エミリーのつれづれ

日々の暮らしぶりを紹介します。

明日香へ

2010年09月29日 | Weblog
    

9月29日(晴れ)

「棚田の彼岸花が見たい、見たい」という私の願いを聞いて、友人が明日香の里へのドライブに誘って下った。
まず「万葉文化館」へ。せんと君に招かれて入ったホールのすぐ右手の窓の下にはわが国で最初の鋳造貨幣の「富本銭」が見つかった「飛鳥池工房」の発掘現場が再現されています。次にボランティアガイドに案内されて入った部屋には万葉集が読まれた時代の生活や万葉集にまつわる物語が映像や展示で紹介されています。贅沢な空間を使っての紹介で、親しみやすく構成されていました。

そして遷都1300年記念にあわせ、奈良の仏像写真を芸術にまで高めた小川晴暘(没後50年)と息子・弟子による奈良の仏像写真の特別展を見ました。
仏像の背景を黒にし、光と角度で、その仏像の内面を深く表現した写真は実物をまじかに見ているような迫力がありました。阿修羅像が360度の角度から写されていて、感慨がありました。

    


岡寺から石舞台へと明日香の中心地まで来ました。突然、畦にも道にも人・人です。ここ数日の気温で彼岸花が開花したのにあわせての観光客が来ているのです。私もその一人ですが驚きました。しばらく周辺の散策をたのしみ、近くの「あすか湯」の露天風呂に入って帰ってきました。

運動会

2010年09月27日 | Weblog
    
秋の雲・いろいろに変わります       一番下の土台に孫がいます

9月26日(晴れ)

今日は京都に住む孫の一人の運動会です。毎年、運動会に招いてくれますが、中学生になると親の参加も難しくなるので、6年生の今年が小学校最後の運動会となります。
空は秋晴れ。これ以上の天気は望めないと思えるほどの運動会日和で、グランドには万国旗が揺れ、子供達の歓声が大きな空に吸い込まれていきそうです。

今日の主役の孫は京都市内の学校に通っていますが、児童数がすくなく、全学年は一クラス、全ての演舞や競走が午前中に終わってしまいます。午後からは自治会対抗の運動会となりますので、子供の親に混じって、子育てが終わった中高年の人たちも集まり、結構な賑わいです。上の孫はクラブ活動で中学校へ行ったので娘夫婦と応援です。

一生懸命に走り、演技し、応援する子供たちの表情に、この暑い9月、先生方の熱い指導に応えて、練習をがんばった誇りのようなものが感じられます。
集団演技になると、同じ体操服、同じ背丈では孫はどこにいるかが分らず、どの子にも精一杯の拍手を送りました。
昼食は応援席で親たちと食べることになっていますが、高学年ともなると子供同士で食べると宣言され、私たちは家で食事をし、また午後に出直しとなりました。

 綱引き 一本の綱に全校生が紅白に分かれて

夜、ベルギー料理のレストランへ。娘家族からの招待です。おいしいベルギービールを飲みたいので電車で出かけました。レストランでバースデイのサプライズを受け、感激。

 
27日、家に戻ったら、友人や子供達からプレゼントやメールが。嬉しい2日間でした。

オペラサロンへ

2010年09月24日 | Weblog

     ミミ(フレーニ)とロドルフォ(パヴァロッティ)  愛を熱唱

9月24日(晴れ)
昨日から一気に秋本番へと移行したかのような気温です。庭でうるさいほどに鳴いていた鈴虫君たちの合唱がパタッと聞こえなくなり、朝方は寒くて足元の布団を探したほどです。極端に変化する気温についていけず、クシャミの連発です。

午後から月一回のオペラサロンに参加しました。今日の演目はプッチーニ作曲「ラ・ボエーム」で1988年にサンフランシスコ歌劇場で公演されたものです。
お針子の彼女と詩人の彼がひょんなことで出会い、お互いが一目ぼれをして恋に陥りますが、蜜月は長く続かず、彼女は「彼が嫉妬深くて疲れる」と、彼は「彼女は浮気女、誰にでも媚を売る」と友人に訴えるが、彼女の本心は「海のように深く広く、愛、それが私の全て」と彼を思慕し、彼も「自分は貧乏、貧乏が彼女の病気を重くしている」と。互いを気遣いながら別れを決断し別れていきます。
そして数ヵ月後、病に倒れた彼女は友人に担がれて彼の屋根裏の下宿部屋に来て、彼に見守られて息を引き取るというストーリーです。
この「彼役・ロドルフォ」の歌い手がパヴァロッティで、亡くなるまで最も数多く歌ってきた当り役といわれているだけに、声量・情感ともに素晴らしく、3時間があっというまでした。

ミミ役のフレーニは現在75歳で引退していますが、パヴァロッティとは同郷・同年齢・師事した音楽の先生も同じで、まさに息がぴったりあった二人の熱唱にうっとり聞きほれました。

秋がハイスピードで

2010年09月23日 | Weblog
9月23日(雨のち曇り)

