BOSSの壷

"Southern Valley" の日常とBOSSの《壷》をお伝えします。

井戸掘り

2011-03-09 11:15:38 | ご報告
2011年3月8日は、DOX Field に井戸が完成した大きな記念日だ。

前々日の東京は雪と雨に見舞われ、千葉の富津も長時間の強い雨になった。
まだ舗装されていない進入路は「井戸掘り隊(後で説明)」のトラックは入れない。
通称「くぬぎ山」と呼ばれる既存の農道から入ってもらうが、ひどくヌカるんでいる。
ヌカるんでトラックが動けなくなることを快く承諾してくれた井戸掘り隊だったが、
案の定、2台のトラックは何度も動けなくなった。
ユンボで牽引すること2時間。お昼直前で井戸掘りの機材全てを現場へ運び込んだ。

 


さて、「井戸掘り隊」とは何ぞや?
詳しくは 房総里山保存会 井戸研究所をご覧頂きたい。
簡単には「一般の業者とは異なる、井戸掘り好きの集まり」と言える。
格安で、丁寧で、最先端の井戸掘りを実践しているスペシャリストの集団だ。
この日も、若いお仲間に井戸掘りのノウハウを伝授しながらの作業で、さながら「井戸掘り授業」のようだった。

 


井戸掘りの道具は私の予想を超えていてオシャレ。大好きなアメリカ製の最先端パーツが並ぶ。
特に、水脈に接するストレーナーはダービーパパをも唸らすスペシャル仕様。





井戸掘り作業の準備が着々と進んでいる頃、約一年ぶりに現場に来たリュータローは裏方の作業に徹する。
井戸掘削に必要な水の確保で近所のスズキさんのお宅を往復したり、(写真はスズキさんちのロコちゃん)
暖をとる薪を集めたり、11名分のお茶やお弁当の用意に追われていた。

 


1.4メートルのシャフトを継ぎ足しながら掘ること20メートル付近。井戸掘り隊から小さな歓声が上がった。
「これこれっ! この砂の地層を探していたんですっ!」
確かに、これまで汲み上げていた黒くて細かな土砂とは明らかに異なる「美しい砂利」だ。
まるで熱帯魚水槽に使う高級な砂利のようだ。この層に、地下水が脈々と流れているとのこと。
元、外国航空会社の社員だった井戸掘り隊長のK氏(これまた不思議な方で、私やダービーパパと同類の匂いがする)は
何度も砂利の水を口に含み、「いいねー。良質な地下水だ。このまま飲めるよ」と微笑んだ。
ちなみに、今回の井戸掘りで掘った深さは 23メートル10 センチ。

 


k氏が、「さあ皆さん、クライマックスですよ、写真の用意はいいですかっ!」と告げる。
浄化のための空気を圧送すると、重々しくも力強い地下水が吹き出てきた。一斉に拍手が上がる。
私、この瞬間、正直言って肩すかしを喰らったような気分だった。
私は、「ブワァーッ!」と、元気よく地下水が吹き出る風景を、ここ数日頭に想い描いていた。
でも、実際には、ジブリアニメの「千と千尋の神隠し」に登場する「名のある河の主(河の神様)」のごとく、「ドロドロ、モコモコ」と沸き出したのだ。
圧縮空気を送り続けること数十分。茶色の地下水は見る見るクリヤーになり、やがて美しく透き通った「井戸水」に変わった。
私は、K氏の勧めで恐る恐る湧き出る水に手を差し伸べて驚いた。温かいのである。なんと、15℃もある。
井戸水は夏は冷たく、冬は暖かい。とは知っていたが、こんなに温かいとは思わなかった。
「金属も含まず、化学物質もない清潔な水です。飲料水に最適だが、飲むなら、一応フィルターを通したら安心でしょう」とのこと。
責任者として、けっこうな量を飲んでみたが、決してお腹の強くない私でも、一夜明けた今も問題ない。





井戸掘り隊には「電気屋の社長」もいて、高出力ポンプを設置してくれた。丁寧に蛇口もつき、完成。
ところが、仮説電源からの電源コードが細く、電圧が上がらずにポンプが回らない。まぁ、これは想定内なので問題なし。
明日にでも極太コードを買ってきて、仮説電源から地下埋没式で接続する。ポンプ君には、可愛い小屋でも建ててあげよう!





一難去って、また一難。
今まで、最も苦労して築き上げた進入路に問題が起きた。
最終のアスファルト工事を委託している工事業者に、「進入路の、最初の勾配が急すぎてアスファルト・ローラーが登れない」とのこと。
最近はもう、アクシデントやハードルに愕然としなくなってきた。すぐに「次の一手」を考えるようになった。我ながら強くなったものだ。
~で、急遽、進入路の入口を変更することになった。ほんの20メートルほどだが、新たにサイトーさんの土地を開拓して緩やかな坂道を造る。それも2日間で。

明日から数日間は毎日富津入りとなる。進入路入口の工事と、ウォームドッグラン芝貼りのための砂運びだ。
ダンプをリースし、ダービーパパがトラックを20往復させて砂を現場へ運ぶ。まさに重労働が予想されるが、
今月中旬から「アロハ~!」に旅立つダービーパパも、「なんとか芝貼りまで持ち込まなくては楽しく遊べない」という思いが強いらしい。
短距離ランナーだった私には持久力がない。瞬発力と瞬間的なヒラメキには少しばかり自信があるが、根性と努力が苦手だ。
それをカバーしてくれるのがダービーパパとバスターズの皆さん。そして地元のジージーズだ。

さぁ、ラストスパートは始まった! ご報告のインターバルも短くなると思う。お暇な時には見てください!
この DOX Field はイタグレファン皆様のものだから、現地に出向いて頂けなくても気に留めてくだされば幸いだ。
「ブログ、見てます」というお言葉は、私たちにとって、どんなには大きな後押しとなっているか計り知れない。

今回の井戸掘り隊の皆さん。とんでもない現場への進入と丁寧でスペシャルな作業を有難うございました。
この水を利用して、美しい芝生と清潔なトイレを造らせて頂きます!




















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