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聖灰の暗号 @帚木蓬生


12~3世紀 実際にフランス南部ピレネー山麓で 実際にあったローマ教皇庁の「カタリ派」に対する虐殺=宗教弾圧をテーマにした物語。

本の中で 食べ物(例えばエスカルゴや何気ないチーズの話)の描写や 日本の刀鍛冶と同じ方法で砂鉄からナイフを作る職人の話などが とってもリアル。

なんと言っても読み応えがあったのは ローマ教皇庁の大司教パコーとカタリ派のアルノー・ロジェの異端審問に際し 現地の「オキシタン語」の通詞として関った修道士マルティが書き残した手稿。
彼は審問に関る中で自分の両親が『異端』とされるカタリ派、それも指導的な立場にあって火刑に処せられたことを知り ローマ教皇庁の宗教弾圧の実態を羊皮紙に書き残した。
その手稿を信者に託し 数百年もの間ピレネー山中に隠し通してきたが それが日の目を見ることになるいきさつは本を読んでのお楽しみ!

本当にこんな古文書が存在したのでは?と思わせられる見事な文体に 上下巻を一気に読んでしまいました。

著者が30年前当地を訪れた時に聞いた“1244年、この場所でカタリ派の信徒たちが、異端として2百人以上も火刑に処せられたことを知って欲しい。彼らのことを決して忘れてはならない”というテーマを暖めつづけてきた熱意に脱帽。
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