暑さ寒さも彼岸までと言いますが、
秋分の今日、突然、夏から秋へ突入したかのような気温の変化です。

朝方、ものすごい雷で目が覚めました。雨が激しく窓を叩いています。TVの速報で竜巻注意も出ています。何という天気でしょうか。雨は9時過ぎには止みましたが、部屋の気温も下がり素足では寒いほどです。
午後から県庁そばの文化会館で奈良フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会があるので出かけました。APECで交通規制が敷かれているかと思い電車を使いましたが、悪天気のせいか、出足がにぶり、公園内も閑散としています。
木々の紅葉もいまひとつのようです。

中秋の名月

2010年09月22日 | Weblog
    
      松尾寺

9月22日(晴れ)
今夜は観月会で生駒山系の麓にある松尾寺に行く事になっているので、朝から空模様が気になっていました。(天気予報では夜は雨と出ています)
6時、松尾寺に到着。空は曇っていますが、時折雲の切れ間から月が見え隠れしています。そこから境内奥の心身修練所に移動し、この高台の大広間に設えられた月見の宴台から月を観るという贅沢な一時をすごしました。

そして、その建物の中にある茶室に通され、お抹茶の接待を受けました。お床には「山静かにして太古に似たり」というお軸が架けられ、心静かにお茶を頂きました。
そのあと僧から瞑想指導を受けました。今夜は満月なので、夜空の満月を対象に「月輪観」という瞑想に入るというのです。心静かにして半眼で月を眺め、そのあと目を閉じて月の残像を心で観るということを繰り返すというのですが、いくら心をリセットしても雑念が多く、満月が私の心一杯に広がる事はありませんでした。
8時から11名の僧による声明が始まりました。高く低く声明の独唱・合唱・輪唱が続きます。まさに交響楽のようです。1時間半、心を「空」にして仏の世界を旅していました。
10時前、建物から境内に出ました。月が煌々と光っています。伽藍の屋根も庭も月の光で白く光っています。まるで雪がうっすら積ったようです。李白「静夜思」の一節「牀前月光を看る・疑うらくは地上の霜か」と、いう詩を思い浮かべながら、観月の酔いに浸りました。

        

   

秋いろ

2010年09月21日 | Weblog
           

9月21日(晴れ)
例年なら南部、明日香の棚田では彼岸花が黄金色の稲田のあぜ道を染め上げている時期なのに、今夏の猛暑で、この花にも異変が・・というニュースを最近の新聞記事で知りました。そういえばジムで往復する田んぼ道にも彼岸花の姿を見ていません

今朝、毎朝犬の散歩をする友人から「第1号の彼岸花を見つけたよ」と電話をもらい、早速、現場へ向かいました。
教えてもらった土手下の田んぼが広がる場所に行ったのに、彼岸花は見当たりません。朱色の花ですから遠目でもわかるはずなのに・・・。
指定された小さな一角に一塊、やっと3株ほどの彼岸花が稲穂の側で咲き、あとは蕾の状態でした。彼岸の入りは昨日でしたから、探さなくても彼岸花は、ここ数日のうちに目に付くほどに開花すると思いますが・・・。とにかく、異常続きの夏の余波がここまで来るかと思う昨今です。

     
  

祝日

2010年09月20日 | Weblog
     白寿を祝って、小さな画集をつくりました

9月20日(曇り)

「敬老の日」は9月15日と、頭に定着している世代にとっては「敬老の日」がいつの年からか20日とは・・・。しかも3連休の中に組み込まれていては、とても20日が特別の日のようには思えず、声を出せない弱者が阻害されている今の時代を象徴しているようだと拗ねてもみたくなります。

でも、そんな世相に負けず老人たちは頑張っていて、敬老を祝してTVなどで、今もなお現役のパワーでがんばっている老齢の方の様子を紹介していましたが、どの方も他力ではなく自力で健康と意欲を勝ち取られているのがわかります。

わが舅も今年99歳を迎えました。油絵、短歌、語学、記録と、多趣味を楽しんでおりましたのに昨夏、脳梗塞で倒れてからは筆が持てずにおります。
今日も朝から何度も電話をしてるのに電話を取りません。「どうしたのかしら」と心配していたら、やっと4時過ぎに電話が繫がりました。
何でも、親族と教え子達がお祝いに来てくれていたそうで、ロビーで楽しい時間を過ごしたと元気な声が返ってきました。来年、再来年・・と、うれしいお祝いができるように、頑張って欲しいと切に願っています。勿論、私も舅を見習い、パワフルーに老いをうけいれて頑張りたいと思っています。


この写真は何?

