Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

外傷性気胸の保存的治療

2018年05月01日 | 呼吸
Walker SP, Barratt SL, Thompson J, et al.
Conservative Management in Traumatic Pneumothoraces: An Observational Study.
Chest. 2018 Apr;153(4):946-953. PMID: 29080710.


イギリスの外傷データベースを用いた研究。277例が当初保存的に管理され、その90%では胸腔ドレーンの挿入は不要だった。62例は陽圧換気を受けていたが、やはり90%は追加治療が不要だった。陽圧換気を含め、失敗を予測する因子はほとんどなく、唯一、多量の血胸の存在が保存治療の失敗に関連していた。

臨床的にこれはいけるんじゃね?と思った気胸はたいてい大丈夫、というのは普通に経験することで、そこは驚きではないのだけど、外傷性気胸についての研究ではNがもっとも大きいのだそうで、そこに驚いた。そしてそれがChestに載ってしまうとは。外傷センターなら1施設でも数年でこれくらいのNになりそうなのに。
コメント
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