エミリーのつれづれ

日々の暮らしぶりを紹介します。

「ブラッセルの暮らし」から ⑱

2008年06月30日 | Weblog
6月29日(曇りのち晴れ)
息子夫婦は週末営業で早くから出かけたので、孫を連れて市内の東南にあるテルヴェーレンの森に行くことにしました。もう、ここに1ヶ月余も滞在して、変則的な気候には慣れているはずなのに、今の天気に合わせて薄着をしていたら、バス待ちの間に曇ってきて、慌ててコートを取りに帰る羽目になってしまいました。

テルヴェーレンの森は車で行けば15分程のところですが、公共の乗り物で行くと家からバス・地下鉄・路面電車を乗り継いで1時間もかかりました。17~18世紀には宮殿があった所だそうですが、現在は広大な森が公園になり、公園の入り口には王立アフリカ博物館があります。かつての植民地だったコンゴから収集した動植物の標本や民芸品を中心にアフリカ全土の品が展示されています。
博物館に入ろうかなと思いましたが、リアリティーな動植物の標本類が多い館内は5歳の女の子には「怖い!」の印象が残るのではないかと思い、入り口の木で作った象一団のモニュメントで遊び、池で鴨たちに持参のパン屑をやったり、縄跳びやボールで遊びました。

広大な公園の木立に優雅に馬に乗った一団を見かけました。池では魚釣り、そして周辺をサイクリングや散歩をする人、芝生で寝転ぶ人など、凡そ自動販売機や遊具といった人工的なものが何もない広大な公園なので、人はみな森林浴を楽しむ為に集まっています。
出かける時は寒すぎるほどの天気だったのに、公園では燦燦の太陽で暑いぐらいです。気分のいい森林浴をしてから息子の店に立ち寄り、みんなで帰宅しました。

「ブラッセルの暮らし」から   ⑰

2008年06月27日 | Weblog
6月27日(曇り)
9月が進級月ですので、6月は卒業や学年末になります。殆どの学校がテストも終わり、月末から7月の初めには長いバカンスシーズンに入ります。昨日も夕方、近くの大学の辺りを通ったら、タキシード姿の男子学生、ロングドレス姿の女子学生がパーティ会場に向かうらしく楽しげに並んで歩いていました。そして普段でも静かな街ですが、一部の人はバカンスに出かけたのか、スーパーも道路も閑散としています。

街を歩いていると、マンションのベランダや家屋の窓に祭日でもないのに国旗が飾られているのを見かけます。黒・黄・赤の3色の配色は隣国のドイツ(黒・赤・黄の配列、横柄)も同じですが、写真のようなコミックにアレンジされた旗もよく見かけます。今、サッカーがヨーロッパカップの真っ最中の上、国際都市だから、色々な国の人が「愛国心」で飾っているのかと思いましたが、事情は少し深いところにもあるようです。

ベルギーは小国で、オランダ(北)ドイツ(東)ルクセンブルグ(南)フランス(西)に囲まれています。国の表記もBelgie(オランダ語)Belgium(英語)Belgique(フランス語)で表されているように、言葉も北のフランドル地方はオランダ語圏、中央のブラッセルはオランダ語、フランス語圏、南のワロン地方はフランス語とドイツ語圏となり、この3つの共同体が連邦制を取っています。
ここブラッツセル内でも郊外に出なくてもオランダ語が主流の地域、フランス語が主流の地域と使い分けられ、言語によって学校も分けられています。(公文書・駅名などの公的標識はオランダ語・フランス語が並列表記)。こんな国ですから、最近は分離独立の話が浮上しているようで、窓辺に掲げかれている国旗は「現体制の連邦制を支持する」ことを表明しているといいます。

どこの国も、諸問題を抱えています。陸続きのヨーロッパの国々は歴史的に混ざりあっているだけに、「EU共同体」がとりあえず実現しましたが、「仲良くひとつに」と理想を掲げても、言語・宗教・利害を考えると単純に答えを出すことはできないのでしょうね。



