BOSSの壷

"Southern Valley" の日常とBOSSの《壷》をお伝えします。

割り込みブログ《オヤジの壷》”フィールドでのアウター”

2012-01-24 14:20:59 | ご報告
雪と雨に見舞われた週末が過ぎ、やっと フィールドで作業に復帰できると思った今朝、
DOX の外の坂道では出勤前の乗用車がスリップして立ち往生していた。
フィールドの、雨が降ると水が溜まってしまう駐車場予定地に土を入れる計画も、
この天気では全く作業にならない。もちろん、皆さんからの《ご来場コメント》もない。
だから、「いい加減にしろっ!」というお叱りを承知の上で、割り込みブログ《オヤジの壷》
を書かせて頂く。もう少し春が近づいたら《オヤジの壷》どころではないのでご勘弁を。

今回はフィールド作業や遊びに適した冬のアウターをご紹介させて頂く。
"Southern Valley" にいらっしゃる男性陣には、けっこうご質問を頂くカテゴリーなので、
この場をお借りして "RUGGED (ラギッド)なメンズアウター" をご覧頂きたい。
ちなみに最初の写真は MMM(メディオ&ミッドのママ)の、
私が補修させて頂いたアウターの袖。バンブーハウス内のストーブの煙突で焦がされた。
ナイロン系なので、「チリチリッ」っとイッてしまった。
まだ真新しく、素敵なアウターだっただけに申し訳なく、革を使って補修させて頂いた。



さて、洋服を「ファッション」と捉えるか「道具」と捉えるか、人それぞれだと思うし、
普通はその両方を兼ねた服選びをなさっていると思う。
私の場合、洋服に限らず、全ての身の回りの品々は「道具としての機能」を最優先している。
まぁ、これでもシテーボーイなので、流行やブランドを意識しない訳ではないが。
そこで、聞き慣れないかもしれない "RUGGED(ラギッド)" という言葉が浮上する。
「RUGGED」とは、アイビー・トラッド・ミリタリー・・・などのような、ファッションの種類のひとつだ。
ただし、「RUGGED は、こう有るべき」という硬っ苦しいルールは無いに等しい。
私の解釈では、「無骨で頑丈であること」「実績に裏付けされた伝統を持つこと」くらいか。
すると、アメリカの開拓時代や、英国のハンティングが良き教科書となる。
言い換えれば「ヘビーデューティーな品々」となるが、ヘビーばかりで武装する訳ではなく、
ツイードのテーラードジャケットなども入るから、決して「戦闘服・作業服」と言う訳ではない。
気軽に、少々オチャメな「ハズシ」を取り入れて「街着」にも使えるコーディネートを楽しむと良い。

まずはアメリカブランドの《Carhartt(カーハート)のダック生地コート》
ぶ厚いコットンのダック生地を使ったワークブランドの雄。
街道沿いの作業服屋やアメ横でも購入できるスタンダードな作業服。
焚き火の火が飛んでも、溶接の火花を浴びても簡単には損傷しない丈夫なワークジャケットだ。
私の Carhatt はメキシコ製だから7,000円前後。これが、アメリカ製だと30,000円前後する。
20年は使い込んだ末にボロボロになって役を終えた先代の carhartt はアメリカ製だったが、
私には生地や縫製など、「丈夫さ」と言う点において遜色ないと判断し、2代目は格安のメキシコ製
にした。はっきり言って、他のアウターが必要ないほどコストパフォーマンスに優れている。
洗濯機でガンガン洗い込み、色が抜けて(「アタリがでる」とも言う)とても "RUGGED" な雰囲気になってきた。



