goo blog サービス終了のお知らせ 

パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

デュエリオ + ウーヴリエ でピザ

2011-04-06 06:16:58 | パン
震災などいろいろあってパンを焼く気分になれず、とはいえ粉もたくさんあるので週末になるとピザばっかり焼いている。ピザはいい加減にやってもそれなりにできるからだが、それでもちゃんと作ったときと今回のようにいい加減に作ったときとは気泡などで差が出てしまう。
過発酵で気泡は今ひとつだったが、デュエリオのせいかカリカリ感もよく甘みもあってなかなかおいしくはできた。



配合量

デュエリオ 100g
ウーヴリエ 400g

水     340ml
塩     7g
にがり   10g
モルト   小1

赤サフ   4g

セモリナ(デュエリオ)バゲットとピザ

2011-03-22 23:45:48 | パン
震災直後に津波のライブ映像を見てしまったためショックが大きすぎてしばらくパンを焼く気にはなれなかった。しかし、いつまでも気分が落ち込んでばかりでは日常生活、仕事に支障をきたす可能性があるので、気分転換に久々にバゲットを焼いてみた。普通のバゲットではつまらないのでセモリナ・バゲットにしてみた。いつもの通りポーリッシュ法で作った。

クープも気泡もよい感じでまとまっている。




セモリナ粉(デュエリオ)を使っているので生地の一部をピザにしてみた。



こちらもいい感じでできた。



配合

液だね

ウーヴリエ 200g
水     200ml
青サフ   1g

一晩放置

これに以下の物を加えた。

ウーヴリエ 300g
デュエリオ 100g

青サフ   3g を水35mlと砂糖一つまみで予備発酵

塩     10g
にがり   10g
水     175ml

あとは型どおり発酵などを行い、生地は約270g × 2本分。残りは4分割でピザを焼成。そしてバゲット焼成は 300度予熱 スチーム投入、230度10分、200度 15分。


イギリスパン

2011-02-23 22:39:15 | パン
イギリスパンを焼成した。本当はバゲットやメランジェみたいなハースブレッドを焼成したいのだが、時間がかかるのでなかなか焼く気になれない。

2斤を2つ焼成したのだが、そのうちの一つは窯のびも最高で、ひび割れもいい感じに出来ている。




ただ、同じように作ったはずなのにもう一つの出来はそれほどでもなかった。同じように焼成してもオーブンの中のちょっとした位置でこれだけの差が出てしまう。本当に難しい。






配合

1CW  1120g
全粉乳  25g
水   730ml
にがり  20g
塩    14g
砂糖   56g
赤サフ  14g
バター  52g


ピロやき?

2011-02-14 23:15:45 | パン
切り干し大根を煮た物があまったのでおやき(もどき?)を作ることにした。大根ばかり皆が食べるので人参が多い切り干し大根のおやき(もどき?)だ。このおやき(もどき?)を作る時はケンミンショーというテレビ番組で見た作り方を参照してパン生地を使って作っている。以前にも書いたが、信州人の知り合いによるとそれは昔ながらの正統派のおやきとはちがうらしい。

おやきのようでおやきではない。

ピロシキのようでピロシキではない。

ピロやき

とでも呼ぶか(笑)。



パン生地のレシピはいつものイギリスパンの配合で

60~70gに分割して具を包み
油で表面を揚げてから
SOB-14で約180度 15分 焼成

Baby-led weaning 続き

2011-02-13 18:40:02 | パン
上2人の子どもの離乳ではせっかく離乳食を作っても食べないことが多かった。テレビでも本でも雑誌でももっともらしく赤ちゃんが喜んで食べる離乳食作りについて解説しているが現実は赤ちゃんが食べなかったりして苦労している家庭が多いのではないだろうか。もしかして、うまいやり方があるのではないか?一番下の子どもの離乳を考える時期になって海外の事情はどうだろうと調べたことがBaby-led weaning を知るきっかけだった。