「ブラッツセルの暮らし」から  ⑯

2008年06月24日 | Weblog
6月24日(晴れ)
日本に帰国する日まで1週間となりました。旅もそうですが、初めは永遠(少しオーバー)に続くように思いますが、逆さにした砂時計のように、じわじわ、スーと、気がつけば終わりが目前、寂しいような物足りなさ・・・。今の心境はまさにそんなところです。

昨日は旧友のローリンソン夫人宅で絵を描きました。彼女も水彩画を習い始めて10年ほど経ち、居間のあちらこちらに自作の絵が飾られています。向学心の旺盛な彼女は私の中国画にも興味をもち、その筆法で描いてみるというのです。私も描きかけの絵を持ち込んで一緒に夕方まで取り組みました。

彼女は絵を描きながら「老後(お互い、今も十分に老後ですが)は何をする?」と聞いてきました。「目が悪くなったら絵も描けないし・・・」とマイナーな姿勢を示すと、彼女は「絵とダンス、家庭菜園、語学」とスラスラと並べました。語学はすでに5ケ国語が話せるのに、まだその上に・・・。昼食時に並んだ手作り野菜の美味しさから家庭菜園の腕前も充分とお見受けしたし・・・と彼女の前向きな生き方に脱帽です。
帰りがけ、彼女のお向かいの家族が外に出ていました。彼女「○△!*」と話しかけています。私、何語?と聞くと、「フィンランド語、あの家族はエストニア(バルト3国の一つ)人で、フィンランド語ができるの」というのです。ぐうたら精神の私を挑発する友人が、ここベルギーにもいます。日本にもベルギーにも、中国にも素晴らしい友に囲まれている私、「なんとかしなきゃあ、あきませんね~」と自省しながら家に帰りました。(写真は彼女の家、後ろには広~い庭があります)

「ブラッセルの暮らし」から    ⑮

2008年06月22日 | Weblog
6月22日(晴れ)
快晴の日曜日です。息子の店は半日営業しているので、孫とお留守番です。家事を済ませた後に、孫を連れて近くの森までトラム(路面電車)で出かけました。
住居の傍には小さな森がどこにでもあり、自然を楽しむのに車や電車に乗るほどでもないので、休みの日は道路も交通機関もがら空きです。

森に行くと芝生に寝転び日光浴をしている家族連れやサイクリングを楽しむ親子、一人黙々と走っている人など、休日を楽しんでいます。孫は残パンを持って来たので、早速に池の傍に行き、鴨たちを呼んでいます。私もこちらの人たちに慣って、日光浴!です。
と言っても「木陰での日光浴」ですが、日照時間が冬になれば今の半分もない国では色白より日焼けした褐色の肌がステータスといわれるだけに、こちらの人たちの日光浴は「炎天下、裸に近い日光浴」です。来週あたりから学校も期末テストが終わり、本格的なバカンスシーズンに入ります。
肌を焼くことに、老若男女すべての人が精を出す事でしょう。 

ひとしきり、遊んだところでバスに乗って息子の店に行きました。おかげさまでよく売れたと閉店仕度をしておりました。マクドナルドに立ち寄り、遅い昼食をしてみんな揃って家に戻りました。


「ブラッセルの暮らし」から    ⑭

2008年06月20日 | Weblog
6月20日(晴れ)
普段の買い物はスーパーでしますが、新鮮な素材となると、広場のトレーナーの移動青空市がいいようです。
今日は天気もいいので、かつて1991年から3年半住んでいた地域の青空市へバスとメトロを乗り継いで出かけました。もう十数年は経っているのに何も変わっていません。同じ場所に花屋、肉屋や、ハム屋、魚屋などが店を出しています。
この地域は日本人駐在員の家族も大勢住んでいましたが、今も同じようで、数人の若い日本人主婦を見かけました。私も懐かしく、花や野菜を買い、ついでに住んでいたマンションに行って見ました。青空市が立つ広場から数分のところにあります。

