徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

散歩道で拾った話…第三百四十「アオジ・オオジュリン(冬羽)・メジロ・コゲラ?」

2009-03-31 21:30:21 | 生き物
 今日の散歩道は薄曇…シャッタースピードの遅いこと遅いこと…。
野鳥の動きに追いつかないったらありゃしない…。
それでも何とか数枚画像をゲット…。
いつもながらボケてて申しわけないですが…。

 最初は…アオジ…。
アオジと色も形もそっくりな野鳥にノジコという鳥がいますが…この子の眼の上に眉のような白っぽい羽毛があるので多分…アオジ…。
ノジコは眼の周りに白い縁取りがあるらしいです…。
この子にはそれがないしね…。

   

   

 次は…多分…オオジュリンの冬羽バージョン…。
散歩道には群れで飛んできて、パリパリ音を立てながら葦の茎を齧り、表皮を散らします。
中に潜んでいる虫を食べているのではないかと思うのだけど…。
コジュリンという夏羽のそっくりな鳥が居るそうですが、そちらの方はあまり御目にかかれない種のようです…。

   

   

 御馴染みのメジロ…。
桜が咲いたので蜜を食べにきています。
この子たちはおとなしいけれど…スズメやヒヨドリは桜の花をちぎって落とすので困りもの…。

   

   

 さて…今日の困ったチャン…。
高い木の上に居て、すぐにあっちゃこっちゃの木へ移動してしまうので、はっきりとは分からないのだけれど、羽の模様からコゲラではないかと思いますが…。
画像が暗いので見づらくてごめんなさい…。
もし、確かなところを御存知の方は是非教えてくださいね…。

   

   

 この他に…今日はカムルチーを3匹見つけました…。
昨日まではこの前UPしたカムルチー1匹だけだったんですが、やっと表に出てきてくれましたねぇ…。
やっと水温が上がったんでしょう…。
その画像はまた次の機会にUPしますね…。

水温む…で…川の生き物たちが活動開始…。
楽しみです…。









散歩道で拾った話…第三百三十九「川の描く絵Ⅲ」

2009-03-29 18:13:38 | 川の描く絵
 今日こそ三度目のイベントがあるのではないかと出かけて行きましたが…集まったコイたちはやっと動き始めたところ…ちょっと肌寒かったからね~…。
昨日よりは活発に動いてはいるんだけど…う~ん…午後に行くべきだったかなぁ…。
水温が低いのか…。

 でも…明日は晴れ…だからまだ先かもしれないね…。
空気が乾いていて…雨の気配がしないから…。
…なんて言ってるうちに終わっちゃったりして…。 



 さて…今日は川の描く絵…です。
光の絵二画像は冬のだけどね…。

   

桜じゃありませんよ…これは紅葉…紅葉の葉っぱが萌え始めたところ…。
綺麗でしょ…。

   

桜はこちら…。

   

   

次の二枚は冬の画像…。

           

   

此処からは光と鯉…。



              



              



   

全部doveの自己満足だけど…気に入ってもらえると嬉しいなぁ…。






散歩道で拾った話…第三百三十八「仲良しカメ・不気味なまず」

2009-03-26 22:35:00 | 生き物
 今日の散歩道…ちょっと冷え気味…。
晴れてはいましたが雲が多く、散歩中、急に小雨がぱらついたりもしました。
こういう日はおそらくコイのバトルも見られないでしょう…。
この前コイたちが大騒ぎしていたポイントも御覧の通り…。

   

静かなもんです…。

   

けれども…コイたちがこれだけまだこの場所に集まっているということは…条件が揃えば近々またバトルが始まるということで…。
三度目の撮影チャンスありかも…楽しみだな…。

   

仲良しカメさん…。

   

偶然なんだろうけど…笑えた…。

   

これは…ナマズ…?

これが御約束の画像…大きなナマズだと思って撮ったんですが…。

   

同じ画像をもう少しはっきりさせてみると…この顔…。

えっ…コイ…?