下の写真は操業 1894年というから120年に及ぶ歴史を持つ英国製の "Barbour(バブアー)の
BORDER(ボーダー)" 私が購入してからもう30年が経つ。フライやルアーフィッシングにハマッていた
時代に購入した。厚いエジプト綿にオイルを染み込ませた防水性の高いジャケット。
当時はオイル臭がひどく、とてもじゃないが電車になんか乗れなかった。
最近の製品は匂いも改良され、RUGGED ファンにとって定番アイテム。
ただし、数年に一度はソーンプルーフというオイルを染み込ませる必要がある。
"Southern Valley" の開拓初期、未開の薮に立ち入るには最適なジャケットとなった。
斜面を転げ落ちても自身は無傷だったし、丈夫なエジプト綿は野バラの鋭いトゲにもビクともしない。
もちろん、突然の雨でも全く水を通さない「レインウエア」としても秀逸だ。
特にこの "BORDER" は着丈も長く、かなりハードな条件下でこそ威力を発揮するハードなアイテムだ。
獲物である魚や鳥、小動物を緊急的に収納する、取り外し式の防水大型ポケットも装備。
シーズンオフの手入れ、若干の匂い、着た瞬間の冷たさに耐えられれば、
「男の必需品」として最も頼りになるアウターだと思う。





"Barbour" は使用目的に応じて様々な形がある。
次の写真は同じく Barbour の "BEAUFORT(ビューフォート)" 。臭くて汚くなった "BORDER" の
スペアとしてクルマに常備している。
こちらは着丈も短く、特にハードな装備はない。突然の雨や寒さ、同行者にお貸しするためのストックだ。
10年選手だが使用回数は数えるほど。この "BEAUFORT" や、更に着丈の短い " BEDALE(ビデイル)" は、
スーツのアウターに使う人も多く、非常に凡用性が高い。



次も同じく "Barbour" の "INTERNATIONAL"
そもそもバイク用として開発されたジャケットで、昔はスティーブ・マックイーン、
今は木村拓哉さんが愛用していることでも知られている。
タイトなシルエットと防風性の高い襟回り、地図を取り出しやすい角度の胸ポケットなど、
バイカーに最適なジャケットだ。
この "INTERNATIONAL" だけでも数種類あり、これはライトオンス(薄手の生地)を使った春夏用。
私はバイク用に持っているのではなく、全体的に真冬用のヘヴィーオンス(厚手の生地)が多い
"Barbour" のラインナップにあって、ウインドブレーカー的に使えて防水性の高いジャケットがコレだったから。
秋の寒い日、ジェイク&ブルースのママにお貸しして大絶賛だったジャケットだ。



次は少し毛色の違うアウター。5年ほど前、ダービーパパと仕事で行ったフロリダで買った
"Abercronbie & Fitch" のミリタリージャケット。
近年、銀座にも進出した通称「アバクロ」は「超高級カジュアルウエア」として有名だが、
それだけに偽物も非常に多い。一説には、日本市場に出回っているアバクロの9割は偽物らしい。
数年前、あまりにも安いので買ったネット販売のアバクロは確かにすぐに壊れた。
縫製もダメ、ボタンも外れる。完全に偽物の粗悪品だった。
ネットのブログなどにも「アバクロって高いだけ。すぐ壊れる」という書き込みが多かった。
でもきっと、多くの場合はアメリカ本土やハワイの直営店で購入なさったとは思えず、
ネット販売が圧倒的に多いのではないだろうか。
実は "Abercronbie & Fitch" 、歴史は非常に古く、かなり本格的なアウトドアウエアとしてニューヨークで出発していて、
本物は極めて丈夫で壊れない。アバクロ・ホリスター・ルール925 のファンとしてはとても残念な話だ。



