世界遺産になった富岡製糸場より前に操業していた岡谷の製糸場は、市立博物館として見学することが出来る。
岡谷蚕糸博物館は製糸場の歴史や機械等の資料展示、繭から繰糸までの様子が手作業や近代的な機械作業を実演
して見せる。
蚕から繭、繭から生糸まで原材料として作られる過程が、それらの匂いと共に力強く人間を介在した産業への貢献
として、日本の近代の原点を見る思いがする。
江戸から明治への変遷は、殖産興業を各地に起こすことから始まり、これらの産業があればこそ日本が近代から
今日への橋渡しとしてつながって来た大きな出来事だった。
生産の原点は、養蚕と米作であったことを忘れては行けない。
世界遺産にならぬとも、身近な場所や物に大きな意味を見出すことがあるかも知れない。
この歳になって初めて解って来たことが、多くある。