それにしちゃヒレが小さいし…鱗も見えない…。

輪郭なのかヒゲなのか…ちょっと不明瞭だなぁ…。

   

なんか…妙に別の魚っぽい顔…。

   

けど…この色は…ナマズだろう…?

   

ナマズヒゲが見えない…。

ライギョにしちゃぁ…模様も背びれもないし…。

ナマズだと思うんだけど…ナマズだよね…。

   

ナマズでしょう…これは…。

ちょっと顔が怖いけど…。

…ナマズだと…思うんだけど…なぁ…。









散歩道で拾った話…第三百三十七「コイの季節バトル2」

2009-03-24 23:01:50 | 生き物
 明日は…雨かも知れません…。
川のコイたちがまた…恋のバトルをしていたので…。

先回は初回だったらしく、堰提から堰提までの間のあちらこちらでバトルが繰り広げられていましたが、今回は一箇所だけ…。


   

コイが暴れ始めるとすぐ川が白く濁ったのは…これは放精と考えていいのだろうか…?
それとも川底の泥が舞い上がったのか…?
川好きさんなら御存知かなぁ…?

   

   

   

   

   

コメ辺でも書いたけれど…この川での大規模な繁殖行動はそうそう毎日見られるわけではないので…迫力満点のバトルを再度目撃できたのはラッキーでした…。

   

バトルといえば…WBC決勝戦…見ごたえありましたねっ!
面白かったなぁ…。

えっ…TV観戦のせいで…こんなに手抜記事なのか…って…?

あはは…それだけではないんですが…ちょっと忙しかったもので…。

…ごめんなさい…。













散歩道で拾った話…第三百三十六「カイツブリ・ヒクイナ・オシドリ・カワセミ」

2009-03-22 18:13:18 | 生き物
 今日は雨…昨日の好天が嘘のようです…。
コイの繁殖バトルの翌日なので…ひょっとしたら雨が降るかもしれない…とは思っていましたが…。

えっ…根拠…?

いやぁ…ど素人ですから…根拠なんてものは全くないんですが…昨年がそうだったので漠然と…。

 ここのところあまり女性向でない記事が続いたので…今日は鳥さんたち…。
昨日UPしなかったナマズにしようと思ってたんですが…魚類や爬虫類ばかり続けると興味のない方に申しわけないもので変更しました…。

ナマズさんはまた…今度ね…。

 さて…始めは…カイツブリ…。
散歩道の川にもごく稀にやってきますが、これは緑地のカイツブリです。
緑地には釣り池やボート池があるので、散歩道にはめったに来ない水鳥もたくさん居ます。

   

大きな池の鳥たちは小さくしか撮れないので…見難くて御免ね…。

   

趣味のカメラマン御一行が何組か来ていて、あちらこちらで水鳥を撮影していました…。
凄いカメラばかりズラリ…なので…彼等の目の前で古いコンデジ出すのは…さすがにちょっと気が引けたなぁ…。

   

こちらは散歩道のヒクイナ…。

   

 ヒクイナはとても臆病で敏感なので、少しでも人の気配がするとすぐに隠れてしまって出てきません…。
散歩道を歩く人の会話が聴こえただけで葦の茂みの中へ逃げてしまいます。
doveのように距離の取れないコンデジでの撮影は時間との勝負です。
この日は何とか数枚ゲット…ラッキー…!

