大通りをバスが行く…。 四角いバス…。 最近はボディに絵が描いてあったりして公共の乗り物とは思えないほどカラフルなものも在る…。
今のバスは…トラックなんかもそうだけれど…凹凸が少なくて車体に鼻がないよね…。
自分の小さい時には…バスもトラックもたいがい鼻つきだった…。
ダンプなんて結構…可愛い顔してたなぁ…。
三角鼻の三輪トラック…覚えている人居るだろうか…。
そうだねぇ…アニメ映画のトトロを見た人なら覚えているかもしれないけれど…お父さんが通勤に使っていた…あのバスだよ…。
制服の車掌さんも乗ってたんだよ…。 革の鞄を提げてね…。
そこから切符を出すんだ…。
確か…黒い鞄だったと思うんだけど…毎日使っているから…所々擦れていて下地の茶色が覗いていたりしてたね…。
それより以前には路面電車が走っていた…。
がたんごとん…がたんごとん…そんな音を立ててね…。
一番前に乗るのが好きだったよ…。
正面の景色と運転手さんの操作が見られるから…。
今でも…そうだね…運転席覗くのが好き…。
恥かしいから…やらないけど…。
えっ…子供みたい? だって…面白いじゃない…。
普通では見られないもの見るのって…楽しいよ。
わくわくする…。 内緒だけど…本当はあれ…運転してみたいんだよ…。
昭和中期まではこのあたりの道路は大きいと言われる通りでも…それほど広くは無かった。
広くなったのはだいたい…40年代だな…。
通りに面したお店はたいがい表の戸を開け放し…お客や店の人が自由に出入りできるようにしてあった…。
店の中が全部見渡せるくらい開け放してあっても…強盗が入ったなんて話は聞いたことがなかった…。
ごめんください…。
いらっしゃい…。
そんな挨拶が何処の店でも当たり前の時代…。
買って貰って有難う…売って貰って有難う…。
今は売り手の方が礼を言って…買い手は黙ってるのが普通みたいだけれど…doveは売ってくれる人にも有難うを言っちゃう…。
長年の癖が抜けないんだね…。
スーパーのレジでもコンビにでも…。
不思議なことにね…。
それやってると…全然知らない人だったレジのパートさんたちとちょっとした会話が出来るようになったりするんだよ…。
いい天気だね…とか…今年は野菜が高いね…とか…他愛のないことだけど…ちょっと得した気分…心楽しい…。
商店街と言うわけでもないけれど…通りには米屋さんとか水道屋さんとか…いくつか店があった
米屋さんには…おそらく大きなさお秤ではなかったかと思われる古い秤に米袋…水道屋さんには何かの部品…それぞれに特徴のあるものが店先に見えている…。
製材所の前には真新しい長い木の板がいくつも並べられていた。
畳屋さんはいつも店先の土間で仕事をしていた。
おじいさんとおじさん…前後ろに斜に並んで畳を縫っていた…。
いつも同じ場所でふたり…黙々と仕事をしていた。
藺草の香りが立ち込める中で…。
あの通りにはもう三十年近くも行っていないけれど…今でも…おじいさんになったおじさんとおじさんになった息子さんが並んで仕事をしているだろうか…?
黙々と手を動かしているのだろうか…?
あの辺りは高速道路が通ってしまったと聞く…。
店が残って居ても…土間の中まで見渡せるような開け放した姿ではないだろう…。
真新しい畳の梅干のような匂いを嗅ぐと…いつもあの光景を思い出す…。
あの町の…あの時の姿を…。
もう…ほとんど何処にも見られない風景が記憶の中にだけある…。
それもやがて…消えていくんだろうなぁ…。
今のバスは…トラックなんかもそうだけれど…凹凸が少なくて車体に鼻がないよね…。
自分の小さい時には…バスもトラックもたいがい鼻つきだった…。
ダンプなんて結構…可愛い顔してたなぁ…。
三角鼻の三輪トラック…覚えている人居るだろうか…。
そうだねぇ…アニメ映画のトトロを見た人なら覚えているかもしれないけれど…お父さんが通勤に使っていた…あのバスだよ…。
制服の車掌さんも乗ってたんだよ…。 革の鞄を提げてね…。
そこから切符を出すんだ…。
確か…黒い鞄だったと思うんだけど…毎日使っているから…所々擦れていて下地の茶色が覗いていたりしてたね…。
それより以前には路面電車が走っていた…。
がたんごとん…がたんごとん…そんな音を立ててね…。
一番前に乗るのが好きだったよ…。
正面の景色と運転手さんの操作が見られるから…。
今でも…そうだね…運転席覗くのが好き…。
恥かしいから…やらないけど…。
えっ…子供みたい? だって…面白いじゃない…。
普通では見られないもの見るのって…楽しいよ。
わくわくする…。 内緒だけど…本当はあれ…運転してみたいんだよ…。
昭和中期まではこのあたりの道路は大きいと言われる通りでも…それほど広くは無かった。
広くなったのはだいたい…40年代だな…。
通りに面したお店はたいがい表の戸を開け放し…お客や店の人が自由に出入りできるようにしてあった…。
店の中が全部見渡せるくらい開け放してあっても…強盗が入ったなんて話は聞いたことがなかった…。
ごめんください…。
いらっしゃい…。
そんな挨拶が何処の店でも当たり前の時代…。
買って貰って有難う…売って貰って有難う…。
今は売り手の方が礼を言って…買い手は黙ってるのが普通みたいだけれど…doveは売ってくれる人にも有難うを言っちゃう…。
長年の癖が抜けないんだね…。
スーパーのレジでもコンビにでも…。
不思議なことにね…。
それやってると…全然知らない人だったレジのパートさんたちとちょっとした会話が出来るようになったりするんだよ…。
いい天気だね…とか…今年は野菜が高いね…とか…他愛のないことだけど…ちょっと得した気分…心楽しい…。
商店街と言うわけでもないけれど…通りには米屋さんとか水道屋さんとか…いくつか店があった
米屋さんには…おそらく大きなさお秤ではなかったかと思われる古い秤に米袋…水道屋さんには何かの部品…それぞれに特徴のあるものが店先に見えている…。
製材所の前には真新しい長い木の板がいくつも並べられていた。
畳屋さんはいつも店先の土間で仕事をしていた。
おじいさんとおじさん…前後ろに斜に並んで畳を縫っていた…。
いつも同じ場所でふたり…黙々と仕事をしていた。
藺草の香りが立ち込める中で…。
あの通りにはもう三十年近くも行っていないけれど…今でも…おじいさんになったおじさんとおじさんになった息子さんが並んで仕事をしているだろうか…?
黙々と手を動かしているのだろうか…?
あの辺りは高速道路が通ってしまったと聞く…。
店が残って居ても…土間の中まで見渡せるような開け放した姿ではないだろう…。
真新しい畳の梅干のような匂いを嗅ぐと…いつもあの光景を思い出す…。
あの町の…あの時の姿を…。
もう…ほとんど何処にも見られない風景が記憶の中にだけある…。
それもやがて…消えていくんだろうなぁ…。