徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

ふっかふかの綿の蒲団と蒸かし芋

2006-11-25 15:40:00 | ひとりごと
 ふっかふかの蒲団…この季節の憧れだよねぇ…。
所帯を持った時から使っている羊毛蒲団に文句があるわけじゃないけれど…やっぱり綿の蒲団が好きだなぁ…。 

えっ…? そんな古いの…まだ使ってるのかって…?

 そうなんだよ…新しくしたいんだけど…どうも勿体ない気持ちの方が先に立っちゃってねぇ…。
貧乏性なんだね…。

 結婚当時に流行っていて…長持ちするから…今風だから…と口車に乗せられて買ったんだけど…確かに中身は長持ちしている…。
布部分が全部破れちゃっても羊毛だけは無事なんでマット用のシーツを皮の代わりにして使ってる…。

 修理できないかって…あちらこちらの蒲団屋さんに聞いてみたんだけど…こうした動物性の綿は決めの細かい特別な布を使わなきゃいけないので布代の方が高くついて…新しく買うよりお金がかかるんだって…。
だから…修理はやらない…らしい…。

 羊毛は長持ちしても布の耐久力までは考えてなかった…。
失敗しましたね…まったくのところ…。


 子供の頃…家族の蒲団は全部…母が自分で作っていた。
小学校の低学年頃までは…自分がそれを手伝ってはいたんだが…もう古い話で綿の張り方までは思い出せない…。

 何年か使った綿蒲団は干しても膨れなくなってくる。
所謂…煎餅蒲団状態だね…。

 綿がぺちゃんこになると蒲団屋さんに綿の打ち直しに出す…。 
打ち直した綿はあら不思議…三倍くらいにボワンと膨れ上がり…ふかふか状態になって戻ってくる…。 

 古い着物を解いて反物にして蒲団の皮を縫う…。
そう…着物は蒲団にも再利用できるんだ…。

 蒲団には綿と真綿を使う。 綿だけのものもあるけど母の作り方はそうだった。
真綿っていうのは絹の綿のことね…。 蚕のくず繭を使って作ったものだよ…。

 布の上にまず真綿を敷いて…その上に綿を敷く…更にその上に真綿を敷く…つまり…サンドウィッチにするわけ…。 

 後は蒲団針で布の口の開いている三方…或いは四方を縫って閉じて…蒲団の四隅と蒲団の上から何箇所か表裏を縫い付けて綿止めして出来上がり…。

 母がそうして蒲団を縫うのを学校から帰ると手伝いながら見ていた。
まだ…綿を敷いてそのままになっている状態の時に母が他ごとをしていると…塩をまぶして蒸かしたさつま芋のおやつを齧りながら…綿の上に転がった。

綿まるけになるよ…と母が言っても…打ち直した綿のふかふかの魅力にはかなわない…。 

蒸かしたさつま芋の塩味の利いた甘さと自分を包み込む綿の柔らかさと温かさ…。
さつま芋は苦手だが…それを思い出すと食べてみようかな…とふと思う。

 最近は何でも使い捨てにしてきたことが見直されて…リサイクル活動も盛んになった…。
買った方が安く済むって状況が…勿体ないという気持ちを失くさせちゃったんだけど…そういう時代でも…物の有り難みっていうものを心のどこかで感じてる人はまだたくさん居るはずなんだ。 

 だから使う側だけでなく作る側も…もっともっと積極的に再利用に取り組んでくれるといいなぁ…。
買った方が安いですよ…じゃなくて…修理した方が得ですよ…って…そう胸を張って言ってくれる会社があったら…大ファンになっちゃうよ…。


 自分で蒲団を作るなんてことはできないけど…子供たちの蒲団は綿を打ち直して貰っている…。
自分と連れ合いの羊毛蒲団もそんなふうにできると…助かるんだけどなぁ…

勿体ないから…。