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緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

国立国際医療研究センターで

2016年01月18日 | つれづれ

国立国際医療研究センターに
勤務したことがある医師、薬剤師の会がありました。
いわゆる同窓会です。

勤務していたころ、
後期研修医だったり、
臨床指導医だった先生方も
開業されたり、
病院の中心的な存在になられたりして、
随分時間がたったのだなあとつくづく感じました。

私にとっては、
一人で緩和ケア科を立ち上げた病院でもありましたので、
若い先生達とは、苦楽を共にした感があり、
懐かしさで一杯でした。

そうした中、
今なお、私のコンサルテーションの返信を
保存し、教科書にして処方をしていますと
言ってくださる先生もいらっしゃり、
本当に嬉しいことでした。

様々なところで、立ち上げる中、
コンサルトの返信は、
とにかく、言葉の行き違いになったり、
数字や単位を誤らないように、
症状の評価から処方まで、
詳細なコメントを残していましたので、
確かに、一例一例のレシピ集になっていました。

それを本にしたものが以下のものです。



緩和ケアチームコンサルテーションの実際





高久史麿先生やPMDAの近藤先生にも
近況をお話することができ、
さらに、国立国際医療研究センターの
新たな取り組みも知ることができました。

国際診療部ができ、
オリンピックも見据えた体制が
準備されているようです。


国立国際医療研究センターという名前の通り、
イスラム教徒の患者さんにハラル対応病院食を開始し、
1日5回のメッカに向かった礼拝のための
お祈りの部屋がこの1月にできるのだそうです。




先日、家族がイギリス人のビーガンの友人を
自宅に招きたいとのこと。
鰹節が使えないので、
コンブ出しのみで和食を作り、
卵抜きでてんぷらを作り、
ああ・・日本人は結構食事に制限がある方に
冷たい文化を持っているなあと、
自分のことなのですが、
改めて感じた次第です。

ですから、イスラムの方のハラル食。
一体、入院が必要になったら、
今までどうされていたのだろう・・・と
当たり前のことに気づいていませんでした。

先日、このブログに頂いたコメントも、
宗教のお祈りについての質問でした。

イスラムの方のお祈りをきちんとできる場を確保したというニュース。

確かに、
これはイスラム教だけのことではなく、
宗教全体のことかもしれません。




以下、http://mixi.jp/view_event.pl?comm_id=153669&id=79223248
からの抜粋です。

外国人医療 実践講座 
第1回:イスラム教徒の患者対応とハラル

世界のイスラム教徒の人口は約16億人(世界人口の約23%)。うち62%はアジアに住む人々で、訪日外国人の上位を占めるインドネシア、マレーシア、中国等に多く居住されています。
イスラム教徒は豚肉が食べられないことは有名ですが、ハラルとは食品だけでなく、生き方、行動も含まれます。
国立国際医療研究センターでは、2015年から病院食でハラル対応を開始し、2016年1月にプレイヤールーム(イスラム教徒のお祈りのための部屋)が完成いたします。 今回の勉強会の前に見学時間を設けております(希望者のみ)。また、
実際に日本に住むイスラム教徒の方にお越しいただき、日本での生活や入院の経験についてお話をいただきます。講義は日本語です。ぜひご参加ください。
(筆者加筆分;医療者向けです)


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2 コメント

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Unknown (愛読者)
2016-01-18 07:48:59
何度も何度もその本を読み、いまも繰り返し読んでいます。
とても勉強になっています。
改訂やパート2の予定はございませんのでしょうか?
(大変お忙しいなかと思いますが・・・)
返信する
愛読者さん (aruga )
2016-01-21 20:41:21
ほんとうですか!!
ずっと昔の本のように感じていましたので、こうしたメッセージを頂戴できるとは思ってもおりませんでした。
本当に、ありがとうございます。
症例を題材にした本は、医療的な本幹は大切にしながら、個人が特定されないように修飾していかなくてはならず、想定以上にエネルギーと時間を要しました。
もうこれが最後だから・・と言い聞かせながら、やっと書き上げたという背景があり、この本の改訂はないかな・・と思っています・・・・・・
返信する

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