プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

在日米軍再編に最大限努力―いいのか日本の進路

2005-11-16 18:38:43 | 政治経済
京都での本日の日米首脳会談で、両首脳は在日米軍再編の来年3月までの最終決着に向け調整を加速させることで一致、小泉首相は「実現できるように政府一体で最大限努力する」と強調した。さらに首相は「米国は日本にとり、かけがえのない同盟国」、ブッシュ大統領は「日米は死活的で、強固な関係だ」と互いにエールを交換した。これを世界とアジアの人々はどうみているか。日本はいまでもアメリカのイエスマンと思われているが、今後はさらに米軍が海外(不安定の弧―注参照)で何かことを起こせば、日本も軍事的に従うことになり、肝心な情報はアメリカが握ったままで、わけもわからず、当事者責任の一端を担わされていたということになるのだ。国の進路をアメリカに任せてしまって本当にいいのだろうか。
[注]今日におけるアメリカの世界戦略は豊かな油田のあるアフリカ北部を「チャンスの弧」(arc of opportunity)と位置づけ、治安と経済が安定している欧州を「安定の弧」(arc of stability)としてそれぞれをアメリカの世界戦略基盤としてとらえるとともに、イスラエルからカスピ海を通り北朝鮮を結ぶ線と紅海から韓国へと至る弧の間、つまり東欧から中東、インド、東アジア (特に中国、北朝鮮)にかけての地域が近年、テロの温床となり、米軍基地も少ない地帯であることから、「不安定の弧」(arc of instability)と名付け、米軍による関与の強化を明示している
これまで、曲がりなりにも「日本の防衛」のために存在した日米安保体制の大変質―60年安保闘争を知る世代からみれば、こんなに深刻で大変な問題を浅薄な小泉一派にまかせておいて、国民的な論争は基地関係自治体などの局地にとどまってしまっている。マスコミも労働組合も市民運動も政党も一体どうなってしまったのか。
いま、アジアで、そしてラテンアメリカで、アメリカ(追随する日本)のような軍事偏重には一定の距離を置きつつ、平和の秩序を模索する胎動が力強く前進している。日本は東南アジア、北アジアに背を向けて、21世紀をどう生きていく積もりか。世界のどの国もアメリカに先に戦争を仕掛けるようなバカことはしない(アメリカの軍事力は圧倒的)。したがって、米軍が動くときはイラク戦争のように必ず先制攻撃となる。自衛隊が米軍の一翼を担うことが、何を意味するか自ずから明らかであろう。日米同盟は一度ご破算にし、対等の立場でアメリカと軍事ではない友好条約を結ぶことだ。国民全体の課題に相応しい大論議を巻き起こそうではないか。



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1 コメント

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Unknown (kouhei)
2005-11-20 20:16:25
<米軍が動くときはイラク戦争のように必ず先制攻撃となる。



イラク戦争がそのことを語っていますね

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