2010年09月18日 | Weblog
9月18日(晴れ)
涼しい朝を迎えました。
今夏は一晩中クーラーを点けていたり、窓は網戸だけで寝ていた日が続いていたのに、気がつけばクーラーを消し、窓を閉め、厚めのタオルケットに換えていたりと、身体は敏感です。このまま秋に入ってくれるとありがたいのですが・・・。
今日は朝から博物館へ。3連休に入ったのと、特別展の閉幕があと1週間となり、大勢の入館者がありました。仏像にとても詳しい方、また初めて博物館を訪ねたという方などいろいろな方との一期一会の機会を得ました。

この写真、なんだと思われますか。正解はコスモスの花芯です。まもなくコスモスが咲き乱れる時期を迎えますが、花芯をじっくり見ることはありませんでした。でもよく見ると、星が集まった銀河ように見え、まさにコスモス=宇宙の名にふさわしい姿をしていると思われませんか。

博物館で仏像と対峙していると1000年という時間が長いような短いような不思議な感覚を持つ事があります。そして私たちがこの世から消えても仏像は未来へと、静かな時間の流れのなかで継がれて行きます。まさに宇宙そのもののように思えます。

友来る!

2010年09月16日 | Weblog
  

9月16日(晴れ)
「涼しくなったら奈良に行きますね」と言っておられた主人の竹馬の友人夫妻が、ここ数日の涼風に急に旅行プランを立てられ、広島から来られました。
1時に奈良国立博物館で待ち合わせ、博物館・興福寺東金堂・国宝館をご案内し、4時過ぎ、戒壇院をご案内しようと土塀が続く依水園あたりを歩いていると、突然土砂降りの雨となりました。傘を持っていなかったので、知事公舎の門下に駆け込み、しばしの雨宿りとなりました(戒壇院へは時間切れで行けず残念)
案内を中断し、夕食を取る事にして小雨の中を歩いていると、空に虹が出ています。若草山を一跨ぎするような大きな虹でした。

ゆっくり、夕食をご馳走になった後、また奈良公園内に戻り、猿沢池を歩きました。中秋の名月・22日の采女祭の為の提灯の灯りが池を美しく浮かび上がらせています。
ライトアップした興福寺五重塔・博物館を見た後、東大寺の大仏殿に向かいました。先日、友人と来たばかりでしたが、何度来ても夕闇に浮かびあがる南大門・大仏殿の風景は静寂で心うたれる空間です。

大仏殿の前の中門のところに数人がおられ、話をしているうちに「もうすぐ8時になるから鐘楼の鐘を聞きに行きませんか」とお誘いを受けました。
除夜の鐘つきの話は知っていますが、毎夜8時に、あの国宝の鐘楼の鐘が鳴らされているなど知りませんでした。
大仏殿の回廊を曲がり、長い石段を登っていくと俊乗堂と念仏堂の間に鐘楼(国宝)があります。この鐘楼は天平時代に建造され、鎌倉時代に再興されたものです。暗闇の中でも鐘楼の建物の迫力は伝わってきます。
8時、闇の中から男性が現れ、無言の中で一つ・二つ・三つ・・・と18回、天平時代の音色が鳴り響きました。この梵鐘(国宝)は26トン直径が2、7m・高さ3,8mもある巨大なものです。その梵鐘から出る音は低音でどっしりした響きでした。

帰りみち、煌々と照り輝く半月が大仏殿伽藍の大屋根の鴟尾を照らしています。
友人夫妻をホテルまでお送りして我が家へ着いたら9時を回っていました。嬉しい再会でした。

   

中門・左・持国天像           中門・右・兜跋毘沙門天像の足元に注目

文化財修理所見学

2010年09月15日 | Weblog
    
                           奥の建物の地下に修理所が。
9月15日(曇り)
午後から抽選に当り、奈良国立博物館内にある文化財修理所の特別公開に参加する事ができました。文化財修理所は原則非公開となっていますが、今、開催されている特別展の一つ「仏像修理100年」の関連企画で実現したという貴重な公開講座です。

まず博物館の講堂で
明治の初め、廃仏毀釈や神仏習合などで貴重な仏像なが離散・破壊された時期がありましたが、その事態を憂いた人たちの熱意の努力によって明治30年に「古社寺保存法」が制定され、以降、仏像を守る体制(美術院)ができ、今日に至っているなどのガイドラインの講義を受けた後、敷地内にある文化財修理所に案内されました。
階段を下り、地下に工房があります。総ガラス張りになっていて、見学者は外から仕事ぶりを見せていただくことになります。
白衣を着た研究員たちが今年2月から手がけている不動明王像・毘沙門天像・四天王像・鼓胴・阿弥陀如来像・四天王像などの修理をされています。
どんな修理をどのような方法で今、されているかを博物館の学芸の先生から説明を受けながら見せていただきました。
修理されている仏像の中には、寺で拝観させてもらった仏像もありましたが、あまりの大きさと迫力に驚くと同時に研究者達たちの地味な努力で、仏像がまた生き返り、私たちの心の支えになるべく寺や博物館にお戻りになるんだなあと感慨をもって修理の風景を見せていただきました。

終わってから博物館側にある國際セミナーハウスで水墨展が開かれていたので見せていただきました。充実の午後でした。