初めてBaby-led weaning を知った時、面倒だなと思った。面倒なのはその方法自体ではなく、日本では実践している人がいないため当然日本に紹介されておらず、日本語の情報が皆無で英語の情報しかないことだった。でも、調べていくうちにこの方法は実に合理的な離乳法だということに気づいた。いい方法だったら皆に紹介しないといけない。そして、うちの子どもで実践すれば本邦初症例になるのでやってみるのも面白いと思った。自分は基礎医学研究者として大成はしなかったが、あと10年たってこの方法が日本で主流になった時、日本で初めてこの方法で子供を離乳した医者ということで有名になるかもしれないし、、、、(笑)

冗談はさておき、、、
その合理性というのはBaby-led weaning の根本をなす以下の考え方だ。その考え方とは、、、、
咀嚼力、嚥下力、消化力、などの食べる能力は物を手で持つ、手で持った物を口に入れるなどの運動能力、そして食べ物を食べ物であると判断し、自分が必要とする栄養を自分で判断して摂取する知的能力と平行しているはずだ、という考え方である。神経・運動系の発達を考えればもっともな考え方である。また、太古の昔、はじめての人間がホモ・サピエンスとして誕生したとき、裏ごしをして離乳食を作ったなどとはとうてい考えられず、その後、人間が種として生き延びてきたことを考えればきわめて自然で妥当な考え方だと思った。

赤ちゃんが自分の手で持つことが出来なければその食物を食べる能力がそこまで至らず、食べさせるべきではないと考え、無理はしない。例えば、窒息しやすい細かいものはつまむ力が無ければ本来は食べられず、食べられなければ無理に食べさせようとしない限り、窒息しない。だから赤ちゃんにまかせて離乳を行えばいい。そう、月齢に応じた決まったやり方がBaby-led weaning にないのは新しい方法だからではなく、赤ちゃんの発達に応じて行う(というよりも赤ちゃんが勝手に行う)方法だからである。(前回の繰り返しになってしまうが、この根本を理解することがBaby-led weaning を行ううえで重要だ。でないと窒息で赤ちゃんを殺すことになるかもしれない。)でも、決まった方法がないため逆にBaby-led weaning とことさら構える必要がないのかもしれない。そういえばBaby-led weaningの提唱者、Gill Rapleyも書いていた。

“The baby-led approach to the introduction of solid foods is based on common sense. It is neither new, nor ‘mine’. Many mothers of more than one child have discovered it”

ーBLWは常識に基づいている。新しい方法でも私自身の方法でもない。多くの一人以上子供がいる母親なら見つけている方法だ。ー

あ、そういえば実家の兄弟姉妹でも末に近いほど放置されていたな。日本で初めてこの方法で子供を離乳した医者というわけではなさそうだ。残念(笑)。



写真は子供たちが作ってくれたチョコレートです。

おうちで自家製テキサス2バーガーというよりサザンバーガー

2011-01-23 07:10:45 | パン
マクドナルドでテキサス2バーガーなるものが発売中らしい。自分は食べたことはないが、食べた人によると結構なボリュームで味もまあまあとのこと。何がテキサスかと言うとどうも「チリ(ビーンズ)」の存在がテキサスのようだ。チリは好きだし、ウェンディーズが日本から撤退してからというものファストフードでチリを出す店がなくなってしまったので興味はある。

ただ、マクドナルドは移動の時のファストフードと割り切っているし、わざわざ行ってまで食べる気はないので自分で作ってみた。

まずはバンズ作り。大量に作った。全部で24個。



そしてチリ。これは自家製ベーコンを使った。

先日ローストチキンの副産物、チキン・ブロス(chicken broth)もあったので冷凍庫に保存しておいたビーフ・ブロスを加えてグレービーソースを作った。グレービーソースときたらマッシュポテトだ。