次に「変わり種?」のアウター、「 G ジャン」を紹介する。
私が二十歳前後の頃、"Lee" や "Livi's" 、"Wrangler" という「G パンメーカー」がハバを利かしていて、
ご多分に漏れず、私も「G ジャン」を持っていた。
古いアルバムを開くと、千葉の鴨川あたりで、G ジャンを着た、どうにも「イモッぽい兄ちゃん」が
サーフボードを抱えて写っている。私だ。
その G ジャン、誰かに差し上げたか捨てたかした。ところが最近、
私の持っていた G ジャンが数十万円でオークションに出ていた。
「あ~もったいない!」。ナイキのエアマックス初期バージョンも含め、
「取っておけばよかったー」なんてのは日常茶飯事。
~で、下の G ジャンは "Ralpf Lauren(ラルフローレン)" の "RRL(ダブリュアールエル)" の Gジャン。
16オンスという極厚のデニム、裏地は毛布のようなラグで防寒性が高い G ジャンだ。
これ、日本の正規店で買ったら(まず無いと思うけど)10万円前後はする。
どこで買ったと思います? 実は、ハワイ・オアフ島・アラモアナセンターの
ラルフローレン直営店で偶然に見つけた。
ショップごと、まるまるセール中だった。店内を見回すと "RRL" のコーナーがあり、
日本では有り得ないロープライスで販売中だった。
それでも尋常ではない価格の "RRL" は、たとえ旅行中の財布の紐が緩んでも買えるほど気楽なブランドではない。
「あいむ・じゃすと・るっきんぐ」と、お決まりの言葉で店内を見ていると、
天井に近いディスプレーに、このGジャンは吊るされていた。
何気なく「じすいず・おーるそー・あ・ばーげん?」と訊いてみた。
イケメンの黒人店員さんは、G ジャンを長い棒で下ろしながら説明してくれた。
早口な彼の英語でも、「もちろんバーゲン対象品です」までは解ったが、難しい言葉は聴き取れない。
すると、普段なら私の買物にブレーキをかけてくれる妻の Noco が、
「半年も売れない G ジャンみたいよ。裏地も極厚で、ハワイでは売れないんだって。欲しいなら買ったら?」だって!
500ドルの40% Off だから、300ドル=税込みで約3万円~っ。日本で買うことを考えたら確かに安い。
でも、買うつもりも無かった服だし、まして、あの「イモッぽい兄ちゃん」の G ジャンだ。
さらに、今日はハワイ初日。ここで3万円も使うわけにはいかない。するとイケメン君、店内のポスターを指差して、
「バーゲン、アシタ、オワリ」と日本語でニヤリ。
でも、Noco の手前、その日は「しーゆー・あげいん!」といって立ち去った。
もちろん、今日か明日中には戻ってくることを決めていたのだが・・・。

「イモッぽい兄ちゃん」にならないよう、けっこう気を使って着ているが、
私の体形が悪いのとコーディネイトの下手さが祟ってイマイチだが、
極めて丈夫なデニムはフィールドの作業に最適。もっと洗い込んで "RUGGED" に育てようと思う。



さて、最後のメーカーは "Belstaff (ベルスタッフ)" 操業 1924年。90年近くもの歴史を誇る長寿メーカーだ。
英国が誇るヘビーデューティーウエアメーカーだ。
前述の "Barbour" と人気を二分する伝統的なアウトドアウエアだが、
価格は "Barbour" よりグッと高い。でも、素材や造りもグッと上回る。
黒っぽいのは "TRIAL MASTER シリーズの「チェ・ゲバラ モデル」。
生地は極厚のオイルドコットンで、けっこう貴重なモデル。限定シリアルナンバーも打たれている。
コットンを素材としたアウターでは「世界最強」だと確信しているが、
上記に登場したメーカー達より探すのは難しいし、定価を下回ることは極めて少ない。
レッドのレザーコートは同じく "Belstaff " の "Panther Jacket(パンサージャケット)"。
レザー物は「Mede in italy 」となる。レザーに強いイタリアに製作を任せるところが魅力的。
30年ほど昔、DUCATY(ドカティー)などのイタ車(バイク)に夢中だった頃、
外車ディーラーなどで見る機会があり、心底憧れていた「革ジャン」のひとつ。
「革ジャン」といえばバンソンやショットなどのアメリカ製を思い浮かべるが、
誰でもがお決まりのように買い求めるスタンダードにはあまり触手が動かない。
この "Belstaff Panther Jacket " は、「法外な値段」と共に「購入の選択肢にも入らない」ほど高嶺の花だった。
だって、1ドル360円の時代だったのだから。
そして時は流れ、バイクも手放したがパンサージャケットへの思いは募るばかり。
ひょんなことから「お小遣い」が入り、(売却したハーレーが新車時よりも高く売れた)
お札を握りしめて "Belstaff " のショップへ!(パソコンの無い時代だから、こんなことが多い)
しかし、時はすでに何年も遅し。英国へ問い合わせて頂いたが、とっくに在庫は無い。
ところが20年近くたった数年前、別件で立ち寄った "Belstaff " のショップで
「パンサー・レプリカ」(近年では「ニュー・パンサーと呼称が変わった)として復刻していた!
時代の変化で価格も抑えられ、バブル期以前の価格からグッと下がっていて、どうにか手に入れることができた。
それでも私の所有するアウターでは最も高額で、貧乏性も手伝い、滅多にアウトドアでは使わなかった。
古くから私の話を気に止めてくださる慈悲深い方はお気付きか?
正月の、「イタグレ健康祈願」に訪れる乃木神社参拝に数年続けて着ていることが分かるはずだ。
その他にも私用で、ちょっとだけアラタマッた時に羽織る程度の使用頻度だ。
でも先日50歳半ばの誕生日を迎え、いつまでも貧乏性を引きずる時間こそモッタイナイと改めた。





