エミリーのつれづれ

日々の暮らしぶりを紹介します。

晩秋の京都へ

2012年11月29日 | Weblog
   

11月29日(曇り)
今年の紅葉はことのほか美しいです。テレビ報道で東福寺の境内が映し出され、何としても見たいと思い立ち、友人達と今朝に取決めて出かけました。
考えることは皆同じで、現地の駅はあふれかえっていました。どうなることかと人波に流れて東福寺の境内に入りました。もう、少し見ごろ時期は過ぎていましたが、なかなかのものでした。

 


     

紅葉を堪能してから、平安神宮の近くにある京都国立近代美術館で「山口華楊」を見ました。丹念な写生をもとに描かれて、動物も植物も命が輝いていました。素晴らしい作品群でした。

フォルテピアノって?

2012年11月23日 | Weblog
  
  左 イギリス式     右  ウイン式

11月23日(小雨)
一雨毎に紅葉の色は冴えわたり、街路樹の銀杏の黄色に目を見張り、桜並木やモミジの赤に感嘆の声を上げています。毎年、この時期の紅葉に感動しているのに、今年の紅葉は昨年にましての美しさのように思われます。

今日は法隆寺の近くの音楽ホールで開かれた「フォルテピアノと歌で奏でる古都の宴」に行ってきました。音楽会にはよく行きますが、「フォルテピアノ」は聞いたことがありません。

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現代のピアノを「モダンピアノ」というのに対し、「フォルテピアノ」は1700年代にイタリアで発明された古楽器です。形は小型でシンプルです。この古楽器は二つに分かれイギリスで普及していったのが「イギリス式アクション」と言い、ハイドン、モーツァルト、シューベルトなどが愛したのが「ウイン式アクション」というそうです。

現代のピアノに対し「フォルテピアノ」は軽やかな音色ですが、イギリス式とウイン式のフォルテピアノを交互に引き分けて演奏されたのですが、確かに音色が違うのはわかるのですが、どう表現していいのかわかりません。
軽やかで、繊細、心休まる演奏であったことに間違いはありません。いい演奏会でした。かつ、演奏前、休憩時間に調律師が入念な調律をされる姿が印象的で、この古楽器は音色を保つのが難しいのだと思いました。


湖南三山へ

2012年11月15日 | Weblog
 
         常楽寺 本堂・三重塔ともに国宝

11月15日(晴れのち雨のち曇り)

「湖南三山」とは湖南市にある天台宗系の常楽寺・善水寺・長寿寺の三寺をさします。この三寺がある「湖南市」は2004年に近在の市町村が合併して誕生した新しい市です。聞きなれないだけに湖東をまで走ってしまい、Uターンして、ようやく湖南市へ。家に帰り地図帳を出して位置を確認したというおまけつきの小旅行となりましたが、お蔭で、くるくる変化する天候の中で紅葉美しい景色を堪能しながらの寄り道旅をすることができました。

常楽寺は奈良時代に良弁上人が開いた古刹です。山門をくぐるや、境内の見事な紅葉に息がつまるほどでした。国宝の本殿も古都、奈良や京都のようなシャープさはありませんが、地域の厚い信仰に支えられてきた寺の風格が感じられます。堂内に沢山の仏像が安置されているのにも驚かされました。本堂の裏の外陣に東大寺の誕生釈迦如来立像(国宝)と類似の秀作の仏様が。
境内には西国観音石仏(1~33番)めぐりができるようですが、冷たい雨に断念し、次の寺 善水寺へ。

    
        善水寺 本堂は国宝

この寺は奈良時代分銅年間に元明天皇の勅命により建立されたので「分銅寺」と言われていたそうですが、のち最澄がこの寺の霊水を桓武天皇に献上したところ病気が治癒し「善水寺」という名を賜ったとか。病気治療中の友人のために心を籠めて祈り、霊水をもらって帰りました。
次に行った寺は長寿寺。明日から50年ぶりに本尊「子安地蔵菩薩」の御開帳ということでしたが、前日の今日は参拝客も少なくゆっくり参拝しました。

   
     
長寿寺 山門をくぐると銀杏の黄小径続いて紅葉の赤小径の絨毯が 

この寺も本堂は国宝。三重塔は信長によって安土城へ移築されたとか。境内の奥に新たな収蔵庫ができ丈六の阿弥陀如来が祀られています。
        
湖南三山参拝の後は十二坊温泉「ゆらら」で一服。体も心もぽかぽかで一路奈良へ。

   

紅葉の奈良公園

2012年11月14日 | Weblog
     
                             お供養にいただいた東大寺の「散華」

11月14日(晴れ)
一雨ごとに冬に向かい、吹く風が冷たくなりました。
正倉院展は終わりましたが、奈良公園界隈は紅葉の見ごろとなり、南京はぜの朱、銀杏の黄が緑の木々をバックに輝いています。

