プロメテウスの政治経済コラム

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沖縄米軍新基地修正 県民はだれも納得しない

2006-04-08 20:45:26 | 政治経済
額賀防衛庁長官は7日夕、沖縄県名護市の島袋吉和市長と防衛庁で会談し、米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設(沿岸案)について、滑走路を1本増設し、2本の滑走路をV字形に配置する修正で合意しました。島袋市長は「三地区(辺野古、豊原、安部)の上空を回避してほしいという要望を受け入れてもらえた」といいますが、同市長は今年一月の市長選で「沿岸案反対」を訴えて当選しており、沿岸案を巨大化しただけの修正案は、地元の住民や沖縄県民の誰もが納得しないことは明らかです。「沿岸案反対」という公約に真っ向から違反するものです


8日昼、約2時間半にわたり額賀長官と会談した沖縄県の稲嶺恵一知事は、「県は県のスタンスを堅持する」と、島袋市長が合意し修正案に早速、反対の立場を表明しました。普天間飛行場の代替施設受け入れにあたって、県が求めてきた「15年の使用期限」や「軍民共用空港」という条件が、修正案でもまったく顧みられていません

在日米軍基地の75%が集中する沖縄では、基地を新たに造ることに対して県民感情は極めて厳しい。稲嶺氏は、使用期限をつけて基地の固定化を防ぎ、軍民共用化によって単なる米軍施設ではなく沖縄の資産としようということで辺野古沖案(従来案)を受け入れた経緯があります。

滑走路を二本建設(着陸用(陸側)と離陸用(海側))するのに加え、沿岸案をさらに巨大化した今回の修正案は、「飛行ルートが名護市の集落上空にかかるのを回避する」という口実で、これまでの沿岸案を大幅に増強し、爆音被害や事故の危険、環境破壊をいっそう拡大するものです。
飛行ルートが辺野古、豊原、安部の集落上空を避けたとしても、規模の巨大化によって新基地と辺野古地区との距離はいっそう近くなり、一キロ未満になるとみられます。滑走路が二本になるのに加え、爆音被害が増大するのは必至です。
新基地での飛行ルートをあらかじめ定めたとしても、普天間基地では米海兵隊のヘリや固定翼機などは縦横無尽に飛び回っており、それが守られるなんの保証もありません。

自然環境の破壊も沿岸案より重大です。
新基地の巨大化により辺野古沖の浅瀬と大浦湾を埋め立てる部分ははるかに大きくなります。
辺野古沖の浅瀬には、国の天然記念物・ジュゴンのえさ場でもある藻場が豊富にあります。今回合意された計画は、額賀防衛庁長官が七日夜の記者会見でも認めたように、いっそう大規模にこの藻場を破壊することになります。沖縄の漁業にとって格好の漁場になっている大浦湾の破壊もさらに進みます。

費用的にも大幅なコストアップが避けられません。額賀長官は、工法や費用について「どのようにコストアップするかは計算していない」と答えました。「米軍の理解を得られるよう努力する」と述べ、米側との調整もこれからであることを明らかにしました。

昨年十月の在日米軍再編に関する日米合意では、普天間基地に代わる新基地建設(沿岸案)の目的に、沖縄の米海兵隊の強化が公然と掲げられました。沖縄からイラクへの海兵隊の出撃にみられるように、その海外侵攻能力=“殴り込み”機能を格段に強化するもので、この点でも、沖縄県民の反発は避けられません。11月の県知事選挙を控えて沖縄県民の計画撤回の抗議行動が週明けから早速始まるものと思われます。


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1 コメント

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とろろ (まり)
2006-04-08 22:58:32
芸能人のヒミツ教えちゃいます♪

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