   

枯れ葦の作る隠れ家に潜んでいるオッシーくん…。
これは先週の画像…。
昨日も何枚か撮ってきたので…またそのうちにUPしますね…。

   

今日の最後はカワセミくん…このところ…あまり姿を見かけません…。
見かけても飛んでいるところばかりで、なかなか撮影できないでいます。

 カワセミは三月頃から夏にかけて繁殖期に入るようです。
その間、毎年姿を見せなくなるので、ひょっとしたらもう繁殖期なのかもしれません。
この冬は暖かかったからか…自然界の営みも早め早めのようです…。

 たまたま暖冬だった…ってことならいいのですが…これが温暖化の影響だったりすると…怖いですね…。
自然界のサイクルがズレを生じて変化してきている…なんてことだったりしたら…。

もうそろそろ…地球の我慢も…限界かも…です…。






散歩道で拾った話…第三百三十五「鯉の恋…大騒ぎ」

2009-03-21 22:16:00 | 生き物
 今日はとても好い天気、上着が要らないほど暖かく、絶好の散歩日和…なんですが…。
土曜日ということもあって、柵を乗り越えて子供が川に降りていたり、行き交う人が多かったりで、あまり生物を観察するのに適した状況ではありませんでした…。

 収穫は期待薄だと思って歩いていたのですが、この好天と気温上昇が幸いしたのか、下流側で面白い光景に出くわしました。
どうやら…散歩道の川では…コイの季節到来のようです…。
二ヶ月ほど後でもおかしくないくらいなので…例年に比べるとかなり早いですが…。

 この場所…doveの散歩圏内の中では…70~90センチくらいの大物ゴイの集まるポイントです。
以前、ベトナムからの研修生がここでコイ漁をして、70センチほどもあるコイを網で捕まえて喜んでいた画像をUPしましたが、ここにはそんな大物がウジャウジャ居ます。

   

画像で…分かりますか…?
コイなのに…一匹一匹がタイのように幅広い体に見えるのが…。

   

ほとんどがデカゴイばかり…。
それらが犇めき合い…ぶつかり合って…それはもう大迫力な眺めです…。

   

あちらこちらで上がる水飛沫も半端じゃなく、コイの立てる大きな水音が散歩道に響き渡って、道行く人々の耳を捉え、目を捉え…。

   

散歩中の人々から…すごいなぁ…という声が…。

   

昨年UPしたコイの季節よりもさらにパワーアップ…。
圧倒されます…。

   

とにかく…デカイ…。

   

川全体をリングにした豪快なバトル…肉弾戦…。
う~ん…なんつ~か…めっちゃワクワクさせてくれるじゃありませんか~…。

   

いやぁ…面白かったです…。

勝敗の行方はdoveにはいまひとつ分かりませんが…今年もたくさんの稚魚が誕生すること間違いありません…。

自然は実に…ダイナミックです…。











散歩道で拾った話…第三百三十四「今年初のライギョ」

2009-03-19 17:31:40 | 生き物
 今日の散歩道…かなり暖かいです…。
御蔭で花粉も飛びまくり…くしゃみしながらの散歩です…。
このところ、いつもの散歩タイムには被写体に巡り会う機会に恵まれないので、実験的に少しずつ時間をずらして川の中を覗いています…。

 昨日は午後1時頃…今日は3時頃に出かけてみました…。
家を出てすぐ…川の葦の茂みの中に揺らめく魚影…。

おぉっ!
これは久々の…あの方か…っ!

   

コイも時々狭いところにもぐりこんだりするので、遠目には体表の模様が見えないこともあって、判別し難かったのですが、どうも妖しい気がしてとりあえず1~2枚撮影…。

   

横から見ると…どうもコイではない…。
これは初物か~っ!

   

カメに押しのけられても…身動きひとつしない図太さ…。
これは絶対コイではな~い!

   

画像をPCで確認すると…体表面にはあの斑模様…。
間違いなくライギョ…カムルチーです…。

やった~っ!
初カムルチー…ゲットだ~っ!

…というわけで…今春もライギョさんがお目覚めです…。
川好きさん…ごんべ絵さん…雪の下さん…ライギョに興味のある皆さん…お待たせ致しました…。
やっと撮影できましたよっ!

