プロメテウスの政治経済コラム

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生活も営業も破壊する消費税増税  なぜ法人税減税は「究極のバラマキ」なのか

2011-02-24 20:53:33 | 政治経済

消費税増税は庶民の生活も営業も破壊し、内需不足の不況を深刻化し、さらなる財源不足を招くことは明らかである。法人税減税は、庶民の犠牲の上に、強い大企業の溜め込み利益を増やすことに奉仕するだけである。多少社会保障給付を受ける庶民は、消費税で再び巻き上げられ、幸か不幸か社会保障給付に縁の薄い庶民は消費税の増税だけがのしかかる。大企業と富者だけは過剰な富を溜め込んで高みの見物であるどんな問題でも問われるのは「財界の利益か国民・労働者の利益か」「自己責任かそれとも国が国民を守るべきか」といった根本的な問題であり、どの政党がどの社会階級・階層の利益を擁護しているかである。国が国民を守るためには、負担能力のある者から過剰な富を吸い上げることが当然の前提となる。

 

「公約違反の消費税増税は絶対認められない」。日本共産党の佐々木憲昭議員は23日の衆院予算委員会で、菅政権が推進する消費税増税は公約違反であり、「庶民の暮らしも中小業者の営業も破壊する」と追及した。
佐々木氏は、自公政権時に高齢者に相次いで押し付けられてきた増税と負担増の一覧を示し、“増税や負担増・給付減で、改善されたものが民主党政権の1年半で一つもない”―このことを認めた野田氏に対し佐々木氏は、10年間で16兆円、国民1人あたり15万円も負担が増えたことを指摘。国民が政権交代で期待したのは、自公政権時代の福祉切り捨てや負担増からの転換だったはずだと述べ、「何ひとつ改善されていない。多くの国民は耐えられない状況だ」と批判した(「しんぶん赤旗」2011224日)。この上、消費税増税で高い商品やサービスを買うことを余儀なくされると、多くの人々がまともな生活ができない。高い消費税を価格に転嫁できないのに納税だけ強制される中小零細事業者は、廃業し没落するほかない(消費税の納税義務者は事業者)

 

共産党、社民党をのぞくすべての政党は、税と社会保障の一体改革を論議するという名目で消費税増税をもくろむ。何故、消費税なのか。大企業にとっては、消費税をすべて製品・サービスの価格に上乗せできるので、一円の負担もない。その財源を使って法人税が減税され、下請け調達価格を買い叩けば、実質的に払ってもいない仕入れ消費税を丸々国庫から還付・掠め取れる。こんな有難い税制はないのだ。富裕層にとっては、消費価格が上がっても、有り余るカネをもっているから何ともない。本来負担すべき所得税を消費税で代替してもらえればそんな有難いことはない。日本には、余剰となった大企業の内部留保が244兆円溜め込まれ、「富裕層・超富裕層」の金融資産総額は2007年時点で254兆円に及ぶ(野村総合研究所調べ)。彼らは、法人税率の引き下げ、累進税率の引き下げ、フラット化を主張し、政治家・政党を買収して、その穴埋めを消費税にさせようとしているのだ。

 

持続可能な社会保障に財源が必要なことは自明だが、それは消費税増税ではないことは今や明らかである財源不足なのは、税金を払うべき連中が、庶民に肩代わりさせ、自分たちは高みの見物を決め込み、せっせと過剰な貯蓄を増やしているからだ。過剰な貯蓄はカネ余りを生むだけで、実際の経済には何の役にも立たない。税金を払うべき連中が払わなければ、財政に穴が開くのは当たり前である。

京都大学の中野剛志助教は、「需要がない中での法人税の減税は、法人部門の貯蓄をさらに増やすだけで国内投資を促進しない」、財政を圧迫し、「法人税減税は内需を縮小させる公算が大きい」という。同氏は、定額給付金や子ども手当が、消費ではなく貯蓄に回るだけで効果がないバラマキだと批判されてきたことに対比して、「それなら法人税減税こそ究極のバラマキだ」と批判する。

 

法人税は経理担当者にとっては、同じコストと言っても原材料費や人件費とは全く違う。法人税は儲けるからかかるコストであって、儲けなければ払うことはない(コストはかからない)。法人税を払うというのは、原材料費や人件費をカットして儲けたからである。株主は、税引き後の利益から配当を受けるが、原材料の供給者や労働力提供者は税金を払う前に対価を受け取る。労働者や下請け中小企業者を搾取・収奪して利益を上げておいてさらに税金も払わないという経営者や株主はあまりにも強欲ではないか


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1 コメント

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相変わらずですねぇ (isoroku&tsu)
2011-02-27 02:08:47
相変わらずと言うか、原点回帰ですかぁ!。

大企業、もしくは、給与の支払い者=悪:搾取者…理論ですかぁ。

企業減税批判の前に、アンタの属性をハッキリさせてくれよ!。

ある時は、保守をこき下ろし、ある時サヨクを礼賛し、独裁国家が 日本の経済を抜いた事をマンセーし、あんた、一体何処で日々メシ喰って糞垂れてんだ!。

オレが住んでる日本と言う国では、アンタみたいな輩を『卑怯者』と呼ぶ慣わしがある。

それと、正解とは言わないが、アンタが今鱈腹メシ喰いながら、他人を貶めて居られる立場を当ててやるよ。

大学まで=「親の脛齧り』ながら格好良いこと言いの愚劣学生運動家。

給料取り初期まで:「上記にはすっかりダンマリで、一流企業に嘘並べて入社」
だが
「現実の厳しさ、競争の激しさに負けて方向変換(勿論楽するため)」

ああ、権利だけを主張し、働かず尚且つ、ガキ(大学時代まで)の古びたプロバカンダで給料貰える業態別組合で大騒ぎ(同僚の給料:組合費)で、我世の春を満喫。

今、労働者の権利としてタンマリの退職金をゲットすると共に、異様に高い水準の組合系年金で左団扇、右扇風機。

違ったらゴメンではなくて、謝罪する気にもなりません。
まあ、当方の思い違いとか言うなら、是非、拙ブログに御出でなさい。
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