桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2008・10・20

2008年10月21日 | Weblog
俺が60年の人生で知っている広島出身の男は、伝説の映画監督G、これまた伝説の脚本家H、下北沢にある伝説のバーのオーナーO、そして彼はまだ伝説にはなってないけど、昨日子連れで来てくれたウチの元店長Mと、揃いも揃って喧嘩早い。それは勿論風土による処が多いのだろうけど、言葉が強く、荒々しく聞こえることにも関係している。Mと知り合って結婚して、言葉の問題でいつも喧嘩になるのだけど、俺が知っている広島出身の女性はウチの店を作ってくれた美術デザイナーのHさんしかいなくて、誰にでも好かれる彼女の愛想のいい喋り方を知っていると、Mが広島の男社会に影響されて特別な喋り方をするのだとばかり思っていた。処が今日、妹のKが出演する新番組で共演している女優Tさんが、Lさんに連れられて来店してくれて、Tさんが広島出身だと知って同郷のMと広島弁で喋りだすのを聞いて内にその考えが変わった。画面では気取った感じの美人女優のTさんが喋る広島弁も激しくて荒々しいのだ。Tさんでそうなんだから普段Mの言葉が喧嘩腰に聞こえるのも仕方ないことかと妙な納得をしてしまう。人生の後半になって、今まで縁がそんなになかったヒロシマがググッと接近してきた。考えてみれば、俺の母方の祖父も広島生まれの広島育ちだ。