今日はデカナマズさんもお出ましになったけれど…それはまたの機会にUPしますね…。








散歩道で拾った話…第三百三十三「青大将」

2009-03-17 21:48:00 | 生き物
 最初に御断りしておくと…今日の画像は蛇です…。
爬虫類が苦手な方はスルーしてくださいね…。

 ここ三日ほど天気の良い日が続いているにも関わらず、ライギョはおろかナマズにも御目にかかれず…鳥の画像もイマイチ…。
それはそれで…散歩は楽しいのですが…記事にはなりません…。

 今日も手ぶらか…と思っていたところ…居ました…居ました…。
去年…タイミングが悪くて尻尾しか見られなかった散歩道の蛇…。
多分…青大将でしょう…。
この蛇としてはそんなに長い方ではありませんが…。

  

 妙なことに…この青大将…まったく動きません…。
この画像を撮る寸前にツクシ採りの女性が柵を乗り越え、このヘビのすぐ近くまで行ったのに…ビクとも…。

 以前…土手の上で昼寝をしている青大将を見たことがありますが…今回は…ちょっと様子がおかしいような…。
何だか…生きているのか…死んでいるのか…って感じです…。

  

こんな顔してます…。
なんか…元気なさげでしょう…。

  

よくよく見ると…御腹に傷があるような…。
乾いていて…血は出てないみたいですが…抉り取られたような傷跡…。
どうしたんでしょうねぇ…。

う~ん…。

次に散歩した時に…ここに居なければ生きている…。
ここに居れば…死んでいる…。

まだ春になったばかりだし…きっと…目が覚めたばかりの青大将…。
生きていると…いいんですけどね…。











続・現世太極伝(第百四十一話 安心しとけ…! )

2009-03-16 18:09:12 | 夢の中のお話 『続・現世太極伝』
 通りを隔てた向こう側の緊迫した動きひとつひとつに、其処此処に見え隠れする報道関係者と思しき姿が敏感に反応する…。
道行く人が次々と物珍しげに立ち止まり、その周りを囲んで野次馬と化していく…。
立ち合う犯人らしき姿も何も…こちら側からはほとんど見えないというのに…。

 その人だかりから少し離れた並木の陰に滝川の姿…。
滝川はじっと…群衆の向こう側を見つめている…。
興味津々の見物人たちとは対照的に…ただ無表情な眼を向けている…。

やれやれ…思ったとおりだ…。

大きく溜息吐きながら…亮は滝川の居る並木の方へと向かった…。

「先生…? 」

偶然出会ったかのように軽く声をかけ、いつもどおり親しげに微笑んで見せた。

やっぱり来たか…。

その何気なさを装った声を耳にして…滝川は思わず苦笑いした…。

 誘うでも誘われるでもなく、その場を離れ、ゆっくりと歩き出した…。
何処といって行くあてがあるわけではなかったが…大勢の見知らぬ他人の傍でわざわざ披露する話でもなかった…。
無論…その場を動きたくなければ…いかようにもできるふたりではある…。

 声はかけたものの…二の句に迷い…亮は黙って道なりに歩いた…。
滝川もいつになく無言のまま…ただ歩調だけを合わせている…。

 亮にとって滝川は家族のようなもの…役目とは心得ていても…職質めいた話をしたくはない…。
滝川は別に…意に介さないだろうけれど…。

閉ざされたままの輝の工房が見えるところまで来て…ようよう沈黙は破られた…。

「まさかとは思うけど…輝さんの敵をとろうなんて考えてないよね…? 」

おそるおそる遠慮がちな…亮の問いかけ…。

「分かってるくせに…。
だから来たんだろ…御使者さん…。 」

皮肉っぽい笑みを浮かべたまま滝川はそう答えた…。

「ぶっ殺してやろうと思ってたが…気が失せた…。 」

それは…いつもの冗談ではなく…半ば…本気とも取れる口調…。
亮の心臓が駆け足を始めた…。

「先生が…どうして…?
そりゃぁ…先生は輝さんと半分同棲してたみたいなもんだし…ケントの父親代わりでもあったけど…だからって…。

先生…ひょっとして…本当は輝さんのこと好きだったの…? 
それで復讐なんて…考えたわけ…? 」

何だって…?

