プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

「Peace Night 9」  学生も立ち上がった

2007-11-19 19:01:23 | 政治経済
学生「九条の会」による秋の大集会「Peace Night 9」(同実行委員会主催)が16日夜、早稲田大学(東京都新宿区)で開かれた。千百人の学生らが参加し、戦争の放棄や軍隊の不保持を明記した憲法九条を大切にしようとの思いがあふれた、という(「しんぶん赤旗」11月17日)。福田―小沢密室談合で、憲法9条の改憲では福田・自民党も小沢・民主党も、同質、同類であることが、改めてはっきりした。国会の9割以上が改憲勢力であることは、きわめて危険である。9条改憲を阻止できるかどうかは、国民の過半数を反対で固めることができるかどうかにかかっている。学生が立ち上がったことは、本当に心強い

米国の法律家団体ナショナル・ローヤーズ・ギルド(NLG)の第70回記念年次大会は11月2日、日本国憲法改悪の動きを懸念し、憲法9条を守る日本の運動に連帯を表明する決議を採択した。決議は、憲法9条が「発達した国の憲法で唯一、『戦争と武力による威嚇又は武力の行使』を『国際紛争を解決する手段』として放棄した」ものだと指摘。日本国民多数の反対にもかかわらず、自公政権がおおっぴらに、9条を廃止して「戦争と武力による威嚇」を外交政策としようとしていること、五月に国民投票法を強行したことを批判した(「しんぶん赤旗」11月4日)。戦争国家アメリカでも心ある人びとは憲法9条の価値を尊敬している。
アジアの人びとは、日本人が侵略戦争を公式に反省しない政府をいつまでも承認していることに不満を持っているが、日本人が憲法9条を堅持していることには敬意と期待を持っている。日本国民は、憲法9条を堅持することによって人間としての道徳的権威をかろうじて保持しているといってもよい。
改憲問題は、狭義には日本の政治問題であるが、同時に人類の未来の歴史を考える世界の人びとの共通の問題なのだ。

「九条の会」は、10月18日の会見で、全国に広がる草の根「九条の会」(地域・分野別の会)が6734に達したと発表した。都道府県別では、東京が700を突破したのをはじめ、大阪651、北海道465、京都375などとなっている。11月24日には、第二回全国交流集会を東京で開催する予定である(「しんぶん赤旗」10月19日)。
10月26日、国内の著名な呼びかけ人63氏や、NGO(非政府組織)、労組、女性団体など約50団体でつくる「9条世界会議」日本実行委員会は、来年5月に「9条世界会議」を開催すると発表した。「世界会議」は、5月4日に千葉・幕張メッセで7000人規模の全体会を開くのをはじめ、5、6の両日に分科会や自主企画、仙台・大阪・広島での集会を計画している。全体会ではノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイアさん(北アイルランドの平和活動家)らが講演する予定である。実行委員会共同代表の吉岡達也さん(ピースボート共同代表)は「国際社会にとっての九条の意味を世界と話し合う最初の機会としたい」と開催の趣旨を説明した(「しんぶん赤旗」10月27日)。

「祖母から長崎の原爆の話を聞きました。憲法を絶対変えちゃいけない」(早稲田大学商学部の学生)―早稲田大学で16日夜、学生「九条の会」による秋の大集会「Peace Night 9」が開かれた。改憲の動きに対し、学生が九条について考えようと千人規模で集まったのは、近年にないことである。9条を自分たち自身の問題として考えようと「九条と私」をテーマに高校生や学生、院生が次々と発言した。「九条の会」の呼びかけ人の一人である加藤周一さん(評論家、作家)が「老人と学生」と題して講演。加藤氏は、なし崩しに始まる戦争の危険性を語り、九条を守るたたかいに学生が立ち上がろうと呼びかけた。集会では「私たちは誰も殺したくない、誰にも殺されたくない。だから、憲法九条の道を選びたい」とのアピールを確認。集会の賛同人として、東京大学の小森陽一教授と早稲田大学の水島朝穂教授が参加した(「しんぶん赤旗」11月17日。

「学生が動けば世論が動く」というのは、古今東西の歴史の教訓である。
「Peace Night 9」の実行委員会は会議を重ね、自分自身の言葉で9条のことを語れるようになろうと学習や各大学の経験交流をしてきた。実行委員として当初からかかわってきた東京大学の女性(3年生)は集会を終えての感想をのべている。「みんなが心の底では平和が一番と思ってるんだなと実感できました。この集会は私にとって、未来を担う学生にとって、なくてはならないものになりました」。
早稲田大学9条の会の4年生は「今回は都内で開いたけど、全国でこういう取り組みが広がればいいな」と語った(「しんぶん赤旗」11月19日)。

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