文献をいくつか書くと、どこからかpeer reviewの依頼がやってくるようになる。あれ、この雑誌には投稿したことないのにな、という雑誌からも来る。自分が投稿する時は誰かがやってくれることだし、医学研究の質を維持するとても大事な活動なので、ボランティアではあるけれど、できる限りやるようにしている。ちなみに、15年くらい前まではCritical Careだけはpeer reviewをするとクラシック音楽のCDがプレゼントとして送られてきていた。ちょっと嬉しかったので、なくなったのは残念。
共著者も含め執筆者として研究を投稿すればするほどpeer reviewの依頼も多くなるのだけど、さすがに全部受けるわけにはいかず、一時期は週1以上はやらないと決めていた。なのでもっとも多い時でも年に50回が最高。最近は以前よりずいぶん依頼は減ったけど、それでも年に20くらいはある。Revisionも来るし、たまーに同じ研究を別の雑誌から依頼されることもある(同じことしか書けないから断る)ので、自分がやったreviewは全部フォルダで管理している。
それを見ると、初めてやったのが2004年で、つい先日、500回を数えた。記念だし、少しはpeer reviewについて語ってもいいかなと思い、感想をいくつか書いてみる。
論文の執筆でもっとも重要なこと。それは型を守ること。
Dr. Bellomoも以前こう言っていたように、書き方には決まりがあるので、それ通りに書くことがとても大事。そうすることによって書くべきことを忘れず書けるというのもあるけど、何よりも、読む側は次に何が書いてあるかを期待しながら読むので、その期待通りに書いてあると理解しやすいし、そうでないと読んでいて苦労するから。特にreviewerは他の人よりも文献を読み慣れている傾向にあるはずだから尚更。書くべきところに書くべき内容が書いてないとすごく苦労する。そして苦労すれば評価は当然下がる。
自分の文献の採用率を高めたいなら、型をしっかり守りましょう。
誰でも最初はあるのだから、研究をし慣れていない人が研究をするのは当たり前のこと。だからこそ、メンターの存在がとても重要。
研究し慣れているかいないか、ちゃんとしたメンターがいるかどうか、は原稿を読むとすぐに分かる。書き方の型もそうだし、スタディーデザインもそうだし、統計手法もそうだし、図表の作り方もそう。研究のグレードとは別に、論文のグレードというのがある感じ。
論文の執筆に慣れるまでは、メンターにしっかりとチェックを受けましょう。
そしてこの二つが如実に現れるのがディスカッション。
研究の指導をしていていつも思うのは、みんなdiscussionが苦手ということ。Peer reviewしていても、他の部分の型を守れている人はディスカッションもちゃんと書けている。
慣れればそんなに難しくないので、ちょっと書き方を。
・1段落目:今回の研究のまとめ。重要な結果を書く。基本的に重要な結果は考察するので、極端に言えば考察しないことは書かない。
・2−4段落目くらい:1段落目に書いたことから3つ前後選んで、既存研究を含めながらディスカッション。ただし既存研究との違いを書くのではなく、類似点、相違点を踏まえながら、段落の最後に必ずメッセージを書く。
・長所短所:まず自慢をして、その後で欠点を書く。ただしできる限り、欠点を述べてからhoweverで自分で自分に反論する。
・結語:1段落目をさらに要約して、何か決め台詞を。
もう20年以上前になるけど、Dr. Bellomoに図表を見せていたら、じゃあディスカッションはこんな感じになるねと言ってブワーッと喋るのを見て、すごいなーと思ったのだけど、今なら僕でもできる。慣れればディスカッションはそんなに難しくない。
ちなみに、reviewerによってはディスカッションの内容を細かく指摘する人もいるけど、僕は一定範囲に入っていればほぼ指摘しない。唯一気にするのは、研究の範疇を超えて仮説をベラベラ書かれること。それは違うでしょ、と思う。いろいろ語りたくなるのは分かるけど、ディスカッションは総説ではないので、研究の範囲を超えちゃダメ。Be modest。
最近は、peer reivewの依頼が来るたびに、そろそろpeer reviewもリタイアしたいという願望と、研究指導をしている限りは続けるべきという理性が闘っている。さすがに1000回には達しないし、辞めるのにはちょうどいいか?