写真のマンションの玄関・右横の1階に住んでいました。窓が少し開き、カーテンが揺れていました。どんな住人が住んでおられるのか知る由もありませんが、色々の思い出が詰まった、この場所にしばらく立っておりました。
このマンションの応接間からは庭の前にプライベートな緑の小路があって、緑の垣根の向こうに広い庭をもつ高級老人ホームの建物が見えます。
「老後も自立」の精神が浸透している国です。子育て中は庭のある一軒屋で、老後は子供に庭付きの家を譲ってマンションか老人ホームへ移るのが理想のようで、その老人ホームから出てくる老夫婦の格好の良いこと!。いつも見惚れていました。
常に、姿勢を正し、きちんとスーツを着込み、小さな老犬!を連れて散歩に出掛けていくのです。さすがムッシュ、マダムの国と拍手をおくったものです。

「マダーム!」と、日本で時々冗談ぽく呼びかけられると「ギクッ」としたものです。それは当地で初老の品のいい老婦人をよく見かけていたからかも知れません。
今日も老人ホームから散歩に出掛けるマダムを見かけました。格好いいですね!
私も姿は初老になりましたが、立ち居振る舞いが・・・・。
「マダーム!」と呼びかけられて「ギクッ」としないでいられる「マダム」に、いつかな・り・た・いですね。

「ブラッセルの暮らし」から   ⑬

2008年06月19日 | Weblog
6月19日(晴れ~雨~晴れ)
寒いぐらいです。6月というのに10度位まで気温が下がることがあります。店での息子とお客の間で「もう、夏が終わったのかしら?」の会話が交わされるとか。5~6月が一番いい天候なのに、こんなに雨と低温続きで、そのまま、長~い秋!になるというのでしょうか。昨8月に訪ねた時も、冷夏で長袖とショールを買った記憶があるので、まんざら誇張している様にも思えません。

孫が朝、幼稚園に出かける時は曇り空でしたが、次第に晴れ間もでてきました。「このまま天候が安定するかなぁ」と窓の外を眺めながら、絵を描いて午前中を過ごしました。
3時半、孫を迎えに家を出た時は晴れていたのに、孫を迎えて家に向かう途中、青空が一転して真っ暗になったと見上げたら、ざーと大雨。誰も傘を持っていません。私も携帯の小さな傘が一本あるだけです。でも、こちらの人はあわてません。学校帰りの子供達は悠然と濡れながら歩いています。みんな、まだ冬のコートを着ているんですもの、髪の毛ぐらい濡れるのは平気なのでしょう。
私と孫は駐車場の前の大きな木の下で雨宿りです。5分もすると雨がやんできました。家に着いたら空は青空、日が照っています。ナンだったの、あの雨は!。

こんなに天気がコロコロ変わるから、傘も持たないし、冬コートの下は半袖Tシャツで、あっという間に変身できるんだと納得。私も朝の厚手の下着を脱ぎ、昼間のように明るく、暑いぐらいの7時過ぎ、家族揃って夕食。10時すぎ、ようやく外が暗くなってきました。  

「ブラッセルの暮らし」から    ⑫

2008年06月17日 | Weblog
6月17日(晴れ)
今のところは晴れていますが、いつ天候が急変するか分からないので、朝のうちにスーパーへ買い物に行きました。
この間から気になっていることがあります。それは商品棚の脇で、販売員でもない客がレシーバーのような器機をもって、商品のバーコードを読み取り、そのあと持参の籠に購入商品を入れています。また、レジコーナーには販売員が座っている所以外に、客自身がレジ台の横にある電話機のような器機で購入商品のバーコードを打ち込み、精算してカード支払いか現金投入口かを選んで、代金を支払っている台があります。まさに自己申告であり、これは客の「善意」を信用した行為に他なりません。
このシステムで客が、万引きや意識的に代金を打ち残すことがないのかと心配になり、息子に聞いたことがあります。息子は「人件費の削減の為。また、客の見えないところでセキュリティチェックがされているから大丈夫」と言います。

