緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

七夕のお願い:人が動かずお金が循環する新しい社会を

2020年07月19日 | 社会時事
(画像は、フリーイラスト http://gahag.net/009085-star-festival/ から)

新型コロナ感染症の広がり方は、
6月11日の都内の状況から14日後の6月25日が
一つの境目になるだろうと思っていましたが、
思いのほかすぐではなく、
その一週間後の7月第一週頃からの
再燃となりました。

出張すべきことが一件あったので、
6月24日を予定していたところ、
急な会議がはいってしまい、
結局、7月1日に延期しましたが、
何とか終えることができました。

その後の感染の広がり方の予測は、
人の移動の制御次第でしょうが、
旅行の促進事業の程度によっては、
とめどなく広がっていく可能性を秘めています。



旅行産業は、地方の議員さん達の
パーティや会合に
ホテルや宿泊施設が使われるため、
陳情の道筋が育っているようで、
早い時期から配慮をされた可能性があります。

でも、そこにお金を落としたとしても、
感染がさらに広がれば、
その後の産業どころではなくなってしまうため、
一時しのぎの後に
とどめを指すことにならないか
心から心配しています。

感染の状況は、
世界が押しなべて落ち着かない限り、
終わりのないループに陥ってしまうため、
治療薬が出てこなければ、
年単位どころか十数年・・
もしかすると、ペストのように
数十年かかってしまう可能性も0ではありません。

https://blog.goo.ne.jp/e3693/e/cc1d02ea95198e2022b58965cd4788d8

ちなみに、ペストは、抗生剤テトラサイクリンの登壇で
急速に下火になりましたが、
今なお、局所的な発生を認めています。





と、
すると、
「お金の循環」を作るために、
補助金を人に与えて、
人を動かしてお金を循環させるのではなく、

人を動かさない
お金を循環させる構造を作らなければ
いけないということになります。




お取り寄せ
デリバリーシステム
ネットショッピング
などは
人を動かず
お金と物を動かすわけですから、
これからはここが伸びしろになっていくことは
容易に想定できます。



行政施設は、
デジタル申請、リモート会議がさらに
一般的になれば
分散させることも
可能になります。


学校も
講義はリモート授業で十分になり
グループワークもリモートである程度できます。
もの作りや音楽などのワークショップは
集合型の部分的な登校としてとして、
自宅でのリモートと登校とのメリハリをつけた
指導要綱の再構築を求められることでしょう。


医療は・・・
直接診察することが重要なため、
事前問診、症状のスクリーニング
再診で身体変化の確認後の処方程度にとどまってしまいます。


旅行や美術館に出かけるといったことは・・
行くことに意味がありますから、
リモートでは難しいと感じますが・・

過去に勤務していたがん専門病院で、
患者さんの身体的な状態が厳しなった時、
動くことは必然的に制限されてしまうので、
バーチャルに散歩できたり、
歩く動作に近い踏板のようなものを足に付けるなどで
動かない(歩行をしない)リハビリの工夫をしたような実証研究が
されたことがありました。

まあ、予想通り、上手くいかなかったわけですが・・

(つまり、末期の衰弱した方や
四肢麻痺を生じたがん患者さんにとって、
あまりQOLが向上しなかったということです)

でも、この発想のようなアイディアは
旅行などに代わる新しい楽しみ方に繋がっていくような気配も感じます。

ゲームの世界はこれに近いかもしれません。




PCの向こうに
無限に世界が広がっていく・・

あれもダメ、これも無理といっていないで、
どんどん新しいアイディアで
社会を変えていく、
発想の転換が必要に感じます。


この発想の転換

「水平思考」 といいます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%B9%B3%E6%80%9D%E8%80%83

水平思考(すいへいしこう、英:Lateral thinking)は、
問題解決のために
既成の理論や概念にとらわれず
アイデアを生み出す方法で
エドワード・デボノが1967年頃に提唱。



論理を深めるには有効である一方で、
斬新な発想は生まれにくい「垂直思考」を
既に掘られている穴を奥へ掘り進めるのに例えるのなら、

様々な視点から物事を見ることで
直感的な発想を生み出す方法の「水平思考」は
新しく穴を掘り始めるのに相当する。
(酒井高男 (2001年7月4日). “遊びの効用 (2) 垂直思考と水平思考” )


Wikipediaから抜粋です。
挑戦的発想法:
ある物事に対してそれがなぜ存在するのか、あるいは何のためにそうなっているのかを考えることで、新しいアイデアを生み出す方法である。 例えばコーヒーカップの取っ手がなぜあるかを考えてみる。その結果、取っ手がないと熱くて持てないからであろうと考えたとする。ならばコーヒーカップに取っ手を付ける代わりに熱が伝わらない指部分の持ち手や、ビアホルダーのように分離できる持ち手を付けてもいいのではないかという新しいアイデアの源になる。


ああ・・誰か・・
新しい世界、社会を作ってください・・・

七夕のお願いでした・・

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2 コメント

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Unknown (Tristan)
2020-07-19 19:48:43
>一時しのぎの後にとどめを指すことにならないか

>人を動かさないでお金を循環させる構造を作らなければいけない

私もこの通りだと思います。

そして、できない理由を並べ立てて「だからできない」と言っていたのでは何も解決しない。今の日本の社会はこれだと思います。
何をどうやったらできるのかという方向で考えないと、いつまでたっても何も変わらない、変わらないものは滅びるだけだと思います。
返信する
Tristanさん (aruga)
2020-07-20 23:21:00
同じ方向を見てくださっているコメント、本当にありがとうございます。
これから1か月、どのような方向に向いていくことになるのか、正念場です。

今頃は、オリンピック開会式直前だったのに・・と思うと、やるせなくなってしまいますね。
返信する

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