緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

小樽からの帰京トラブルでのポケモン効果と日本橋のジャパンキャンサーフォーラム

2016年08月07日 | 社会時事

木曜日は、小樽にお招きいただき、
オピオイド・スイッチングのワークショップを
行ってきました。

金曜日、帰京のために、
新千歳空港に到着したところ、
ものスゴイ混雑でした。

何事だろうと思ったところ、
保安検査をすり抜けた一人の人のため、
全員をいったん外に出して、再検査となったようで、
その混雑でした。

http://www.sankei.com/affairs/news/160805/afr1608050014-n1.html

バーコードがエラーになったか
チケット紛失かよくわかりませんが、
車いすのスペースに回り込んで、
すり抜けた20代の女性。

他の乗客の再検査している間に
すでに、羽田便に乗り込んで
飛び立っていたとわかったのは、
都内に戻ってきてぐったりの数時間後のことで、
もう・・、絶句でした。

まあ、何事もなくてよかったです。

安全管理は本当に難しいです・・

あまり、こうしたトラブルにはぶつからないのですが、
新千歳空港は、全員をいったん出して行う再検査は
実は、初めてのトラブルではなかったそうです。



このトラブルで、検査場に入る手前のスペースは、
ぎゅうぎゅう状態でしたが、
結構皆さん、根気よく待ち続けていました。

これ、たぶん、ポケモンgoのおかげのように思います。



私はあまり待つのが得意ではないのですが、
このときばかりは、ポケモンにアクセスし、
いらいらせずにすみました。

驚くほどたくさんのポケモンが次々に出現していて、
レアなものも少なくなく、
待っていた人たちの相当多くの方が
ポケモンゲームをしていたのでしょう。

不思議な感じでした・・・





土曜日は、キャンサーネットジャパンの
日本橋で開催された
ジャパンキャンサーフォーラムに参加しました。

がんの疼痛緩和の話をさせていただきました。

これはいずれ、動画がアップされるようです。

最後にいくつかの質問をいただいたのですが、
「痛みがあるようなのに、
痛み止めを飲んでくださらない80代の方に
どのようにアプローチすればよいでしょうか」
というものでした。

痛みを10段階で表現していただき、
(とはいえ、難しいので、
ティッシュペーパーボックスを
立てて質問する方法をお伝えしましたが、)
実際のところ、どのくらいの強さなのか知り、
そのことで、痛みによって何に困っているかー
例えば、夜寝られていないとか、
動かなくなってずっと横になっているなどで、
体が硬くなったり、弱くなったりしていないかなど
よりよく生活したり、体の若さを保ったりすることを
取り戻すための言葉がけについて
ご説明しました。

その過程で気が付いたのですが、
私たちが、痛みの強さ、パターン、生活の困りなどを
解説しても、それが医療の問診場面で使えたとしても、
生活の中で、家族の痛みをサポートするために
応用してみるといったことは、
とても、難しいことなのだということを改めて感じました。

具体的な言葉がけのセリフを伝えていったとき、
その質問なさった方の表情が、ある時点で、
フワッと溶けたことに気づきました。

伝わった、理解していただけた、
その瞬間でした。

私自身、このような経験を積ませていただくことで、
どうすれば伝えられるのか、
スキルを磨く機会をいただいているように感じます。

ありがたいことです。






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2 コメント

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生活,人生に関わっているという姿勢 (ALLさち)
2016-08-11 16:45:24
残暑お見舞い申し上げます。
コメントご無沙汰しておりますが、時々こちらに伺い励みや力を頂いております。
有賀先生のいつもよりいっそうよりよいものを目指していらっしゃるお姿に、励みや力を頂いております。
骨髄移植より7年で化学療法室パート勤務にたどりつきました。
限られた環境下で、患者さん,ご家族の生活への視点や人生の大切な時期に関わらせて頂いていることをベースに看護をすすめていくこと、個人としてはもちろん、施設のカラー・教育・メンバーの価値観によって、なかなかスムーズにはいかないことを感じます。
それでも、せめて個人としては、このベースを崩さずに患者さん,ご家族のお話を伺っていく中で、思いもよらず目的,目標としていたところにたどり着くことを経験し直しております。
いまだ、サバイバー兼看護師としてぐるぐるしていますが、有賀先生の姿勢をこれからも見習って、まだまだなレベルですが精進を続けます。
ご無沙汰しておりましたが、このブログを拝見してご挨拶したくなりました。
この場をお借りして。
今回もお力を頂きありがとうございました。
返信する
ALLさちさん (aruga)
2016-08-14 23:28:17
ご無沙汰しています。
お元気に頑張られている様子、こちらこそ励みになります。

骨髄移植から7年を経て、化学療法室にご勤務されているとのこと。スゴイです!!
働くことに戻ることは、とても、エネルギーが必要だっただろうと思います。
また、過去に患者さんの立場で経験したことにおいて、今度は医療者側から関わることに、良いこともあれば、悪いこと、辛いこと、様々なことが混在するのではないかと思います。

上手くいったときは本当に嬉しいですね!!
一方で、壁にぶつかったら壁に突っ込んで行かないで、一呼吸置いてくださいね。
どうぞ、過去を活かした今に繋がっていきますように!
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