プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

改憲国民投票法案 自公・民主による改憲策動の新しい段階

2006-05-28 20:06:48 | 政治経済
自民、公明の与党は26日、憲法改定のための国民投票制度と国会法の一部改定を含む「改憲手続き法案」を国会に提出しました。民主党も同日、国会に「対案」法案を提出しました。与党は、6月1日の衆院本会議で趣旨説明と質疑を行う方針です。自・公・民主党改憲派政党が憲法改定に向かって大きく歩を進めようとしています。

自民、公明、民主党は憲法第9条改正派という点で共通しています。現憲法第9条に不都合を感じている支配層の意向を代弁しているわけです。9条改憲は日米同盟のヴァージョンアップが進むなか、早くスケジュールに乗せなければなりません。会期末が近づいており、3党協議も継続中であるにもかかわらず、改憲国民投票法案の国会上程を急いだ理由です。

改憲派にとって改憲国民投票法は単なる国民投票手続きを定めるためのものではなく、確実に改憲を実現できるものでなくては困ります。「民主党案」と「与党案」を比較してどちらがよりましというのは、現時点の最大の争点はでありません。民主党も、自公も改憲推進派であるということを忘れてはなりません。改憲派の狙いはただ一つ、改憲案を発議し、国民投票で過半数の賛成をえて勝利することです。そして、何のための改憲かといえば、自衛隊を自衛軍に格上げし、交戦権の制限を取っ払うこと―憲法9条②項を改定すること―この一点にあります
どんなに「よりましな国民投票法」でも、9条改悪のために使われることに変わりはありません

改憲反対、改憲国民投票反対の運動を盛上げ、民主党が世論のまえで、与党と安易に妥協できないような状況をつくりださない限り、改憲派同士が「合意点」や「妥協点」を見出すことは容易です。

改憲派にとって国民投票の成否は改憲への不可欠の条件です。改憲派は、改憲を確実に成功させるために、国民投票の方式(一括賛否、条文別賛否か)、過半数の定義(対有効投票数、総投票数、総有権者数か)、国民運動・マスコミ規制などで、できるだけ改憲案通過に有利なような法案をまとめようとすることは目に見えています。国会内で改憲派が圧倒的な状況(衆院480議席中反対は共産党9、社民党7であわせて16に過ぎない)で、国会内の討論だけで、問題点を追及することは極めて困難です。
国会外の改憲国民投票法案反対の運動を早急に起こさなければなりません



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。