先日の「日曜に想う」で取り上げられていたイタリアの素粒子物理学者パオロ・ジョルダーノ氏のエッセイ集「コロナ時代の僕ら」。
書かれたのは去年(2020年)の3月。当初、中国武漢で発生した「局地的」な新型肺炎とみられていたが、都市封鎖にもかかわらず世界的な流行は始まっていて、国内では2月末に当時の安倍首相が唐突に全国の小中高校を春休みまで一斉休校にしたり、また大相撲春場所も無観客開催となり、日経平均株価が一時1,869円値下がり、終値は前日比1,128円58銭安の1万7431円05銭と約3年4カ月ぶりの安値を記録したことが思い出されます。
既に医療崩壊を迎えていたイタリアからは、オペラ歌手などが夕べに家々の窓から医療従事者らへの感謝を込めた歌声に市民が拍手する様子なども伝えられていた頃に書かれた、科学者らしい視点からコロナへの警鐘を鳴らしたエッセイ。執筆の時点から1年以上経っているのに、パンデミックとグルーバル化の考察はまったく古さを感じさせない一冊でした。
※1 大相撲以下の写真はnippon.comの「2020年3月 日本の出来事」(https://www.nippon.com/ja/news/q202003/#top)から
※2「日曜に想う」で「コロナ危機が始まってからずっと、私はフィクションと関わる気になれませんでした。でも、あなたの新作で、また戻ることができました」と紹介されていた、Ishiguro,Kazuoの「クララとお日さま」は、図書館にリクエスト中です。