緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

癌治:学術集会で心に残った言葉

2023年10月23日 | 医療
会議の水曜日から土曜日16時まで、長い学会でした。
途中、急遽のことで、大学まで往復した日もあり、とにかく忙しい日程でした。


盛りだくさんの中、心に沁みこんだ言葉・・


「感覚と感情を分ける」



対話の中で人は往々にして、自分が期待していた回答が得られれば満足し、そうでない場合は、残念だし、怒りを覚えることもあるものです。

しかしながら、怒りは人の感覚を鈍らせます。



正しい情報を得る力をリテラシーと言います。



一見良さそうに見えたり、耳障りが良く聞こえるものの中から
正しさを
 見極める目
 かぎ分ける鼻
 聞き分ける耳
が情報リテラシーには不可欠です。


医師との対話の中で、期待に添わない出来事があったときこそ、感情に揺さぶられず、目と耳と鼻を研ぎ澄ませ、情報を見極めていってほしいのです。

例えば、再発でショックを受けたときに、根拠のない怪しい情報に引き寄せられやすいことは想像するに難くないと思います。



感覚と感情を分ける



感情の影響を小さくして感覚を研ぎ澄まし正しい情報を見分けていく、医療情報のリテラシーの涵養の大切さを感じた言葉でした。

M_wie_MoehreによるPixabayからの画像

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (minekosanegao-77)
2023-10-23 13:10:38
本当に、そう思います。亡き主人が闘病中、主人の親族が真実を見極められず、私や主人をどれだけ振り回してくれたか、、、説得するのが大変でした。
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Unknown (happiness1207)
2023-10-23 17:32:19
確かに、医療リテラシーは大切ですね。コロナ禍に石川県こころの健康センター@自殺対策ホットラインに、能登の80代のおばあちゃんが、毎日のテレビのニュースの報道のせいで、ノイローゼになり泣いていました。さて、何故、自殺対策ホットラインのことを知ったのでしょうか?
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Unknown (Tristan)
2023-10-23 17:49:34
患者が医療リテラシーを持つことはとても重要だと思います。
ただ、多分これはなかなか難しい。
その一つの理由は、今はネットから容易に情報を入手出来てしまうからかなと思います。
確かに手っ取り早くて便利ですが、おそらくそれでは本来の意味のリテラシーは身に着かないのかなと。
そう言う意味でも、いざと言う時に感情を抑え、せめて正しいことと正しくないことを嗅ぎ分けられるような感覚を磨くことが必要になってくるのかなと思います。
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minekosanegao-77さん (aruga)
2023-10-25 06:50:31
すぐそばにいらっしゃる方は、共に歩まれているので、感情も患者さんに近いのに、遠い縁者の方は異なった感情のため、患者さんご家族が大変な思いをされてしまったことを私たちも少なからず経験してきました。
ご経験からくるメッセージ、本当にありがとうございました。
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happiness1207さん (aruga)
2023-10-25 06:54:04
感情を受け止めてくれるホットラインがあることは心強いですね。
社会の下支えに感謝しつつ、そこにたどり着けない方も多くいらっしゃることでしょう。
現場の状況を教えてくださり、本当にありがとうございました。
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Tristanさん (aruga)
2023-10-29 21:54:38
あふれる情報、だから難しさが増していること、まさにそうだと思います。
コメント、ありがとうございました!
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