プロメテウスの政治経済コラム

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菅か小沢かの前に沖縄いっせい地方選  注目される基地問題を抱える市町村

2010-09-10 18:15:50 | 政治経済
本土では菅か小沢かを巡って大騒ぎであるが、沖縄の秋は、11月の知事選までまさに選挙の秋である。5日に告示された5市議選と7日に告示された22町村議選は、14日の民主党代表選挙より一足早く、12日投・開票である。普天間問題の地元宜野湾市や「移転」先の名護市でも、基地容認派は基地問題の争点化を避け生活、暮らしに目を向けさせているようだ。菅反動政権はもとより、小沢が勝っても民主党政権は、鳩山の動揺でオバマに借りを作ったという意識をもっているので、日米同盟強化の道をひたすら進むことは間違いない。確固とした基地反対派が沖縄で、どれだけ大きな議会勢力を占めることができるか、私たちも関心を持って注目したい。

12日をピークに行われる統一地方選挙の投開票を前に、沖縄タイムスは有権者100人に街頭アンケートを実施した(「沖縄タイムス」2010年9月10日)。
投票の判断基準について「政策・政治姿勢」と回答したのが45人と最も多かったほか、第3位の「知人や親せきの勧め(本人を知っているケース含む)」も23人に上り、地縁血縁の強さをうかがわせた。
重要視する政策分野を三つ以内で選ぶ質問では「地域活性化・雇用対策」(70人)と「医療・福祉・子育て」(64人)に集中し、生活重視が浮き彫りになった。一方、「基地問題」は20人(5位)にとどまり、米軍普天間飛行場の移設先である名護市など本島北部でも必ずしも争点になっていない現状を反映している、という。

名護市議選、沖縄県知事選を前に民主党政権と県内「移設」容認・推進派が急接近しているという。8月初旬、那覇市のホテルで開かれた仲井真弘多県知事の後援会役員会で、名護市の有力建設会社会長は、「辺野古回帰の道筋」について、「名護市議選は(新基地容認派が)勝つ。その結果を見てから知事は普天間『移設』についての態度を決めればいい」と語ったという(「しんぶん赤旗」2010年8月19日)。
仲井真知事は、「県内移設反対」の県民世論の前で「日米合意の実現(辺野古への移設)は難しい」と何度も口にはするが、決して「県内移設反対」とは言わない。北沢俊美防衛相は「仲井真さんに(知事選で)勝ってほしい」とズバリ期待を込める。
7月23日に名護市内で開かれた仲井真知事を招いての、新基地容認派の市議選予定候補者15人の激励会には、島袋吉和前市長はじめ市商工会、漁協組合、ビール会社、建設会社などの新基地容認派が勢ぞろいし、“気勢”を上げた。

自公政権時代から新基地容認・推進してきたオールスターキャストが再登場し、気勢をあげる背景には、民主党政権、在沖米国総領事の活発な働き掛けがある。前原誠司沖縄担当相は、前名護市長の島袋氏や前出の建設会社会長などと積極的に接触しているという。官房機密費が存分に使われているのだろうか。
新基地容認派は、市議選(定数27)で過半数の議席を確保し、「海にも陸にも新基地はつくらせない」とする稲嶺進市長と対決、逆流させる構えだ。

民主党代表選で菅氏が勝てば、日米同盟強化の方向が一気に進むだろう。菅マニフェストの外交・安全保障は、小沢、鳩山時代には使わなかった「日米同盟」という言葉を堂々と掲げ、「日米同盟を深化させます」という。「日米同盟を強化」するという自民党となんら変わらない。むしろ菅首相の私的諮問機関である新「安保防衛懇」報告書は、「もっと能動的な『平和創造国家』」を旗印にして、軍事的役割の強化・拡大を迫まり、自民党さえ遠慮して言わなかった「非核三原則」や「武器輸出三原則」の見直しなどを堂々と主張している。

選挙の秋、沖縄で確固とした基地反対派が、どれだけ大きな議会勢力を占めることができるか、私たちも関心を持って注目したい。

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