全部盛り付けをしたらテキサスと言うよりはサザン(Southern)になった。



【バンズの配合】

デュエリオ    260g
1CW        860g
水        570ml
牛乳       200g

塩        14g
砂糖       52g
にがり      20g

バター      28g


分割 約80~85g

【チリ】

ダッチオーブンに刻んだベーコン、にんにく、セロリ、玉ねぎ、クミンシード、ナツメグ、パプリカ(お好みでカイエンヌペッパー)、ローレルを入れて炒め、豆、トマトソース、赤ワイン、水、にがりを入れて煮込む。塩・こしょうで味付け。

こちらも参照してください。

【グレービーソース】

ブロスを漉してブラウンになるまでいためたルー(バターと小麦粉同量でじっくりいためる)を加える。

ホシノ菓子パンの種でパネトーネ 大量に作製

2011-01-10 07:11:14 | パン
残りのホシノ菓子パン種を消費すべく大量に作りました。パネトーネ。全部で26個。これだけの量をキッチンエイドではこねられないので、こねるのには餅つき機を使用した。本当にうまく出来た。形のいいのはラッピングして友人などに配り、一部を冷凍した。家族にも配った方にもたいへん好評だった。前回、機械を壊しそうになったのでホシノをもう使うまい、と思ったが、菓子パン種でこれだけおいしいパネトーネが出来るのだったらまあ、気が向いたら使用してもいいかな。

でも、実はまだ、菓子パン用でないホシノの種が未使用のまま冷蔵庫にいくつか眠っている、、、、、



前回、ホシノのレシピを鵜呑みにして失敗しそうになったのでその反省をふまえて水分量は計算して合計65%としました。計算式は前回の記事を参照してください。

ホシノ菓子パンの種でパネトーネ、、、しかしホシノは配慮が足りないなぁ

2011-01-02 14:51:33 | パン
冷蔵庫の奥に古いホシノ菓子パン種があったので始末のためパネトーネを焼成した。普段忙しくてこういう休みの時にしか時間が取れないのでホシノ種が使えない。パネトーネはクリスマスのパンであり、年が明けてしまって今更クリスマスという感じでもなくなってしまったが、多分1月9日までは定義ではクリスマスなので「はずれている」と言うわけでもないだろう。

レシピはホシノ菓子パン種袋の裏に書いてある通りにしたが、水35%以上とあったので水35%でキッチンエイドで捏ね始めたところ硬すぎるようで機械がおかしい。あわてて機械を止め、水30~40ml程度を加え餅つき機で捏ねた。キッチンエイドは無事だったがギアを少しおかしくしたかもしれない。落ち着いて考えてみればこのレシピ、水35%とすると水分が全体でも50%ぐらいにしかならない。これだけ硬い生地が出来てしまうのに何の注意書きも無い。「家庭用菓子パンの製法」と書いてあるのでせめて「この製法だと少し硬すぎるので水35%~55%(175~250ml)で調整してください」とでもあれば注意するのだが、それもない。この種を初心者だって購入することがあると思うのだが、本当にホシノは配慮が足りないと思う。しかし、ホシノは使いにくい。自分とは相性があわないようだ。まだ他に色々な種類のホシノが残っているのでさっさと使ってホシノは終わりにしようと思う。

新年早々、終わりにするとか、こんな話ですみません(笑)。



水分量の計算。

生種  ホシノ酵母種1に水2なので約67%として計算
卵   75%として計算

ホシノのレシピから実際の水分量を計算すると
種   8%   →  約5.3%
卵   12%   →   9%
水  35%

なので計 約49.3% とかなり水分量が少ない

水分量としては60~70%程度とした方がいいのであと10~15%、粉500gに対して50~75mlは加えたい。吸水の悪い国産の粉を使用したとしても50mlは最低このレシピに足した方がいいと思う。

