桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2012・6・19

2012年06月20日 | Weblog
お昼に麻布十番にあるポルトガル文化センターでの授業が終わった後、とりあえずは店まで歩いて荷物を置いてからどこに行こうか何をしようか考えようと思っていたら、S病院での診察をおえたYさんにバッタリ出会ってしまった。どうだったんだ?検査の結果は?全く正常だったわ。脳にはどこも異常がないって。そうか?よかったな。ホッとしたよと俺は思わず涙ぐんでしまう。ちょっと、恋人でもないのに泣いたりしないでよとYさんはきつい口調で詰る。だったら恋人にしろよと俺はYさんを強引に抱き寄せ、キスしようとした。するとYさんが猛烈に抵抗したのでバランスを崩した俺は彼女にのしかかる様に路上に倒れ込んでしまう。でも、次の瞬間、彼女の抵抗がやんだのでどうしたのかと彼女の顔を見てみたら、俺が押し倒していたのはそれまでのYさんではなく別のYさんに変わっていた。新しいYさんはそれまでのYさんとは違って自分から唇を寄せてくる。俺は何がどうなっているのか分からないまま彼女の唇を貪る。すると彼女は「して」と囁く。でも、道の真ん中だし、他人が見ているしと俺が躊躇うと、だったらいいわと俺を押し退けて立ち上がると、傍を通り掛かった路面電車に乗ろうとする。どこへいくんだ?決まっているでしょ?リスボンよ。何を言っているんだ?東京からリスボンまでそんな路面電車で行ける訳ないだろ?それが演劇的には行けることになったのよ。だったら俺もいくよと彼女の乗った路面電車を追いかける。だが、坂道で速度を増した路面電車は瞬く間にその姿を小さくしていく。俺は息を切らしてその場に座り込む。するとその俺の目にリスボン特急が止まる××駅が見えた。え、ここはパリだったのか?意味不明、解釈不能のままとりあえず俺はYさんを追ってリスボン特急に飛び乗ったのだが、その車内で俺はもう一人のYに偶然出会う。君もリスボンにいくのか?ええ、桃井さんが死んだって知らせを受けたから‥‥は?‥‥生前彼と約束していたのよ。私がパリにいて彼がリスボンで死んだら葬式には来て欲しいって。あのさ、俺はまだ死んじゃいないけど。いいのいいの、言い訳しなくて。みんな死ぬとそういうものなのよとフランス語に堪能なもう一人のYさんは通りがかった車掌と話しだす‥‥みたいな夢を、台風接近で11時に店を早仕舞いして帰ったにも係わらず、土砂降りの雨に服がびしょ濡れになり、着替えたものの、一杯やらないと治まらない気分になって、日本酒を常温でコップ四杯も飲んで酔っぱらって、窓に吹きつける雨と風の音を子守歌代わりに寝た夜に見た、Yさんばかり登場する不思議な不思議な夢。(イニシャルにしましたが、誰だか想像がつくYさんには勝手に夢と妄想に登場させて不愉快な目にあわせたことをお詫びします)。●桃井章プロデュース・津森久美子ファドライブ『リスボンの夜vol3』ポルトガルギター演奏・西村輝彦、6/24(日)開場12時開演14時・料金3000円 ~ご予約お問い合せはコレドシアター03ー3470ー2252まで