プロメテウスの政治経済コラム

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北朝鮮のミサイル 挑発を自制し対話に臨め  ━ 呼びかける相手を間違っている ━

2021-09-17 18:06:54 | 政治経済

「北朝鮮のミサイル 挑発を自制し対話に臨め」・・・本日(9/17)の西日本新聞の社説である。日本の主流マスコミの論調もこれと似たり寄ったりである。誠に不思議である。社説が指摘するように“北朝鮮は昨年来、新型コロナ感染拡大への警戒から長期間、国境を封鎖し、経済的困窮は深刻だ。大水害も重なり食料事情は一段と厳しくなっている”・・・その通りである。にも拘らず、弱小国家・北朝鮮が、なぜ、好き好んで新兵器を造り続けているのだろうか。素直に考えれば、世界を“挑発”する為などでありえない。真逆である。挑発しているのは、世界最強国・アメリカの側である。

 

米国によって強要された朝鮮戦争は朝鮮人民に痛恨の傷跡と莫大な人的・物的被害をもたらし、血筋を分けた肉親たちが互いに分かれて住まなければならない民族分裂の苦痛は今この時刻にも続いている。戦争の悲痛な傷跡を未だ抱えている朝鮮民族は、戦争のない平和な地で暮らしたい宿願をどの民族よりも強烈に持ち、その宿願を叶えるために長久かつ絶え間ない努力を傾けてきたが、当然の結実を見ることができていない。その根底には、米国の対朝鮮敵視政策という黒い魔手が伸びている(http://www.koryojournal.news/?p=4458)からだ。

 

朝鮮戦争が終わった後の米国の対朝鮮敵視策動を一言で特徴づけるなら、朝鮮半島永久分裂と北朝鮮に対する絶え間ない核の脅威恐喝だった。北朝鮮は、少しでも油断すれば圧倒的軍事力を持つ米国に核を含む軍事攻撃を受け、そうなれば国家の存亡すら危うくなるという状況が続いている。

 

米国にとって対北朝鮮敵視策動は、韓国、日本を支配下に置き、軍産複合体の利益を守り、対中国、アジア覇権にとっての要である。挑発を自制し対話に臨まなければならないのは、世界最強国・アメリカの側である。なんで、太平洋の遠く離れたアメリカが、戦後76年もたって未だに韓国、日本に駐留しているのか。おかしいのは、平々凡々とこの現実を考えもせず、”挑発”などと北朝鮮を批判する側である。

朝鮮半島、日本からの核兵器を含めたあらゆる外国軍隊の撤退が実現したとき、すべてのアジア諸国による核兵器禁止条約の署名が実現し、北朝鮮の新兵器開発も終焉を迎えるのだ。


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