いかん、願望が勝ちそうだ。
タイトル:「Peer reviewを500回やって思うこと」 by ChatGPT-4o
Peer reviewに囲まれて、なんか人生かけてる感じでちょっと笑える。
共著者も含め執筆者として研究を投稿すればするほどpeer reviewの依頼も多くなるのだけど、さすがに全部受けるわけにはいかず、一時期は週1以上はやらないと決めていた。なのでもっとも多い時でも年に50回が最高。最近は以前よりずいぶん依頼は減ったけど、それでも年に20くらいはある。Revisionも来るし、たまーに同じ研究を別の雑誌から依頼されることもある(同じことしか書けないから断る)ので、自分がやったreviewは全部フォルダで管理している。
それを見ると、初めてやったのが2004年で、つい先日、500回を数えた。記念だし、少しはpeer reviewについて語ってもいいかなと思い、感想をいくつか書いてみる。
論文の執筆でもっとも重要なこと。それは型を守ること。
Dr. Bellomoも以前こう言っていたように、書き方には決まりがあるので、それ通りに書くことがとても大事。そうすることによって書くべきことを忘れず書けるというのもあるけど、何よりも、読む側は次に何が書いてあるかを期待しながら読むので、その期待通りに書いてあると理解しやすいし、そうでないと読んでいて苦労するから。特にreviewerは他の人よりも文献を読み慣れている傾向にあるはずだから尚更。書くべきところに書くべき内容が書いてないとすごく苦労する。そして苦労すれば評価は当然下がる。
自分の文献の採用率を高めたいなら、型をしっかり守りましょう。
誰でも最初はあるのだから、研究をし慣れていない人が研究をするのは当たり前のこと。だからこそ、メンターの存在がとても重要。
研究し慣れているかいないか、ちゃんとしたメンターがいるかどうか、は原稿を読むとすぐに分かる。書き方の型もそうだし、スタディーデザインもそうだし、統計手法もそうだし、図表の作り方もそう。研究のグレードとは別に、論文のグレードというのがある感じ。
論文の執筆に慣れるまでは、メンターにしっかりとチェックを受けましょう。
そしてこの二つが如実に現れるのがディスカッション。
研究の指導をしていていつも思うのは、みんなdiscussionが苦手ということ。Peer reviewしていても、他の部分の型を守れている人はディスカッションもちゃんと書けている。
慣れればそんなに難しくないので、ちょっと書き方を。
・1段落目:今回の研究のまとめ。重要な結果を書く。基本的に重要な結果は考察するので、極端に言えば考察しないことは書かない。
・2−4段落目くらい:1段落目に書いたことから3つ前後選んで、既存研究を含めながらディスカッション。ただし既存研究との違いを書くのではなく、類似点、相違点を踏まえながら、段落の最後に必ずメッセージを書く。
・長所短所:まず自慢をして、その後で欠点を書く。ただしできる限り、欠点を述べてからhoweverで自分で自分に反論する。
・結語:1段落目をさらに要約して、何か決め台詞を。
もう20年以上前になるけど、Dr. Bellomoに図表を見せていたら、じゃあディスカッションはこんな感じになるねと言ってブワーッと喋るのを見て、すごいなーと思ったのだけど、今なら僕でもできる。慣れればディスカッションはそんなに難しくない。
ちなみに、reviewerによってはディスカッションの内容を細かく指摘する人もいるけど、僕は一定範囲に入っていればほぼ指摘しない。唯一気にするのは、研究の範疇を超えて仮説をベラベラ書かれること。それは違うでしょ、と思う。いろいろ語りたくなるのは分かるけど、ディスカッションは総説ではないので、研究の範囲を超えちゃダメ。Be modest。
最近は、peer reivewの依頼が来るたびに、そろそろpeer reviewもリタイアしたいという願望と、研究指導をしている限りは続けるべきという理性が闘っている。さすがに1000回には達しないし、辞めるのにはちょうどいいか?
いかん、願望が勝ちそうだ。
タイトル:「Peer reviewを500回やって思うこと」 by ChatGPT-4o
Peer reviewに囲まれて、なんか人生かけてる感じでちょっと笑える。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます