那智の瀧と三重塔
1月8日(晴れ)
勝浦のホテルを9時に発ち、熊野古道「大門坂」から那智の大瀧を目指します。道中、車窓からは昨9月の雨台風で災害を受けた爪あと(倒木、壊れた護岸、河原に転がる大小の岩)が視界に入ってきます。相当な被害であっただろうことが偲ばれます。
千年も昔から「蟻の熊野詣」と言われるように、熊野へは天皇の行幸、修験者の修行と、この辺鄙な地を多くの人が信仰を求めて往来したと聞きます。その一つの聖地が「那智大瀧」です。
「那智大瀧」は那智の原始林から流れ出る大川の流れが断崖から133m下に落下しています。(京都タワーとほぼ同じ高さ)昨9月の台風で瀧の様子が少し変わったとも聞いておりましたが、そんなことを微塵にも感じないほど迫力満点の見事な瀧です。
つづいて熊野三山の一つ西国33箇所霊場1番の青岸渡寺へ。石階段467段を登らねばなりません。脚の悪い兄は勿論、私も店で杖をお借りして一段、一段とあがっていきます。(今回の旅行は健脚向きのコースとは聞いておりましたが、ホテルもお参りも自助努力なくしては目的地に着くことは出来ません)
青岸渡寺から横移動して「那智大社」に御参りしました。まだ松の内とあって多くの人が参拝に訪れています。
熊野本宮大社
昼食後、勝浦に戻り、昨日通ってきた新宮から紀伊山地、熊野川に沿って走ります。この地も台風により倒壊した家屋、爪あとの様な筋をみせる山肌、ゴロゴロと大小の石が堆積した護岸、倒木など無残な姿をとどめていますが、今、目にする熊野川はとても静かです。
熊野本宮大社の鳥居に着きました。ここからまた真直ぐに伸びる石段129段を上がっていきます。登り切ると、社殿を後ろに大門が飛び込んできます。奥に4殿のお社があり、イザナギ、イザナミ、速玉の大神、天照大神が祭られています。
ここまできたら帰路は紀伊山地を奈良に向かって北上するのが近道ですが、道路事情もあって往路と同じく、海岸線沿って東に向かい三重県、滋賀県を通過しスタート地点の京都へ。事故もなく9時前に到着し、今回の一泊の旅は終わりました。よく歩き、長時間のバスに耐えた旅でしたが、良質の温泉、兄姉達との親交を深くした良き時間でした。