呆れたような滝川の目が亮の顔を一瞥した。

「馬鹿言っちゃいけない…輝と僕とはあくまでダチだ…。
そりゃぁ…一緒に暮らしてたんだから…何にもなかったとは言わないが…。

 紫苑にその気がねぇから…やめたんだ…。
紫苑が動くつもりなら…代わりに…と思ったんだがな…。 」

 野次馬や報道陣の向こう側に詰めているに違いない警官が耳にすれば、即、後ろに手が回りそうな事を平然と語る滝川…。
聞いている亮の方がうろたえた…。

「代わりって…いくら紫苑命でも…それは…。 」

間違ってる…と喉まで出かけて…言葉にするのを躊躇った…。

はっきり言い切って良いんだろうかなぁ…紫苑を想う先生の気持ちは…分からなくもないし…。

亮の躊躇を察してか…滝川の方から口を開いた…。

「紫苑はまだ…輝の死を受け入れることができないでいるんだ…。
認めてないから…復讐する気も起こらない…。

 まぁ…そのうちには…どうしたって認めざるを得ないんだけどな…。
怒りのボルテージは上がるかも知れんが…もう…暴走はしない…。
実際に手を出すことはないだろう…。 」

僕にもその気はねぇから…安心しとけ…。

安心しとけ…と言われても…御使者である亮の立場からすれば…ハイそうですか…と引き下がれるような状況ではない…。

「そういうことじゃなくて…僕が言いたいのは…。
仮に紫苑にその気があったとしても…やり方次第で何とか止められるんじゃないか…って…。
今も先生が言ったように…世界が崩壊するかもしれないような力を暴走させる懼れはないんだし…。 」

何も先生が代わりにどうこうしなくたってさ…。

非難するような眼で滝川を見つめた…。
滝川の笑顔が少しばかり翳ったように思えた…。

「輝は紫苑の恋人だけど…母親みたいな存在でもあったからな…。
紫苑は多分…ひとり遺されることに耐えられないんだよ…。
自殺を図った実母と…どうしても重ねてしまうんだろう…。

度を超えた意地悪はするし、嫉妬深い女だけど、紫苑は自分を心から愛してくれる面倒見のいい輝が大好きだったんだ…。 」

そんなこと…訊いてるんじゃないんだけどなぁ…。

亮は小さく溜息をついた…。

「紫苑が超へこんでるのは分かってるけど…なんで先生が?…って話だよ…。 」

的を得ない滝川の答えに、亮は少しばかり焦れてきた。

先生ってば…時々人を苛々させるような態度をとるからなぁ…。

その苛々があからさまに亮の顔に出た…。

やれやれ…怒らせちまったか…。

滝川はまた苦笑した…。

僕の気持ちの…問題…さ…。

「紫苑を護ってやりたいんだ…。
エナジーの意思に従ってあのくそったれどもの魂を消滅させたことで…紫苑の心はまた…癒えない傷を負った…。

御使者の務めだろうが…太極の意思だろうが…たとえどんな正当な理由がつこうとも…実際に手を下したのは紫苑自身…生涯…その傷は消えない…。

紫苑…何も言わないけど…ほんとは泣きたいくらい痛むんだろうよ…。
数え切れねぇほど傷があるんだからな…。

だからさ…紫苑にとっちゃ輝のことだけでも堪え難い衝撃なのに…その上さらに傷口広げるような愚行をさせたくないんだよ…。
そうさせるくらいなら…紫苑が動く前に僕が先にしとめてしまった方がいい…。
そうだろ…? 」

