プロメテウスの政治経済コラム

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米追跡のカンナム号、北朝鮮・南浦港に戻る  北朝鮮とミャンマーの怪しい関係

2009-07-07 18:57:33 | 政治経済

ミャンマー向けに輸出用の武器を積んでいる疑いがあるとして、アメリカなどから監視と追跡を受けていた北朝鮮の船舶「カンナム」号は、結局どこにも入港できないまま、6日夜に北朝鮮に帰港したことが確認された。
韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮の船舶「カンナム」号は、6日午後10時すぎ、北朝鮮西部のナンポ港におよそ20日ぶりに帰港したということだ。「カンナム」号をめぐっては、アメリカなどが国連の安保理決議で輸出が禁じられている武器などを積んでミャンマーに向かった可能性があるとみて、監視と追跡を続けていた。その結果、先月末に航路を引き返し、結局どこにも入港できないまま北朝鮮に戻ったということだ(NHKニュース7月7日 12時9分)。
北朝鮮もミャンマーも国内の報道規制が厳しくその内情は外からはなかなか窺い知れない。両国はラングーン爆破事件もあり、仲が悪いと思っていたが、最近はそうでもなさそうだ。

 「カンナム」号中央日報2009・7・7より


米韓情報当局の監視下に置かれていた北朝鮮の貨物船「カンナム号」が6日、同国南西部の南浦(ナムポ)港に戻った。米海軍がミサイルや核関連物資を搭載した疑いのある北朝鮮船舶を追跡していることが明らかになったのは、6月18日であった。
北朝鮮は武器輸送に使用される同型の船舶を5艇保有している。今回の船舶は「カンナム」1~5号のうちどれかはわかっていない。
2006年10月、香港海事局は北朝鮮の貨物船「カンナム1号」と姉妹船である「カンナム5号」を安全設備に不備が見つかったとして、出港を認めない強制措置を取った。「カンナム1号」は07年5月にミャンマーに入港したことが確認されている。北朝鮮とミャンマーは同年4月、国交を回復しており、北朝鮮からの武器輸出の可能性が指摘されていた(「産經」6月19日8時36分配信)。

 今回、カンナム号は米韓情報当局の監視下に置かれ結局どこにも寄港せず北朝鮮に戻ってしまったため、国連対北朝鮮制裁決議1874号を採択した直後に北朝鮮を発ったカンナム号が、どんな理由から何を積み込み、どこへ向かっていたかなどはミステリーとなってしまった 行き先については、ミャンマーあるいはシンガポールなどの情報が途中流れたが、私はやはりミャンマーではないかと思う。
北朝鮮とミャンマーは、1983年10月のいわゆるラングーン爆破事件(韓国の全斗煥大統領一行を狙いラングーンのアウンサン廟で遠隔操作でクレイモア地雷を爆破した―21名が爆死、負傷者は47名。全斗煥自身は到着が遅れ助かった)以降、長く国交を断絶していた。しかし最近、両国は、ともに閉鎖的独裁政権が国際社会から厳しく糾弾される同病相憐む仲にあり、中国になにかと依存しているという点でもよく似ている。中国からアレコレ指図されるのが面白くなく、はぐれモノ同士がくっついてもおかしくない

 カンナム号は約20日間も中間補給なく、出発地に戻った。韓国軍当局者は「老巧化した北朝鮮の船舶には、海水を飲み水に作る装置などもない」とした後「戻る際、12~15ノット(22~27キロ)の速いスピードで航海したことから考えて、食糧・飲み水の不足でかなり苦労したものとみられる」とも語っている(「中央日報」2009.07.07 08:29:44 )。
国連安保理の決議が有効に作用し、カンナム号は針路を変更せざるを得なくなったのだろうか。真相は不明である

 いずれにしても北朝鮮が、ミャンマー軍事政権と何らかの結びつきを持っているということは十分に想像できる。両国の動きに関する情報を注意深く追跡する必要がありそうだ。


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