プロメテウスの政治経済コラム

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安倍首相施政方針演説 時代錯誤で国民を鼓舞したつもりがロシア、朝鮮を怒らせた

2019-01-31 18:11:01 | 政治経済

安倍首相が施政方針演説で引用した短歌。明治天皇が日露戦争のさなかの1904年に詠んだ歌「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」―教養を見せたかったのか、それとも「天皇・戦争・国家主義・帝国主義・国民統合」という安倍応援団を喜ばせたかったのか。

日本共産党の志位和夫委員長は「看過できない」として、「これは、日露戦争のさなかに詠まれ、戦意高揚のために使われた歌だ。日露戦争は、朝鮮半島の覇権をロシアと争った侵略戦争であり、この侵略戦争の戦意高揚のために使われた歌だ」と批判したが、ほかの野党もマスコミもよくわかっていないのかパスした。

ただ、産経は「天皇陛下のもと、苦難乗り越えた日本人の強さ強調 平成最後の施政方針演説で首相」という見出しで、「首相は、明治天皇の御製を引用した。大和魂は平時には見えにくくても、有事にはおのずと立ち現れる。大日本帝国憲法下の明治天皇と、現行憲法における象徴天皇で制度は異なるが、首相は近代以降、日本人が天皇陛下の下で結束し、幾多の試練を乗り越えてきた歴史を強調した。」と右翼が泣いて喜ぶような記事を載せた。

しかしながら、右翼に対して、かつての「強い日本」への郷愁をアピールするという時代錯誤もさることながら、ただでさえ拗れている日韓関係、ロシア北方領土交渉をさらに拗らせた。このような入れ知恵をしたのは一体、誰れなのだろうか。

日露戦争は、朝鮮の覇権を争った帝国主義戦争だった。これに勝った日本は朝鮮の併合に至る。日露戦争は日本にとっては脱亜入欧の栄光の歴史であったとしても、朝鮮やロシアにとっては屈辱的な歴史である。韓国の民衆の感情を逆撫し、よりによって今月22日にはプーチン大統領と会談したばかり。プーチン大統領やロシア民衆を怒らせたことは想像に難くない。

どうして、このタイミングで、この短歌なのか。無教養な首相に入れ知恵する者は、後先のことをもっと考えないと


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