プロメテウスの政治経済コラム

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米中間選挙7日投票  またしても流れる不正選挙のうわさ

2006-11-07 18:24:31 | 政治経済

7日に投開票が行われる米中間選挙はイラク戦争が最大の争点である。今回の選挙では連邦議会の下院の全議席(435議席)、上院の3分の1(33議席)、36の州知事が改選される。直前の情勢分析では、野党・民主党が下院で過半数に達する公算が大きくなり、上院でも過半数に届く勢いを見せている。米議会はクリントン政権時代の1994年から共和党が上下両院を押さえているが、ブッシュ政権はイラク政策で有権者の厳しい批判を浴びており、議会内での共和党優位が崩壊する可能性が高まっている(「読売新聞」 11月6日22時21分更新)。

そこでまたぞろ出てきたのがブッシュ共和党による選挙不正疑惑である。2000年の大統領選挙では、旧式のパンチカード型の投票機械が、フロリダ州などで、判読困難な投票結果を生み出したことが一因で、開票時に大混乱が起きた。いまでも民主党ゴア候補が勝っていたと信じている人は多い。9・11テロ事件は、大統領としての正当性を疑われたブッシュ政権と国際テロ組織の合作であったとする説もいまなお根強い。能天気の小泉や安倍にはわからない世界である。

ブッシュ政権下で旧式のパンチカード型の投票機械を新型の電子式(タッチスクリーン方式)に替える政策が、連邦予算の計上をともなって進められてきた。その結果、11月7日の中間選挙では、アメリカの有権者の8割が、電子式の投票機を使って投票を行うことになっている。
問題は、この電子式投票機の中に、投票の集計結果を簡単に改竄して不正がやれてしまうものが多いことである。アメリカの電子式投票機の大手メーカーは3社あるが、最も台数が多いのは「ディーボルド社」の「アキュボート」(AccuVote)という製品で、全米の投票所の約4割が、この投票機を使っている。この製品名は「正確な(accurate)投票(vote)結果を出す機械」という意味でつけられたのだろうが、このマシンは、名前が示すものとは正反対の、不正な投票結果を出してしまうことで、アメリカの選挙専門家の間で有名になりつつある(田中宇「不正が予測される米中間選挙」同上)。

ブッシュが再選された2004年の大統領選挙でも、ディーボルドの投票機が不正な集計結果を出力したことが一部で問題とされたが、民主党のケリー候補自身が投票日の夜、早々に敗北宣言をしてしまったという経緯があった。ディボールド投票機の疑惑は「あり得ない話」として、世の中では処理されていたが、この投票機が全米の選挙区に普及すると同時に、ブッシュ政権が「テロ戦争」の名のもとに、米国内外で人権無視の法律改定などを乱発しているのを見て不信感を募らせる人がアメリカの政界や言論界に増えた結果、11月7日の中間選挙を前に、投票機の不正疑惑が報じられるようになった。
投票機は、1票ずつの投票結果を印字して紙として出力することもできるが、多くの選挙区では印字機能は使われておらず、投票結果が不正かどうか、後から検証することはできない。日本のように、紙と鉛筆の投票方式なら、後から数え直すこと(再開票)ができるが、電子式の場合、投票機内部に蓄積されたデータそのものを書き換えられてしまうと、数え直しすらできない。選挙管理委員会や投票機メンテナンスの正式な担当者が不正プログラムを投票機に埋め込んだ場合、完全犯罪ができうる(田中宇 同上)。

世界をまたに掛ける“ならず者”アメリカは「正義」の名の下に汚いやり方を平気でやる。それを見て、自覚的な世界の人々は、どんどん反米になっている。ならないのは、日本の戦犯の末裔か、井の中の蛙でなにごとも学ぼうとしない人々だけである。


世らず者”アメリカは「正義」の名の下に汚いやり方を平気でやる。自覚的な世界の人々は、どんどん反米になっている。ならないのは、日本の戦犯の末裔か、井の中の蛙でなにごとも学ぼうとしない人々だけである。

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