Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

"Mom, I did it!"な研究

2014年05月02日 | ひとりごと
”おかーさん、これ僕が書いたんだよ”
”まあ、良く書けてるわねー”
そんな絵を見て喜ぶのは、お母さん(とお父さん)だけ。他の人は興味がない。

世の中に、そういう研究は少なくない。
何となくデータを集めて、解析して、文章を書いた、もしくは学会で発表した。
そんな研究を見て喜ぶのは、その研究に関わった人達だけ。
明確なメッセージが無いので、他の人は興味が無い。
そういう研究のことを、ある人は"mom, I did it"な研究と呼んでいた。

言いたいことは2つ。
まず、そういう研究はやめましょう。無駄だから。
例えば、学会発表だけして、文献にしない研究って、何が目的なんだろう?

もう一つ。
メッセージがあるのなら、それが分かるようにdiscussionを書きましょう。
文献を書き慣れていない人がdiscussionを書くと、過去の研究と自分の研究を比較したり、自分の研究結果が何故そうなったかについてだけ議論して、それでおしまい。そうじゃなくて、この研究で何を読者に伝えたいかを書かないと、意味が無い。

そうそう、文献の書き方についてこういう表現もある。
”One paper, one message."
一つの文献には一つのメッセージ。
メッセージの無い研究はダメだし、メッセージを複数入れようとすると、複雑になってしまって読む方が困る(ということはつまりreviewerに評価されない)。

文献執筆は、慣れればそんなに難しくない。
この辺と、あの辺を意識しましょう。
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