プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

北朝鮮による「韓国人射殺事件」―もう終わらせよう「朝鮮戦争」!

2020-09-26 21:39:39 | 政治経済

 9月22日、南北朝鮮の「海の軍事境界線」と称されるNLL(北方軍事境界線)の北側で韓国の海洋水産部所属の漁船指導員が北朝鮮側の銃撃を受けて死亡する事件が発生した。赤信号を無視して横断歩道を渡る通行人を車が跳ねた場合、ドライバーは前方不注意で処罰されるが、それは平和な国家での話であって、38度線で今も銃口を向け合っている南北朝鮮の軍の常識では撃つ側に落ち度はないというのが冷酷な現実だ(https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200924-00199812/)。

 韓国軍は21日午前、海洋水産部所属の漁船指導員A氏が行方不明になったという報告を受けてから、約28時間後の22日午後3時30分頃、A氏が北朝鮮海上にいるという状況を把握した。しかし、A氏が殺害されるまで情報収集に手間取り、北朝鮮と接触を試みなかった。軍当局が国連軍司令部軍事停戦委員会チャンネルを通じて事実関係の確認通知文を発送したのは23日午後4時35分のことだった(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37861.html)。

38度線を仕切っているのは、今も国連軍司令部=駐韓米軍なのだ

 朝鮮戦争が勃発して70年になる。しかし、未だに戦争は終結せず、70年間続いた戦争は朝鮮半島の人々に大きな苦痛と痛みを与え続けている。

 なぜ敗戦国の日本ではなく、朝鮮が分断されたのか。朝鮮の人々なら誰もが一度はこのような疑問を抱いたはずだ。戦争に勝利した連合国は、敗戦国ドイツのように日本を分割占領する計画だった。1945年6月にドイツの分割統治が始まり、次は日本の番であった。米国が関東と関西、ソ連が北海道と東北、英国が九州と中国地方、中国が四国をそれぞれ占領し、東京はベルリンのように4カ国が分割統治する占領計画だった。しかし、日本の分割計画は実行されず、筋違いにも朝鮮が代わりに分断された。米国が日本占領政策へのソ連の介入を嫌い、天皇制を守るためだった。原爆のせいで降伏したという主張によって、米国の日本列島単独占領は支えられてきた(http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/37479.html)。

 日本の降伏の知らせを聞いて、朝鮮独立運動家の金九(キム・グ)はその時期の巧妙さを嘆いた。中国で長年にわたる国共内戦を経験し、国際政治の冷酷さを見守ってきた亡命政府の主席は「解放」を素直には喜べなかった。解放とともにやってきた分断はすでに75年、南北対立と戦争の恐怖はいまだに朝鮮の地を押さえ付けている(同上)。

 最近韓国で、チュ・ミエ(秋美愛)法務部長官の息子の軍服務をめぐってひと騒ぎがあった。分断国家の韓国の男性はみな兵役義務を果たさなければならない。兵役義務を果たさなければならないというのは「損害の平等」である。私が軍隊に入って若さと人生を犠牲にしたのだから、お前も犠牲になれ、私が損をした分、少なくともそれくらいは、お前も損をしろというわけだ。自分よりほんの何日間かでも休暇を多く取ったのではないか、病気休暇を名分とした特恵を受けたのではないかと、目を血走らせる。これまた、未だに朝鮮戦争を終結できない朝鮮の人々の不幸である。

 戦争を終わらせ、ともに平和を享受するという方向へは、その血走った目の前では思いもつかない。朝鮮の皆さん、もういい加減、朝鮮戦争を終わらせようよ!米国や子分の日本の思惑なぞ関係ないのだ。


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