プロメテウスの政治経済コラム

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琉球朝日放送ステーションQ 「原発点検労働者の実態」  原発サイトで作業する人びとの状況

2011-05-13 19:08:21 | 政治経済

東電福島第一原発の復旧作業のなかで、最も進んでいるはずの1号機の核燃料の大半が溶融し、圧力容器内の底部にたまり、一部は圧力容器の底から格納容器に落ちているかも知れないという。漏洩箇所の調査や修復をするにも、建屋内の放射線量が高く、作業員が簡単に近づけない(東電が発表した工程表は早くも破綻したようだ)。
原発サイトで作業する人びとはいまどんな状況におかれているのだろうか。厚生労働省は13日、東電や人材ビジネスの事業者団体などに対し、“だまして原発で働かせないよう”に要請する文書を出したという(「読売」513()1314分配信)。こんな文書が出ること自体、原発現場作業員がこれまでどんな扱いを受けてきたかを象徴している。
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11 1845分からの琉球朝日放送ステーションQ   Qリポートが「原発点検労働者の実態」を放送した(放送は全国ネットではないが、インターネットhttp://t.co/UwIMylNで見ることができる)。キャスターの三上智恵さんは、“社内では受けは悪かったんですが(笑)”とtwitterしているが、時宜にかなった素晴らしいリポートだった。

 

琉球朝日放送Qリポート「原発点検労働者の実態」は、こんなくだりから始まる。<沖縄に原子力発電所はありませんが、出稼ぎ労働者を数多く原発に送り込んできた歴史があります。2005年には県内の50代の男性が原発で被曝して死亡し、労働災害が認定されたケースもあります。沖縄と原発がどう関わってきたのか。原発で働く沖縄の労働者の実態を取材しました。>
放射能で汚染された現場で働く「原発労働者」たち。被曝量の限度を示すアラームが鳴ると交代し、人海戦術で作業する。内部に入るのはほとんどが下請け、孫請けの労働者だ。

40年、彼らを追いかけてきたフォトジャーナリストの樋口健二さん。先日、沖縄から原発問題を考える講演会で沖縄を訪れた。<原発労働者たちの話を聞くと、ノルマ仕事ばっかりだって。ノルマだからこれをやらなかったら給料がもらえない。仕方ないからマスクをはずすんだって。一回くらいならいいだろうって何回も何回も繰り返していくと、内部被曝という恐ろしい現実が待ってる。><樋口さん「28歳の青年の死。」母の言葉「まさか。原発の中が汚れているなんて。平和利用と言ったじゃないですか。安全でくりーんだといったじゃないですか。」僕の前で泣き崩れました「12カ所、改ざんされていました。島橋君が亡くなった翌日に。下請けの会社がこれ全部書き換えたの。被曝線量が多すぎて><樋口さんは、原発で働いた人の累計は200万人、そのうち被曝した人は50万人を超すと見ています。樋口さん「50万人というのは僕はごく常識的な数字と思っている。実は今、54基の原発が動いていますね,古くなればなるほど放射線がうなるように出てくるわけだね。被爆労働者は増えているって言うことですよ」「沖縄からまだ結構行ってるんじゃないかなと思いますね」><樋口さん「原発っていうのは国策だ。国家ぐるみで犯罪を犯してきたと思ってください」「国民はこのことを知らなければいけなかったの。それを40年間隠してきたの」>

Qレポートでは、沖縄の二人の元原発労働者と 6年前、最愛の夫を「悪性リンパ腫」で亡くし、泣き寝入りはできないと全国で署名運動を展開。3年後に労災を勝ち取った女性(末子さん)を取材している。
<末子さん「被爆してなくなった方たち、多分たくさんいるでしょうねって私思ってるんですけど、しかも労災手続きされていない方もたくさんいるとおもうんですよ」「やっぱり放射線とか被曝、大変だよって最初から教えてくれれば、そんな仕事やる方はいないですよ。自分の命を削ってまでは。」「ただ国が大丈夫、安全だって言うもんですから皆さんはそういう風に仕事を続けておられると思いますよ。>

そして、三上さんは原発労働者の労災認定には、累積被曝線量との因果関係を立証しなければならないという高いハードルがあり、過去35年間で10例だけであると述べ、放送を締め括った。

 

今、福島第一原発の建屋に入る作業員が高濃度の放射性物質に曝されていることは間違いないだろう。

原発「安全神話」のかげで、放射線被曝のリスクに晒され、名も知れずに使い捨てにされた無数の原発労働者がいることを、私たちは忘れてはならない。事故が起きなくても、原発は決してクリーンでないのだ

 


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