徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

白い御飯と蕗の薹

2006-11-15 21:45:15 | ひとりごと
 飛騨高山には何度も出かけているが…その度に忘れられない思い出が残る…。
それもこの持ち前の…見たい聞きたいやってみたいという困った性格のお蔭というか…あまり人さまに自慢できた話ではないのだが…。 

 春とは言え…まだ…高山は雪解けの頃か…気の合う友と連れ立ってのんびり行き当たりばったりの旅に出かけた…。

休みとなればバイト以外には縛られることのない学生時代のこと…。

 下呂あたりに宿だけとっておいて…何処へ行って何を見るという予定も何もなく…ただぶらぶらとあっち寄りこっち寄り…。
観光名所巡りに大方時間を費やした。 

 高山からバスで30分ほど行ったところに鍾乳洞がある。
自分は以前にも行ったことがあるのだが…もう一回行ってみようかな…と思い立ちとうに昼を過ぎていたにも拘らず足を延ばした…。

前に訪れてから何年も経っているので…記憶も薄れており…その分…始めてみたような気がして結構面白かった…。 

さて…地底の世界を堪能して…バス停に戻ってきたのはいいのだが…バスが出たばかりのところへ到着してしまった。

やれやれ…次のバスまで1時間近くある…。 

周りには時間を潰せるような店もない…。

どうしようかな…?

ふと背後を見れば…春を迎えたばかりの田んぼや畑…。
下萌えの季節だ…。

うふふ…これは…いいんでないかい…。 

今朝…朝市で買った蕗の薹がピンと頭に閃いた。
胸はすでにわくわく状態…。  

何事か…と見る友を尻目に…蕗の薹採り開始…。
在りあわせの袋に萌え出たばかりの蕗の薹を詰め込む…。

そう…蕗の薹は若い方が美味しい…。
筆先のような生まれたての芽を探す…。 

さすがは飛騨…あちらにもこちらにも春の恵み…。
もう最高!

あっという間に袋は満タン…バスの時間も近付いた…。
友よ…呆れるな…これが時間の有意義な潰し方なのだ…。
パチンコするだけが暇潰し~…ではないのだぞ…。

…って単に食い意地が張ってるだけなんだが…。 
収穫にはおおいに満足…。

家に戻ってから天ぷらや味噌和えにしたが…朝市で買ったものよりずっと香りが高くて美味しい気がした…。

湯がいた蕗の薹を刻んで…味噌だけで和えたもの…白い御飯にぴったりさ…。
いやいや…自然の贈り物はいいなぁ…。 

えっ…高山くんだりまで何しに行って来たのかって…?

観光を兼ねた…ってか山菜取りがメインになってしまった旅だった…。

だって…それが一番面白かったんだ…あははは…。