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受命 @帚木蓬生


先だって読んだ「聖灰の暗号」が バチカンによる宗教弾圧という 大変興味深いテーマを掘り下げていたので 続いて図書館にリクエストした一冊。

ストーリーは ブラジル国籍の日系二世の生殖医療研究者が 北京での学会で北朝鮮の古参医師から招請を受け 「レーベンスボルヌ」と未知の国への興味から これを受諾するところから始まり 紆余曲折を経ながら招待所でその国の最高権力者を毒殺し 南へ脱出する。。。

主人公の研究者が招聘された平壌の産婦人科病院での出来事を通しながら 招聘にあたった古参医師や 物語の後半に登場する古参将兵らが 最高権力者の毒殺という一見荒唐無稽な戦術をとるに至らざるを得なかった 国内の描写や精神的な葛藤が 著者が精神科医ということもあり よく描かれていた。

前作の「受精」を読んでいないので 物語の冒頭に出てくる「レーベンスボルヌ」という言葉が何を指すのか 最初は理解できなかったが 読み進むうちに「共和国」で一部の特権階級のために行なわれている生殖医療の実験を指しているという事が朧気ながら見えてきた。

遅ればせながら 「受精」もリクエストしてみよ~ 
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