プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

孤立する日本―アジア冷戦の前兆

2005-11-22 18:25:28 | 政治経済
「日米関係が良ければ、中国、韓国、アジア諸国との関係も良くなる」とうそぶいた小泉首相だったが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)では、早くも、これが通用しないことを思い知らされたことだろう。朝鮮日報は「袋叩きにあった小泉」、釜山日報は「新密月の韓中が日本バッシング」と報じた。いつもは小泉応援の日本の大手マスコミも次のように報じた(毎日新聞- 11月19日)。“朝鮮半島で世界の大国である日米中露4カ国の首脳が、史上初めて一堂に会した今年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)。各国とも活発な首脳外交を展開する中、日本は小泉純一郎首相の靖国神社参拝が障害となり、今ひとつ精彩を欠いている。小泉首相はブッシュ米大統領との親密さを振りかざして、中韓両国に「友好」の確認を迫るが、両国はむしろ態度を硬化させてしまったようだ。強気一辺倒で押す「小泉アジア外交」には、国内政局と勝手が違って当分、局面を打開する見通しもなく孤立感が漂う。”このようななかで、英紙「ガーディアン」(11.17付)の論評が注目される([赤旗」05.11.22)。小泉の挑発とそれにつき従う日本国民の新しいナショナリズムについて、次のように論評した。
「中国、韓国の反対にもかかわらず、A級戦犯が祀られている靖国神社にまた参拝したことで、小泉首相は端緒的なナショナリズムを見せつけた。日本の将来にとって非常に重大だ。首相は、両国への挑戦ではないと言いつつ、(自身は)挑戦であることを知っている。参拝を繰り返すことで、日本国民と中韓両国に対し、日本の将来像が形成され始めているということをはっきりさせようとしている。日米同盟の強化によって、東アジアにおける日本・アメリカ対中国の新しい冷戦の最初の兆候が見られる」とし、「日本が自ら進んで過去と向き合い、中韓はじめアジア諸国との関係で新しい時代を主導しないならば日本は孤立し続けるだろう。日米の関係強化は日本の孤立を深めるだけのようだ」と警告した。
われわれは、小泉を動かす黒い勢力に乗せられてはならない。1930年代のはじめ、外交で窮地に陥った日本は「名誉ある孤立」と称して国際連盟を脱退し、あの無謀な戦争に突き進んだ。われわれは、歴史の苦い教訓を忘れてはならないのだ。

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