間違ってるよ…と亮の心が叫んだ…。

そんなこと…許されるわけがない…。

「先生が動けば…紫苑は余計に傷つくよ…。 」

どちらにせよ…結果は同じじゃないか…。

何の権限もなく手を下すこと自体が問題なんだ…亮は胸の内でそう憤慨した…。

いくら紫苑命でも…やって良いことと悪いことがあるだろう…。
まったく…先生らしくもない…。

「ふっ…紫苑にも手を汚すなと言われたよ…。
まぁ…紫苑に気がねぇなら…僕がどうするって意味もねぇことだし…。
今日はちょっと覘いてみただけさ…。 」

面白くもなかったけどな…。

吐き捨てるように滝川は言った…。

「賢明だね…。 
紫苑も…当のHISTORIANでさえ見捨てた悪党のことなんか…さっさと忘れりゃいいのに…。
そうするしか…人類の存続を守る方法がなかったんだからさ…。 
あのまま悪党どもが紛争の種を撒き散らせば…いずれはまたエナジーたちが暴れだしたに決まってるんだから…。 」

 何人もの尊い命を奪い、世間を混乱に落としいれ、罪のない人々を利用し苦しめた者たち…。
放っておけば犠牲者が増えるだけ…やがては世界の崩壊を招くだろう…。
奴等にゃ天罰が下って当たり前…その選択が誤りだなどとは認めたくなかった…。
母親が…犠牲者のひとりだということを考慮に入れなかったとしても…。

「僕が心配なのは…力の暴走よりもむしろ…紫苑の心の崩壊の方だ…。
紫苑も人間だからな…どのくらい堪えたらぶっ壊れるか…なんて…その時になってみなけりゃ分かりゃしないのさ…。
どんなに我慢強い人間にだって…限界はある…。

 なぁ…亮くん…。
きみにはまだ…きみの兄貴のことが全然分かってない…。
大きな荷物を幾つも背負わされて…その重みでいつ暴走するかもしれない自分という存在を怖れる男の気持ちが…さ…。

 今…紫苑が落ち着いていられるのは…少しだけ安心してるからなんだ…。
僕が紫苑の傍に存在する真の意義が伝わったから…。
勿論…紫苑にとっては…の話だけどな…。

 もしも…力の暴走を止められないような事態に陥った場合には…世界が破滅する前に…僕がこの手で殺してあげる…そう紫苑に約束したから…。
紫苑が…自ら命を絶たなくてもいいように…僕が逝かせてあげる…僕の命を懸けてでも…。

紫苑は…嬉しそうに笑ったよ…。
恭介…絶対…約束だぜ…って…。

分かるか…亮くん…?

生きるより殺されることを喜ばなくてはならない…紫苑の切なさが…。
生まれてからこれまで…さんざん酷い思いをしてきた上に…こんな悲しい選択を迫られる紫苑の痛みが…。

 僕にとっちゃ世界の破滅がどうのこうのよりも…紫苑が日々平穏に幸せに生きてくれることの方が重要だ…。
それがたまたま…どちらも無関係ではいられないだけの話で…。

だから…僕は…何でもしてやる…。
紫苑のためになら…何だって…。

間違っていることは百も承知だ…。 」

 紫苑命…それは仲間たちが冗談まじりに滝川の行動を揶揄する言葉だった…。
西沢紫苑という類稀な素材に心底惚れ込んで…その魅力を余すところなく写し取り表現することをライフワークとしている写真家滝川…。

 けれど…西沢への想いはモデルと写真家の関係だけに留まらないことを仲間の誰もが知っている…。 
分厚く不透明な膜で覆われた滝川の心の奥底で…密やかに光を放つもの…。
その形が…どういうものであるかは…誰にも分かりはしないけれど…。

