プロメテウスの政治経済コラム

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ウィキリークス米秘密公電 核密約は今日的問題  対米隷属の外務・防衛官僚の総入替えを!

2011-05-09 18:41:59 | 政治経済

内部告発サイト「ウィキリークス」で、日米間の最新の公電文書が次々と暴露され、注目を集めている。そこであらためて分かったのは米国ベッタリで暗躍する外務・防衛官僚の姿だ。大マスコミは詳しく報じないが、沖縄・普天間基地移設問題をめぐるやりとりでは、束になって「鳩山前首相潰し」をもくろむ官僚の露骨な発言が生々しく出てくる。政権交代で高揚した気分に浮かれた鳩山前首相の脇の甘さは、今後の政権交代にとって重要な教訓である。長年の自民党政権下で米国・財界という2つの支配階級に奉仕することに慣れ親しんだ官僚どもを総入替えしない限り、真の政権交代はありえない。菅政権では、政権交代にならないのは、官僚の言うが儘であるからだ。

 

高見沢将林・防衛政策局長は09年10月12日、キャンベル国務次官補との昼食会で、普天間基地県外移転を模索する鳩山政権の方針について「米側が早期に柔軟さを見せるべきではない」と発言。県外阻止の姿勢を鮮明にしろと助言、日本政府を蔑にして米国に媚を売っていた。藪中三十二・外務事務次官は09年12月21日のルース大使との昼食会で「いまは政治的な過渡期。(普天間問題では)日米がより非公式な形で対話を進めるほうが、公式的な協議の枠組みを定めるより望ましい」として、政治家そっちのけで勝手に協議を提案。藪中は「世論一般やメディアの一部は安全保障問題をよく理解していない。テレビのコメンテーターや政治家たちを教育することに価値があるかも」と露骨に“売国文化人”を使うことを提案。このほか、09年11月27日付の公電では、核密約調査を進める民主党政権に懸念を示す在日米国大使館のズムワルト首席公使に対し、梅本和義・北米局長が「普天間問題より悩ましい問題。鳩山政権は、調査がもたらす影響を理解していない」などと、これまた鳩山政権を蔑にして“忠米”の姿勢を強調していた。
日本の税金で給料をもらいながら、平気で時の首相を米国に売り渡す感覚。コイツら本当に日本人なのか。それともスパイなのか(Gendai.Net201159日)。


米軍再編を巡って米国ベッタリで暗躍する外務・防衛官僚の姿については、http://blog.goo.ne.jp/e-hori/e/e0380747b5cf1d6821ddff814581e330に書いた。
梅本和義・北米局長が「普天間問題より悩ましい問題」と言った、核密約にかかわる問題は、日米安保の根幹にかかわる今日的問題である。

鳩山政権の2009年に開始した日米核密約に関する調査が、なぜ有識者委員会報告書と言うかたちでウヤムヤにされてしまったか、「ウィキリークス」が7日、ホームページで公開した米秘密公電がその舞台裏を生々しく暴露している
099月、鳩山政権は日米安保関連の密約の調査を表明した。1127日に有識者委員会を発足させ、翌年3月に報告書を発表した。なぜ、有識者委員会報告書がまことに歯切れの悪いものとなり、とりわけ核持込み密約がウヤムヤにさせられたか、米秘密公電が明らかにしている。

米秘密公電の一つは、この有識者委員会発足当日のもので、ズムワルト駐日米公使と外務省の梅本和義北米局長との協議内容を報告したもの。公使は「米抑止戦略の重要な要素は、米艦船への核兵器の搭載の有無についてあいまいさを維持することだ」と強調。「日本国内だけの問題ではなく、グローバルな米戦略に影響を与え」るというルース駐日米大使の「憂慮」を伝えた。これに対し、梅本和義・北米局長は「普天間基地問題より難しい問題だ」と述べた上で、「現在の政治指導者は“密約”調査による影響を理解していない」として、民主党・鳩山政権の動きに「憂慮」を表明する“忠米”ぶりであった

 

梅本氏は、日米核密約の合意文書である「討論記録」が調査の結果、公表されることになっても、「(核搭載について)あいまいさを維持した米艦船の寄港にかんする新たなフォーミュラ(方式)を見いだす必要がある」と述べ、これまで通り、米核搭載艦船や航空機が自由に日本に出入りできるようにするから、安心してくださいと迎合したのである。米国政府は、政権交代後の日本政府による核密約の調査に、当初から強い懸念と関心を示すとともに、米艦船・航空機の核兵器搭載の有無について絶対に公にしないという原則を絶対に維持するというメッセージを、“忠米”官僚どもに繰り返し伝えていた。そして、“忠米”官僚どもは忠実にその指示に従った。米国による核持ち込み自由の問題は、決して過去の問題ではなく、今日的な問題であることが客観的に示された。そして、長年の自民党政権下で米国・財界という2つの支配階級に奉仕することに慣れ親しんだ官僚どもを総入替えしない限り、真の政権交代はありえないという客観的事実も明らかとなった。

 

 

 


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