望を込めた見方になる。
光がやさしく空中を彷徨っている中 近くの中学校から合唱練習の歌声が聴こえてきた。高音部と低音部が完璧にハモっていて躍動感があり 俄然上品な空気になってきた。一気に気持ちは遠い昔の学生時代に飛んでしまい 昔眺めた山々を想起してしまう。しばらく眺望していたが ここで一句が…どうしても でない…のが情けない。
素直に…あの頃に戻りたい…よくわかないのに未来へぼんやり期待感だけ膨らませていた時代に…叶わぬとわかりつつ…と やや感傷的か。
しかし 今日の目覚めは 清廉な春のメロディーをBGMにしてひさびさの山風景を観たせいか 理由もなく充実感に満ちていた。
「春もやや光のよどむ宙のさま:飯田蛇笏」