徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

提灯破り…。

2006-11-07 22:22:00 | ひとりごと
 ようよう肌寒くなってきた…けど…今年はまだまだ暖かいね。
子供たちが受験なので…何処へも行かずに秋も終わり…。 

 毎年…お祭りに出かけていたんだけど…ここのところ…それもご無沙汰。
子供が成長すると…なかなかそういうところへ出かける機会がなくなるなぁ…。
 
 前にも話したと思うけど…お祭りが大好き…。 
物心付いた時には…法被と鉢巻…草履を履いて御獅子の背に摑まっていた…。
 そんな頃の写真が残っている…。
撮ったことさえ…自分では覚えていないけれどね…。 

 自分の育った町の神社では、毎年お祭りの時には、子供たちが獅子頭を担いで町内を練り歩いた。
自分たちの町内だけではなく…その日は地域のほとんどの町内がお祭りだったような気がする…。

元気を出して…わっしょい!  

 年長のお兄さんやお姉さんが獅子頭を担ぎ…他の子供たちが獅子の背の大きな布に摑まって口々にそう唱えながら歩く…。

わっしょい…のところで布を上下に上げ下げするんだ…。
今で言うところのウェーブみたいな感じでね…。

昔のことだから…恥かしさなんてなくて…どちらかと言えば誇らしげ…。 

 御獅子を掲げて町内を回ってきた子供には世話役さんや子供会からお菓子やラムネなどが振舞われる…。
町内を回ると言っても…大きい子は平気だろうが…大声を出しながら…布を翻し翻し練り歩くのは小さな子には大仕事…。

 それでも子供は元気だからジュース一本で即…回復…。
御小遣い片手に飛び出していく…。 

 境内には様々な屋台が並ぶ…。 香具師の掛け声も威勢よく…。
たこ焼き…綿菓子…みかん飴…風船つりに…金魚つり…大根鉄砲…。

 大根鉄砲…知ってる…?
大根を弾にして空気で飛ばす竹鉄砲なんだ…。
ポンって…いい音するんだよ…。  

輪投げ…射的…枠削り…。 

 枠削りはね…本当の名前は知らないけれど…薄くて四角いお菓子に何かの形の切れ目が入っていて…それを巧く削り出すと景品が貰えるの…。
 薄いからなかなか巧くできなくて…大概…途中で折れちゃうんだ…。
そうじゃなきゃテキ屋さんも儲からないからね…。

 鳥居と本殿の中間辺りに輪潜りの輪が立てられてある。
茅か何かで作られた大きな輪…これを潜ると厄除けになるんだって…。
潜る時にふわんと香りがするんだ…。 

巫女さんの神楽舞の鈴の音なんかも…おぼろげながらに覚えている。

 それから…これは…あまりに古い話で記憶も定かじゃないし…子供たちの間の風習だから…オカンも覚えがないとは言っているんだけど…。

自分の記憶の中では確かに在ったことだと思うんだ…。 

 夜になると大きいお兄さんやお姉さんたちが提灯に蝋燭を灯して出掛けていく。
他の町内のお兄さんやお姉さんたちと提灯破りの合戦をするために…。
何処の町内と当たるかは分からないが…提灯をたくさん破った方が勝ち…。

 いつかは…自分も参加したいとずっと思っていた…。
その頃はまだ小さかったのでついていけなかったから…。
蝋燭灯した提灯を持って合戦に行くんだ…。

すごく楽しみにしてたのに…。 

自分がそういう齢になったら…禁止されてしまった…。

何で…? 

危険だからだめなんだって…怪我するから…そんなことを友達から聞いた。

 危ないことは絶対させない…という考え方が世の中に浸透し始めてきた頃で…川遊びは危険だからさせない…とか…木登りも危険だからだめ…とか…闇雲に何でもかんでも禁止する方向へ持っていく時代の始まりだった。 

 危険と言われることを体験しなくなった子供たちは…安全に遊べない子供になった。
遊び方を知らない…危険なことを回避できない子供に…。
何が危険かを…本当の意味で体得していないから…。

 最近になって…刃物の使い方を教えようとか…昔の遊びを体験させようとか…そんな試みが為されているが…遊んでいない子供にはただのイベントに過ぎない。

 実際にやってみた中から…失敗した中から…得るものがたくさんあるんだよ…。
刃物で切ったら血が出て痛い…だから使う時には気をつけよう…絶対人に向けないで…。 
 ちょっとした冒険は生きるための勉強だよ…。
勿論…大事に至らないように大人が眼を光らせているのは必要なことだけど…ね。

懐かしい出来事はすべて…自分を育む先生だったんだってことに感謝…!

ああ…でも…やりたかったなぁ…提灯破り…。