Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

質の評価としてのICU再入室

2018年05月20日 | ICU・システム
Maharaj R, Terblanche M, Vlachos S.
The Utility of ICU Readmission as a Quality Indicator and the Effect of Selection.
Crit Care Med. 2018 May;46(5):749-756. PMID: 29394182.


イギリスのICUデータベースであるICNARCのデータを使った研究。結論だけ言うと、ICUの再入室率は施設のパフォーマンスとは関連が乏しい。

同様の結果を示した研究はいくつかある。最近の研究ではだいたい同じ結果。こういう研究のモチベーションは、国や自治体がICU再入室率を使って評価しようとするので、それは違うでしょと言うためだったりする、らしい。

そういう評価は日本ではされないので、別のことを考えてみる。
この患者さんは病棟に行っていいかどうか、満床なのでどの患者さんを退室にするか、再入室してきた患者さんについて前回の退室判断は正しかったかどうか、などなど、退室や再入室について議論する機会は少なくない。
でも、もしそれが患者予後に関係ないのだとしたら?

いやー、さすがにそれはー、うーん、どーだろー。
コメント
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