鉄道、バス、路面電車、地下鉄に乗っても改札はなし、発車ベル、扉の開閉、到着駅名のアナウンス、全てありません。事故が起これば、なんでも他人の所為にしたがる風潮の日本から見ると、全て自己責任、社会的モラルで成り立っているのがヨーロッパのルールのようです。
もちろん、突発的に行われる検札で無賃乗車がばれた時など、社会的モラルを破った責任の代償は大きいものがあるのも事実です。
でも「信用・信頼」が社会の基盤になっているのは、熟成された「大人社会」の一例で、私はこうありたいと思います。
写真は地下鉄構内です。ブラッセルの地下鉄は駅毎に構内の壁のインテリアが違います。個性的で面白いですね。

「ブラッセルの暮らし」から   ⑪

2008年06月17日 | Weblog
6月16日(快晴)
「今日は快晴よ」と、旧友のローリンソン夫人が朝、電話をくれました。丁度、孫が幼稚園に行く前で、帰りのピックアップを嫁が快托してくれたので、彼女と待ち合わせて出かけることにしました。

二人の思い出のレストランで昼食をとり、彼女の運転で郊外の田園風景のなかをドライブすることにしました。空は青空、ちょっと車を走らせると、もう地平線まで続くかと思われる田園風景が広がります。どこへ行くという目的もないままに田舎道を走り、教会に立ち寄ったり、テラスでお茶をしたりして、のんびり過ごしました。
ベルギーは淡路島ほどの小国ですが、人口密度は日本と同じになります。ただ、山国の日本と山が全くないベルギーとは土地利用面積が格段に違います。どの住居地域からでも数分のところに森があり林があります。市内からちょっと離れると、写真のような緑の絨毯のような田園が広がります。
今日は青空の下で、日光浴をしてご機嫌で帰ってきました。

「ブラッセルの暮らし」から  ⑩

2008年06月14日 | Weblog
6月14日(曇り)
週末のスーパーは短縮か休業になりますが(パン・ケーキ店は月曜日が一般的にはお休みです。)息子の店は水曜日を休日にしていますので、一週間のうち、この週末が一番忙しい日となります。
息子は早朝2時から出勤、嫁もいつもより早く出かけます。が、「ママが、い・の・ち」という孫は幼稚園がお休みです。起きて来て「お店に一緒に行く!」と泣き顔の孫も、ママがゆっくり話して、納得すれば笑顔で「アビアント♪」(またね!)とママから離れました。

さあ、一日、何して遊ぼうと!。お掃除を手伝ってくれた後はお絵かき。私の絵の具を使って、横で絵を描いています。いつも「幼稚園でどんな歌をうたうの?」と聞いてもなかなか歌ってくれませんが、絵筆を動かしながら、鼻歌のようにフランス語の歌をうたっています。
私の子供たちも幼児期を台湾で過ごしました。現地の幼稚園で習ってきた歌を意味も分からず「お念仏」のように聞かせてくれました。でも「お念仏」に聞こえるのは大人だけで、子供はお友達と歌っている時の、雰囲気の中で歌詞をイメージして理解できているのでしょう。
ようやく、雨も上がって肌寒いですが、曇り日です。近くのスーパーに出かけ、午後からは公園に行くつもりです。写真は孫の傑作!です。



「ブラッセルの暮らし」から   ⑨

2008年06月12日 | Weblog
6月12日(雨)
朝から雨が降っています。あんなに晴れて暑いぐらいの陽気が一転し、冷たい雨が降っています。路ゆく人はまた夏服から冬服に戻りました。

そういえば、かつて当地に住んでいた時、季節の衣替えをすることがなかったのを思い出しました。洋服たんすはいつも夏服と冬服が同居していました。7月でも突然に「ヒョウ」が降ってくることもしばしばありました。季節に関係なく「その日の天候で服装を自在に変える」がベルギー流なのです。また、こんなに朝から雨が降っていても、傘を差さないで歩いている人がいます。一日の内でも天候が急変するのを知っていて、傘を持たないのでしょう。少々の雨では、傘は持たないのというのもベルギー流といえるかも。

マンションを取り囲むポプラの並木、芝生も雨に濡れて緑が一層濃くなりました。孫もカッパを着て元気に幼稚園へでかけました。