二人の息子に見せてきた私の半生はロクでもないモノだったらしく、二人とも、あまり私の趣味に同調しない。
肉体的な部分では《スポーツ(武道でも良し)を自分なりに極めること》《体力と機械的な基本技術が必要な「自転車」にハマること》
男性的な部分では《ナイフ一本で「サバイバれる」こと》《男の料理を、少なくとも3種類はマスターすること》
精神的な部分では《上手でなくても、解りやすくて個性的な「自分の文字」を書けること》《カメラにこだわり、素敵な写真を撮れること》
私もまだまだ全然ダメだが、理想は生涯追い求めるものだし、決してあきらめてはいけないと思う。
そんな私を見続け、「バカバカしい」と思うのか、「付合ってらんねーよ」と思うのかは、息子達に訊いたことはないが、
長男は私の跡を継ぎ、次男は料理の世界にハマってるところをみると、極端に毛嫌いされている訳でもないらしい。

気温が低くて雪が溶けず、今週の平日は、もう捨てた。 "Southern Valley" での土木作業はもう数日あきらめた。
~で、一気に、近々に、《アウトドア ブーツ&シューズ》で壷って見ようと思う。
以前の《正規・オヤジの壷》でご紹介したブーツなどが数年でどう変化したのか? 
《オヤジの壷》の復活を期待して頂いた方々も気になるところではないだろうか。

最後に弁解をさせて頂く。
それは、上記にご紹介したウエアーに限らず、多くの品々はバブル期、またはそれ以前に買い求めたと言うことだ。
ご多分に漏れず、私にも経済的に潤った時代があった。あの時代、「お金を手にできない人は、何も動かなかった人だけだ」とウソぶいていた。
派手な家も建て、何台もの外車や単車を持ち、クルーザーも手に入れた。しかし全て消えた。徐々にではなく、一瞬のうちに消えた。
バブルの崩壊と共に何人もの友人が路頭に迷ったし、自ら命を絶った人もいた。
私はラッキーなことに少しだけ敏感だったから(助言してくれる先生もいた)ひどい仕打ちは受けなかった。ただ、何もかも売れなくなっただけ。
クルマや船は売り払い、これから来るだろう「氷河期」に備えた。商売もたたんで従業員とも別れ、外へ働きに出た。同時にバイトもした。
それでも全く辛くなかったのは、生活レベルが下がっても平然として笑顔を絶やさない妻と、
何も分からずにはしゃぎ遊ぶ二人の幼い息子がいたからだろう。
あの時から、私の考えは徐々に変わっていった。たとえ少々のお金を手にしても、高級なものを手に入れても、
「贅沢が当たり前になって慣れてしまう」ということだ。逆に、物が増えた分、心の何かを失っていた気がする。

~で弁解。
クルマなどは簡単に売却できたが、インターネットがなく、オークションなどない時代において、
工作工具・釣り道具・趣味の品々や洋服などは質屋に二束三文で売り飛ばすしかなかった。
おかげさまで、そこまでダメージのなかった私は、前述の洋服やらブーツ類、道具や工具がそのまま残った。
栄華を誇ったころの品々は、とてもじゃないが今では買える範疇にない。
今は、ユンボの修理代を節約したり、芝生をコツコツ増やすことの方が、当時の何万倍も楽しい。
そんな些細なことがきっと、「心の何か」だったのかもしれない。
(けっこう、イイ話しでシメちゃいました・・・!)


 








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