今日は東大寺ミュージアムがある金鐘会館で華厳宗・東大寺にとって大事な「賢首大師1300年遠忌」の法要がありました。
賢首大師とは華厳宗・第3番目の祖である高僧(賢首大師とも香象大師ともいう)で、中国・唐代 長安の都で生まれ、華厳教学の礎を築かれた方です。
11月14日が命日ということで、毎年、東大寺では法要が営まれていますが、今年は遠忌1300年で、安置されている八幡殿から御坐像を金鐘会館にお移ししての法要で、長老・別当はじめ大勢の僧が参加されての厳粛な式でした。

     
          賢首大師 法蔵 1300年遠忌に出席   

秋の風物詩

2012年11月04日 | Weblog

      奈良国立博物館       「正倉院展」の長蛇の列

11月4日(晴れ)

奈良国立博物館では10月27日より正倉院展が始まっています。初日、8時過ぎに現地に着いたら300人ほどの列ができていました。列の先頭集団の方は何時に並ばれたのでしょうか。毎年、来られる常連者が多いのも、この展示会の特徴です。関東に住む友人も日帰りで来てくれました。
今年は64件、初出陳は9件。なかでも18年ぶりに出陳される「瑠璃杯・るりのつき)は必見です。私も毎年、感動して見せていただく組の一人ですが、開催1週間で入場者が10万人を超えたと聞いています。大勢の方に見てもらいたい日本が誇る正倉院展です。

          

友人夫妻が夜なべ仕事にして剥いてくれた柿が今年も届きました。この吊るし柿がベランダに並ぶと、我が家の庭が秋色になります。孫たちが来ては一つ、また一つと千切り、食べ終わる頃が寒い冬の到来です。
孫たちが大きくなって消費が早くなり、ヘタだけの紐が寒風に揺れる時期が早くなった分、寒さも早くなったように感じるのは歳の性でしょうか。ぼちぼち、寒さに首をすくめている昨今です。

京都へ

2012年11月02日 | Weblog
   

11月2日(晴れ)
京都・奈良の古都は観光シーズンに入りました。
今日から11日まで、京都では非公開文化財の特別公開が21カ所で始まります。
まず近鉄京都線で竹田駅まで行き「安楽寿院」へ行きました。平安末期、鳥羽上皇が鳥羽離宮東殿に創建された寺です。ご本尊は上の写真の阿弥陀如来坐像で、上皇の念持仏です。胸の卍が逆向きであるのが特徴の仏様です。そのほか藤原定家の「明月記」の断簡、図像などを拝見。
続いて歩いて15分ほど先の城南宮へ行きました。ここは平安遷都の時に創建され、白河上皇の院政の拠点となったところです。先の安楽寿院を含む壮大な区画の中に白河・鳥羽・近衛天皇の御陵があります。ここで源氏物語54帖のうち24帖の中の名場面を描いた屏風(江戸時代)や吉田元陳が描いた「曲水の宴図」の屏風を見ました。鴛鴦の木型に乗せた杯が流れてくる間に和歌を詠むとは、何とも雅な遊びの光景が描かれています。
         
          町屋

竹田駅まで戻り、地下鉄で市内中心に入り、そこからバスに乗り換え「報恩寺」へ。どこへ行っても観光客が詰めかけています。この寺は浄土宗で阿弥陀三尊が祀られているお厨子は絢爛豪華です。その横の壁に12年に一度、公開される「鳴虎図」が飾ってあります。下の記事は1日の朝日新聞の夕刊に載ったものです。中国、明代の作家「陶佾」が描いた虎です。秀吉が聚楽第に持ち帰ったところ夜になると鳴くので寺に返されたという伝説を持つ絵です。まさに本物そっくりなリアルな毛並の表現に驚きました。
      
  鳴虎図       厨子入り千体地蔵菩薩(ポスターから) 

ガラスケースに収められている右の仏様は極小の仏様です。岩座を含め高さは11余㎝です。中央のお地蔵様は3余㎝。地蔵尊と回りを囲む仏様の千体(実際は950体ほど)はビャクダンの木で彫られています。まさに繊細そのもので、足音だけで傾くのではないかと思われるほどの小さな仏様です。どのぐらいの時間をかけて作られたのやら・・。仏師の仏への敬愛の深さが伝わってきます。

またバスに乗り京都御所の前を通り、京都府立医大のそばにある「清浄華院」へ。バスを降りたのが閉館15分前。早や足で歩いて寺に到着したら4時5分でした。この寺には今回の公開が最後となる絹本図像の著色阿弥陀三尊(国宝・中国の宋代 普悦作)が祀られています。懇願しましたが拝観が叶いませんでした。
  
本堂の阿弥陀三尊を外から拝めたのが幸いでした。
今日は4か所を回りました。行きたいところが一杯ですが、7時半に家をでて8時半帰着。一日のスケジュールとしては頑張ったほうでしょう。