プロメテウスの政治経済コラム

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北朝鮮問題の核心を外す議論には呆れるばかり

2017-04-27 21:05:27 | 政治経済

北朝鮮をめぐる議論があまりにも的外れなのには呆れるばかりだ。なぜ北朝鮮が、核・ミサイル開発にこだわるかまるっきり分かっていない。 

北朝鮮の名目GDPは、2015年の国連の国別ランキングで米国18,036,648百万米ドル、北朝鮮16,119百万米ドル。北朝鮮は実に米国の0.09%、日本は4,383,076百万米ドルで日本の0.4%である。この最弱小国が、なんで好き好んで米国や日本を相手に“挑発”をすることがあるのか。挑発して、戦争になったらどうするのか。戦う前から勝負は決まっている。とても恐ろしくて、先に手をだすことなど絶対にありえない。

北朝鮮の核・ミサイル開発を“挑発”と言う政治家・マスコミ報道は、誹謗中傷の類のすべてウソである。 

北朝鮮問題は、一にも二にもアメリカの問題である。アメリカ帝国主義がアジア支配の一環として北朝鮮を組込み利用し続ける限り、問題は解決しない。
朝鮮が無抵抗に自動崩壊することは考えられないので、アメリカの先制攻撃が韓国、日本を巻き込んだ血の破局を迎えるか、なんとしてもそれを避ける米朝の対話による平和協定の締結しか道はない。
韓国国民、日本国民の少なからずの命がそして北朝鮮が最後的破局を迎えるかは、トランプ政権の選択にかかっている。もしも、アメリカが北朝鮮に対し先制攻撃を行うならば、イラク、アフガンをはるかに超える過去最大の戦争犯罪となることだけは確かである。 

朝鮮戦争の休戦協定成立以来、64年間、アメリカは、朝鮮民主主義人民共和国を罰し、屈辱を与え,苦痛を味あわせるため、出来る限りのあらゆることをやってきた。ワシントンは、朝鮮民主主義人民共和国を飢餓にさらし、北朝鮮政府が外国資本や市場にアクセスするのを阻止し、経済を壊滅的経済制裁で締め付け、強力なミサイル・システムや軍事基地をすぐそばの韓国、日本に配備し、24時間、暴力的威嚇を続けてきた。

そして今、トランプ政権は、最後通牒を出来る限り威嚇的に伝えるよう中国政府に無理強いしている。

しかし、北朝鮮は、アメリカや中国の脅しに決して屈せず、屈する兆しもない(日本の安倍など歯牙にも掛けないし、トランプに追随する守銭奴の中国を軽蔑の眼差しで見るだけだ)。

 

何故、北朝鮮は屈服しないか。

アメリカは、50年代の朝鮮戦争で第二次世界大戦中に太平洋戦域全体で投下したより多くの爆弾を北朝鮮に投下した。32,000トンのナパーム弾を含む絨毯爆撃は、軍事標的だけでなく、意図的に一般市民を標的にすることが多く、戦争をするのに必要な程度を遥かに超えて、北朝鮮を壊滅させた。都市丸ごとが破壊され、何千人もの無辜の一般市民が殺害され、夥しい人々が家を失い、飢餓になった。

北朝鮮に対するアメリカの戦争の凶暴性は、北朝鮮の人々の心にぬぐい去れない傷を残した。
それでも、北朝鮮は立ち上がった。北朝鮮としては、いかなる犠牲を払おうとも、同じシナリオが将来おこることを絶対許せない。 

金正恩が、フセインやカダフィに加わらないでいる唯一の理由は、祖国防衛と共産主義の大義のもと一致団結し、ソウルや沖縄や東京を、もしもの時には、瓦礫の野原におとしめる能力を準備して来たからだ。北朝鮮が大量破壊兵器を持たなければ、平壌は、とうの昔に先制攻撃に会い、金は、フセインやカダフィ同様の運命に会っていたはずである。核兵器・ミサイル開発は、アメリカの冒険主義に対する唯一の既知の対抗手段なのだ。

北朝鮮は、戦争すれば負けるに決まっているアメリカや日本を決して“挑発”することはない。なけなしのカネをつぎ込んだ核・ミサイル開発は、朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮民族をアメリカ帝国主義の侵略から防衛するぎりぎりの自衛の手段でしかない。

 

 


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