粉500gに干しブドウ、胡桃、アーモンド、オレンジピールを加えた。
マフィンカップには約100gで分割。
焼成前にあられ糖をまぶした。

ブッシュドノエルとか、クリスマスに考えたこととか

2010-12-25 22:11:05 | パン
今日はクリスマス。昨日はイブで家に帰ったら妻と子供たちでブッシュドノエルを作っていた。写真を撮ってくれというので先週子供たちが作ったクリスマスリースと一緒にパチリ。ケーキに使ったチョコレートは濃厚なのにビター感が少なくカカオの香りもよかった。食べやすいチョコレートだった。使ったチョコレートは大東カカオのスペリオール・ヴェルジュというカカオ分66%の製品だった。多分、日本人はヨーロッパ人ほどビターなチョコレートを好まないためかヴァローナだと同じカカオ分でももう少しビターな味わいだと思う。70%のスペリオール・エクアトゥールもビター感が抑えられているし大東カカオの苦味を抑えて香りを引き出す技術はすばらしいと思う。



ところで西洋対日本といえば最近、MKさんのブログで日米のクラシック音楽をとりまく環境について議論していたが、クリスマスにあたり日米の「善」「正義」の感覚の違いについて思いをはせた。「正義」というとハーバード大学マイケル・サンデル教授の「正義」に対する講義が昨今話題らしいが、残念ながらその番組を見ていないし、本も読んでいないのでわからない。

「善」の判断基準は個々によって違うし、日本、アメリカと一くくりにするのはいささか乱暴ではあるが、一定の傾向があるように感じる。日本の「善」という概念は相対する他者に対する「善」であるのに対してアメリカでの「善」は相対する他者に対するというよりも自らの原則、信念、あるいは神に対しての「善」であるように思える。これはアメリカでは基本的に基礎にユダヤ・キリスト教的な概念があるためではないかとも思ったが、それだけではないかもしれない。先日の日中の尖閣諸島における対立を見てみると日本政府は中国の事情を鑑みて「善」をなしたつもりでいたのに中国ばかりかロシアまで日本政府の相手に対する「善」につけこんで自国の利益を図ろうと画策した。日本人にとって相手国の事情をくんで行動するのが「善」と信じていたのかもしれないが、中国、ロシアにとって自国の利益を最大限に図ることが「善」であったと思われる。こう見ると日本の「善」という概念は世界標準から考えると特殊なのかもしれない。島国という事情もあるのかもしれない。

ついこの間、医療関係者向けのホームページで患者やその家族による医療関係者への暴力が某県で問題になっているというニュースとそれに関する医療関係者の意見を読んだ。医療機関ということから患者が相手の場合は警察の介入は適当でないとほとんどの医療機関で考えており暴力の犠牲者は泣き寝入りを強いられ、警察に連絡したり告訴したりする事例はきわめて少ないかほとんどないようだった。常識で考えれば相手が患者だろうと弱っていようと「暴力」は「不善・不正義」であろう。それでもその暴力に対して対抗しないのはたとえ暴力を振るうような人間でも相手の事情を考えてあげることが「善」と考えているからに違いない。きわめて日本的な「善」である。この5~6年、接遇教育と称して医療機関で講師を招いて言い回しやお辞儀の角度その他を医療従事者が学ぶのが流行している。診療技術が悪ければ接遇態度でごまかすしかないだろうし、例え技術があったとしても態度が良いほうがいいに決まっている。ただ、自分の基準となる「善」とは何かを考えず、頭を用いず、言われるがまま上辺だけを導入したのでは相手におもねる事がいいことだと思ってしまい、結果的に「不正義」が横行することになりかねないと思う。

ハーバード大学マイケル・サンデル教授の「正義」に対する講義が話題であるということ、そして前述の2つの例を見てもわかるように日本的な「善」対する概念が揺らいでいて通せない時代が来ているのかもしれない。また自分なりの「善・正義」の概念と行動の原則を確立しないと飲み込まれてしまう時代が来ているのかもしれない。