BOSSの壷

"Southern Valley" の日常とBOSSの《壷》をお伝えします。

大事なお話

2015-06-24 18:49:02 | ご報告
年に一度の《動物取扱責任者講習会》に参加してきた。
同じく、年に一度の電車に少し疲れた。



受講者サイドのアンケートや要望に応え、
当局も講習内容に現実性のあるテーマをピックアップするようになった。
今回のメインテーマは《トラブル対策について》~「知っておきたい法律知識」。



私が興味を持ったのは《動物の愛護及び管理に関する条例》の中の
〈犬の飼い主の遵守事項 第9条〉。
犬の事故においては「犬に適切な躾を施すこと」が重要になる。
噛むことはもちろん、執拗に吠えて威嚇することも訴訟の対象になり得る。

私が培った「自己責任」とか「モノの常識」などは時代と共に衰退し、
「ナンチャラ保護法」とか「まさか、知らなかった」が横行して面倒な世の中になった気がする。
隣の犬が少し吠えただけで通報されるし、少し噛まれてもテレビのニュースになってしまう。
イタグレの場合、吠えることも少ないし声も大きくない。まして噛む力も弱い。
それでも、執拗に吠えられたり噛まれる身になれば迷惑千万な話となる。

公道や一般のドッグランではもちろん、"SV" においても全く問題が生じていない訳ではない。
それは事件や事故にならない程度の話であり、
"SV" ならではの仲間意識もあって大きな問題には至っていない(と信じたい)。
それでも、今回の講習で習った実際に起きた訴訟の多さから、
もはや「犬は噛むモノ吠えるモノ」は通用しない時代ではあるので、
少し長文にはなるがお読み頂けたら幸いである。

犬には場所や飼い主を守ろうとする警戒心もあるし、
特定の人や犬に対してもトラウマや相性もあるだろう。
しかしそれは本人(本犬?)に聴かなければ解らないので無理。
たくさんのイタグレとオーナー様を観察してきた私の見解では、
失礼ながら「とにかく躾けに甘い」~と言わざるを得ない。
遠くからの叱る声はほぼ意味がない。
全てはオーナー様の迅速な行動あるのみ。悪い癖は速攻で制御する以外ない。

ちなみに、攻撃性が出てしまう愛犬でも、ホテルでお預かりしたり、
オーナー様のいない場所では「借りてきた猫」の如く穏やかになる。
つまり、決して根っからのファイターではないのだ。
ファイターに変貌する理由やきっかけは前述の通り解明しきれないが、
オーナー様の存在が変貌に関与していることは間違いないようだ。
「まさか」~と思われるかもしれないが、残念ながら事実と言わざるを得ない。

もしかすると、「借りてきた猫」の状態は「我慢している」のであって、
本当は攻撃したいが我慢しているのかもしれない。
我慢? 当たり前だ。私だって生きていれば我慢することしきりである。
それが社会性であり、ルールだからだ。
オーナー様の怠慢で他人や他犬を傷つけて良い訳はないし、
周辺の雰囲気を低下させて楽しい人と犬はいない。
「犬に適切な躾を施すこと」~とは、まさにこのことであり、
東京都条例に記されている以上、問題が起きればドッグランなどの施設側ではなく、
条例の言葉で言う「犬の占有者」~つまり飼い主の全責任となるのでご注意されたい。

私自身、イタグレは穏やかで品位に満ちている種族だと信じている。
だからこそイタグレ専用のフィールドを創造した訳で、
現時点では大部分の時間が穏やかで気品に満ちた空気に溢れていると思う。
そうした時を末永く皆様と過ごすために書かせて頂いた。

時としてファイターになる愛犬のオーナー様へ。
「どうして良いか解らない」~と困惑なさる方もおいででしょう。
しかしそれは「貴方にしか出来ないのです」~と答えるしかない。
それは鬼になることでも暴力に頼るのでもなく、
問題行動に移行した瞬間に貴方自身が動くことであり、徹底的に制御することである。
声での叱咤はいらない。大声で怒鳴ることは愛犬を興奮させる場合が少なくない。
一瞬でも静観してはいけない。速攻で愛犬を制御し、厳しく叱ることである。
その具体的な方法は様々なケースと方法があるので私達スタッフにお尋ね願いたい。
もちろん、「秘技」もあるし「業務上の秘密」もあり、DOX の財産でもある。
場合によっては「マナーレッスン」に参加して頂くこともあるのでご了承願いたい。

私や DOX スタッフは皆様の耳にタコができるほど言い続けてきたことがある。
「とにかく『マテ!』を徹底させてください」~と。
そう、「マテ!」は躾の第一歩であり全てなのだ。
マテができず、問題行動を静止できないで他人や他犬を傷つける可能性があるのなら、
今からでも徹底的に躾けなければならない。
それは身体的なケガだけではなく、心の傷も含んでしまうのが現代的でもあり、
もう、そうした時代になってしまったと自覚なさるしかない。
それでもマテができず、問題行動を制御できないのであれば、
オーナー様が周りの状況を懸命に把握し、抱きかかえるなりリードで繋ぐなり、
他の人や犬、穏やかな空気に配慮し続けなければならないと思う。
それは大変な労力だし、完全なる解決にはならない。

最後に。
上記文中に失礼ながら「とにかく躾に甘い」と書かせて頂いた。
このブログの【投稿する】を押す前に、何度も削除しようと考えた箇所である。
それでも、回りくどい言い方はやめて残した言葉だ。
その「とにかく躾けに甘い」の中にはもう一つの意味があって、
「状況判断に甘い」~も入っている。
状況判断とは、「吠えられる、噛まれる側の恐怖心」~に甘いということ。
人はもちろん、子供なら犬嫌いになる。
ファイターに追いかけ回された他犬は完全にトラウマになり、
更に臆病になったり、場合によっては自分もファイターに変貌する。
オーナー様の正しい躾によって穏やかだった愛犬も、
なんだか間違った解釈と癖を身に付けてしまうことだって、現実にある。

私は DOX や "SV" を守る立場にあり、こんな性格から歯に衣を着せない。
DOX や "SV" が全てのイタグレオーナー様から憧れの存在であって欲しいし、
何時でも何処でも、愛するイタグレが元気で穏やかであって欲しいと切に願う。
それが夢であり目標である。また、"SV" の存在価値でもある。
存在価値が薄れ、夢と目標が失われるならば、人はそれを崩壊と呼ぶ。

嫌煙ブームがそうだったように、ブームによっては新しい常識になり得るケースもある。
イタグレの沽券を守るためにも、この問題には目を向けなければならないと思った次第です。


















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