プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

官房機密費  正々堂々の公金横領  これこそ事業仕分けの対象に!

2009-11-26 20:31:48 | 政治経済
国民の税金を使いながら、領収書もいらず使途も公表しなくていい「官房機密費」。これほど正々堂々とした公金横領はないであろう。同じような費目に、外務省の「外交機密費」や、警察などの「捜査報償費」などがある。使途を直ちに公にすれば、まずいケースがあるかもしれないが、その使途や相手方の氏名、名称等を帳簿書類に記載して然るべき第三者の監査を受けるのが当然である。監査を受けない公金支出は、公金を受け取った者の公金横領である。

 「国家機密」の大儀名分で使途が公開されない官房機密費2億5000万円を、自公前政権が総選挙翌々日の9月1日に請求し、後日、支出されていたことが日本共産党の塩川鉄也衆院議員の調べで分かった。総選挙敗北で政権交代が確定した者が「国家機密」にかかわる一体どんな活動をしたというのか!
鳩山新政権もすでに1億2000万円の同機密費を受け取っている。巨額の税金が何に使用されたのか、使用目的が誰からもチェックを受けないということが堂々と罷り通っている。公金横領でないと言うのなら、国民が納得できる監査・公表のルールをつくるべきである。巨額の税金を使いながら、何に使用されたのか使用目的を明らかにできない予算こそ、事業仕分けの対象として削除すべきである。

 官房機密費は2009年度予算で14億6165万円。機密費は、支出先の証明や使用目的の公開も領収書も不要ということで、罷り通ってきた。塩川議員が入手した資料によれば、毎月1億円ずつが支出されてきた機密費が総選挙翌々日の9月1日には2億5000万円と突出して引き出された。5000万円ずつの「請求書」5通はいずれも河村建夫官房長官名で、内閣官房会計課長あてに請求されが、支出を決めた「決議書」には具体的な使途について、まったく記述がない。河村建夫官房長官は、2億5000万円もの公金を横領したのだ。個人的横領でないと言うなら、誰に何のために支出したのか。

 一方、新政権発足後の9月17日には「官房機密費」の存在について「まったく承知していない」と述べた平野博文官房長官は従来通り、月1億円ペースで2010年度12億円の概算要求し、少し遠慮したのか、9月24日付で6000万円の「報償費」(機密費)を請求。10月14日にも6000万円を請求し、総額1億2000万円の公金を受け取った。平野氏は「国家、官邸の運営に必要な情報収集、支出がある」と言うだけで、自身が支出した1億2000万円の使途は「私の頭のなかにある」と述べ、記録の作成・保存を拒否し続けている。民主党は野党時代の01年、機密性の高いものは25年、それ以外は10年後に情報公開を義務づける官房機密費流用防止法案を国会に提出。先の総選挙マニフェストでは、税金の使途をすべて明らかにするとしていた。自民党の長期政権時代の膿みを取り除くのが使命と言って政権を取った民主党は公金私消のうま味を手にした途端、公約を破って恥じないのだ

 年間約14億円、1日あたりにすれば400万円にのぼる機密費の使途は、内政、外交全般にわたる政府の情報収集の対価などとされている。 しかし2002年当時、共産党が官房機密費資料を入手し、その裏付け調査の結果を公表している。海外に出張する政治家への餞別、与野党の議員に対する背広代やパーティー券購入などの国会対策に充てられていた事実が明るみにでている。外務省の官僚が5億円以上の機密費をだまし取り、競走馬やマンションを買っていたこともあった。国民の税金を党略的・私的に流用して恥じない自民党政権と同じことを民主党もやろうとしている。

 小泉純一郎首相との党首討論で「機密費に関しては徹底的に情報の公開を求めたい」と迫った当時も民主党の代表だった鳩山首相は、「私は一切、この問題には触らない。すべてを官房長官にゆだねている」という。その平野氏は就任直後の記者会見で、前任者から引き継ぎを受けていたにもかかわらず、機密費の存在を否定しておいて、1カ月以上たってようやく認めたが、「使途は私が責任をもって判断する。私を信頼していただきたい」の一点張りである。国民の期待を担った民主党のこれが本当の姿なのだ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。