プロメテウスの政治経済コラム

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「朝鮮半島の非核化」 なんと的外れの論評の多いことか

2018-04-29 17:37:09 | 政治経済

韓国と朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の歴史的な首脳会談(27日)に対し、日本のメディアや「識者」からは、「金正恩委員長のパフォーマンス」「融和ムードをアピール」「米朝会談の前哨戦」などのコメントが氾濫している。どれも的を外れていると言わざるをえない。27日の両首脳の言動、共同宣言の「板門店宣言」は、「パフォーマンス」でも「ムード」でも「前哨戦」でもない。冷戦構造のなかで、片や共産主義(アカ)=敵、片やアメリカ帝国主義の傀儡(手先)=敵として相互に敵対してきた南北がこれまでの敵対に終止符を打ち、どこの大国の顔色も窺うことなく、自主的に、冷戦の産物である長年の分断と対決を一日も早く終息させ、民族的和解と平和繁栄の新しい時代を果敢に開き、南北関係をより積極的に改善し発展させていくべきだという確固たる意志を確認したのである。

両首脳は、板門店で次のように宣言した。

1.韓国と北朝鮮は、南北関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げ、断絶した民族の血脈をつなぎ共同繁栄と自主統一の未来を繰り上げる。

2.南と北は、朝鮮半島で対立する軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するために共同で努力する。

3.南と北は、朝鮮半島の恒久的で堅固な平和体制構築のために積極的に協力する。

自主的、平和的に大同団結するという金日成の遺訓が見事に活かされている。

 

これに対し、赤旗までが「『朝鮮半島の非核化』の内容や検証方法、期限などには直接の言及がない」などと論評している。これほど的外れの論評はない。何故か。

それは、北朝鮮は一方的に核廃棄(武装解除)すべきだが、我が方は、絶対核を放棄しない(武器を置かない)と言ってるのと同じである。核保有五大国やインド、パキスタン、イスラエルなどは核兵器禁止条約を敵視し、取分けアメリカは韓国の米軍基地に核を保有したままで、一方的に北朝鮮に核兵器禁止条約の署名(武装解除)を迫っても対話は成立しない。朝鮮半島の非核化のためには、相互に非核化する、双方が武器を置くということが必要なのだ。

 

 


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