桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・1・7

2011年01月08日 | Weblog
今朝はクノールを使ったスープパスタ、半熟の茹で卵、ハム野菜サラダを作って食べた後、8時にカモンシス広場でマシャド氏と待ち合わせ。彼の運転で一時間程北にあるサンタクルスに向かう。サンタクルスは俺が影響を受けた作家の檀一雄が一年半程住んで「火宅の人」を書いた海辺の街。彼が住んだ家はまだ残っていて、海岸には日本語で書かれた彼の石碑まである。ここに来た目的は檀一雄が何故世界放浪の末にこの街に住み着いたか知りたいと思ったからだが、来てみて何となくそれが分かった。それはサンタクルスが何も宗教的な建物や言い伝えがないのに神秘的な雰囲気を持った街であること。海に向かって立っていると、俺ですら天地創造に立ち会っているような気持ちにさせられた。そして偶然にもここは案内してくれたマシャド氏の生まれ育った街ということもあり、俺がそれほどまでに感激していることを知ると、彼の方も感激していた。「巡礼」と「思索」の数時間を終えて、今度は一転してマシャド氏が輸出マネージャーを勤める干し鱈の会社の工場見学。ここではウチの店で好評の鱈のコロッケも作っているが、他の干し鱈料理も自信があるとのことで、ウチの店にも来たことがある商工会議所のアンドレイア嬢や日通ポルトガルのプルエンサ氏も交えて鱈料理の昼食会。マシャド氏がいうだけあって鱈のソテーは絶品だった。昼食後マシャド氏と別れてプルエンサ氏の車でスペイン国境のアレンテージョ地方にあるCaminの工場を見学。ここはウチでこれまた好評のオリーブオイルの生産工場。同時にワインの生産も始めたとかで社長まで出て来て猛烈な売り込みをかけられる。こうなると1日に1本しかワインが出ない日もある小さな店のオーナーだとも言えず「前向きに対処します」とか言ってしまうお馬鹿。それにしても今日はもう12時間は英語オンリーで疲れて、凄い雷雨の中リスボンへ戻る車の中、プルエンサ氏には悪かったけど俺もMも眠り続けていた。