緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

かかっていた病院に救急搬送を断られた患者さん

2006年09月04日 | 医療

オピオイドの投与方法についてコンサルテーションの依頼があり、ベットサイドへ。 すると、昇圧剤、カリウムを下げるためのGI療法が。 ってことは、と周りを見ると・・膀胱カテーテルからは、50cc。 無尿・・

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よくよく話を聞くと、2週間前までがん治療最先端病院で化学療法のため入院していたけれど、退院を促され、在宅医に紹介され自宅療養をなさっていたようでした。 数日前、急激に呼吸困難、血圧低下、嘔吐がありその病院に連絡を取ったところ断られ、結局、休日に当院に救急で搬送されていらっしゃったと。

急性腎障害のため、予後は日単位、カリウムの状況によっては時間単位かもしれません。 でも、ご家族はそんな状況を受け入れ切れない様子でした。 当然だと思います。 

まあ、あまりの高度な病院ゆえに、一旦病診連携で外に紹介した患者さんが、救急を理由に戻ってこようとされる様子は想像できるのですが、しかしながら、2週間前まで化学療法をなさっていた患者さんの緊急を受けてくれないとは・・ そして、どのような病状説明をされていたのでしょうか。

いざというときは、心臓マッサージをご家族が希望されているというのです。 高カリウム血症であれば、残念ながら戻ることは叶いません。 マッサージをすることで、血小板が少ないため、皮下血腫をつくってしまうでしょう。 そして、なにより、ご家族との大切な最期の時間をそうした医療処置の時間にしてしまうのです。 いたたまれない気持ちでした。 
主治医と話合いながら、今できることはとにかく苦痛を最小限にすること、ここに力を注ぎたいと思います。
医療
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