プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

全国青年大集会2007  資本主義的蓄積の一般法則 自分で変えようとたたかえば、変えられる

2007-05-21 19:19:43 | 政治経済
資本蓄積のメカニズムは、資本の増大につれて相対的過剰人口を創出し、そのもとで現役労働者軍の貧困・抑圧・搾取の増大をもたらし、一方の極での富の蓄積と他方の極での貧困の蓄積という敵対的性格をもって進行する。これが、資本主義的蓄積の一般法則である。労働法制の規制緩和で、社会の法、ルールが資本蓄積の思いのままとなれば、失業者、その何倍もの不安定雇用、無権利労働者など、半失業者、ワーキングプアの数が増える。日本の雇用労働者の3人に1人は、「非正規労働者」である。
従来、学校を終えた若者は、そのまま企業に正規雇用で雇用され、長期雇用を前提として職場配置を決められ、仕事を教えられながら一人前になっていった。若者の正規雇用の激減と非正規・失業の急増は、そうしたシステムが、入り口のところで解体されたことを意味する。

20日の全国青年大集会には、全国から3300人の若者が集まった。「青年一揆」のむしろ旗や「時給千円に」「連」「帯」の文字を記した帽子、色とりどりの風船、法被姿と思い思いにアピールする青年たち。マスコミ約二十社が取材に訪れ、青年を使い捨てにする財界と大企業の横暴は許せないと青年自らが立ち上がった姿に大きな注目が集まった。
「言うべきは言わなくては。たたかえば変えられると、この集会に参加して勇気がわきました」と広島県の男性(20)。「労働組合って社会的連帯を体現することなんだ、自分の仕事に誇りを持てる環境をつくる組織なんだとわかった」というのは、一年前に神奈川青年ユニオンを結成した女性(28)。大阪市の女性(26)は、「初めは仕事のぐちを言い合うだけだったのに、去年の大阪の青年集会、それに向けた地域集会と積み重ねるなかで、小さな声でもあげていくのが大事なんやて自信がわきました」と笑顔で話した。実行委員会を代表して民青同盟の姫井二郎委員長が、若者の仕事と貧困の問題の責任は若者を使い捨てにしてきた大企業とそれを応援する政治の責任だと指摘。「仲間の力、連帯の力こそ職場を変え、社会を変える力」と力を込めた(「しんぶん赤旗」5月21日)。

集会では、政党から日本共産党の志位委員長があいさつし、感じることして3点をあげた。
第一は、社会的告発の大切さ。「格差社会」の実態は貧困問題にあり、政府がまともに調査しようとしないもとで貧困の実態、職場の無法の実態を告発していることは「勇気ある意義ある大義あるたたかいだ」と指摘した。
第二は、若者の連帯の大切さ。とくに若者の中で労働組合運動が新しい広がりをみせているのはすばらしいことだと強調。国民、若者を分断する攻撃を「社会的連帯で反撃を」のスローガンを掲げ「仲間をつくり労働組合をつくり、団結の力で打ち破ろう」とよびかけた。
第三は、問題の本質をみすえ、大本から解決する大切さ。深刻な若者の雇用問題は、自然現象ではなく、若者に使い捨て労働を強いている政治と財界に責任があると指摘。異常な大企業本位の政治にこそ、問題の根源がある。「『政治を変えて、若者の未来を開こう』の立場で奮闘しよう」と訴えた(「しんぶん赤旗」同上)。

「機会の平等」、「自立」、「自己責任」―格差・貧困という社会的問題をすべて個人の問題に還元するイデオロギーが横行している。しかし、人間は、彼らの生活の社会的生産において、一定の、必然的な、彼らの意志から独立した諸関係にはいる(マルクス「経済学批判」序言)のだ。就職の入り口で、安定した雇用やまともに生活できる賃金が与えられないのは、個人の責任では絶対ない。日本資本主義の仕組みがおかしいのである。その仕組みで甘いシルをすっているものがいるならば、たたかうことによって仕組みを変えるほかない。

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