「心配要らねぇって…そんなことにはなりゃぁしないよ…。
どんな手を使ってでも…僕が紫苑を護ってやる…。

紫苑にとっちゃぁ…僕は有さんや祥さんの代わりでしかないけれど…それならそれで…なりきってやってもいい…。

大丈夫…紫苑はちゃんと…人生を全うできるさ…。 」

滝川の目には亮の顔があまりに不安げに映ったのか…慰めるような優しい声で…そう言った…。

 間違ってる…とは…とうとう…言えなかった…。
言いたくなかった…。
間違っていてもいい…と亮は思った…。
お役目には反するかも知れないけれど…。

「そうだと…いいな…。 ううん…きっとそうだよ…。
先生にそこまで想われてるんだから…きっと…。
有り難う…先生…感謝します…。 」

 過去・未来…はどうあれ…現時点での紫苑は幸せに違いない…。
同じ形ではないにせよ…紫苑の中の空白は…滝川の真心で満たされる…。
それはさらに中枢へと浸透し…疼く傷のひとつひとつをも包み込んで…穏やかに優しく…癒していく…。
完全とはいかないまでも…。

 そう思うと…亮はなんだか西沢が羨ましいような気持ちにさえなってきた…。
自分にそれほどの想いを寄せてくれる誰かが…果たしてこの世に存在するのだろうか…と…。

「亮くんに礼を言われる筋合いはねぇな…僕の自己満足だ…。
紫苑…可愛いからな…。
初恋の紫苑ちゃんは僕の永遠の恋人だからさ…。 」







次回へ

散歩道で拾った話…第三百三十二「アオサギと釣り人」

2009-03-13 12:25:00 | 生き物
 夕べせっかく書き上げた記事が消えてしまったので…再度UPです…。
書き直しするってのは…毎度のことながら複雑な気分…ですね…。

 昨日はいつもの散歩道ではなくて、ごんべ絵さんが時々野鳥の撮影に行かれる緑地の方へ行ってみました…。
御蔭さまで家族Aの病状回復が順調なので、食事の栄養管理と通院の付き添い以外にはそれほど手がかからないため、せっせと散歩に勤しんでいるdoveです…。

 それでも、病人が居るということで時間的制約があるのと、家族Aが入院してから動かしていないバッテリーが心配だったということもあって、緑地までの道中は自家用車…。
この緑地には何箇所も無料駐車場が完備されていて、車を止めるところには困りません。

 天気さえ好ければ平日でも家族連れ、趣味のカメラマン御一行、保育園児の集団、楽器の練習、釣り人など、この緑地を利用する人で賑わっています…。
…とはいえ…広大な公園ですから賑わいもほどほど…祭りなどイベントの時以外は混雑はありません…。

 短時間の滞在で、ここでの撮影は不慣れということもあって、あまり面白い画像は撮れませんでしたが、釣り池でこんなアオサギくんに出会いました…。



真剣な眼差し…。



あちらこちらに視線を向けながら…時には羽繕いをしながら…。



何をしているかというと…。



実は…アオサギくん…魚が釣れるのを待っているんです…。
釣り人たちが釣れた魚をくれるので…。



釣り人が場所を移動する時に目の前を通っても逃げません…。



あっちの釣り人…こっちの釣り人…釣り人の動きを良く観察しています…。



この方が釣り糸を手繰り寄せたのを見て、慌ててそっちへ飛んで行きましたが、釣れてなかったようです。

 緑地の釣り場のアオサギくんのことは新聞や人伝に聞いてはいましたが、実際にこの目で見たのは初めてでした…。
本当に頭の良い子です…。

 手前側の釣り人たちの話が、少し離れたところに居るdoveにも切れ切れに聴こえてきました。
アオサギが待っとるで釣ったらないかんわ(アオサギが待っているから釣ってあげないといけないね)…そんな意味合いの会話…。

 このアオサギくん…釣り人たちに可愛がられているんですねぇ…。
釣り人が近付いても逃げないアオサギくんと…アオサギくんのためになんとか魚を釣ってあげようとする釣り人…。

 釣り人とならんで池を見つめるアオサギくん…そんな両者の姿にほのぼのと温かいものを感じました…。
いいなぁ…こんな情景…。
アオサギくんが食べてくれるなら…doveもここで魚を釣りたいなぁ…。

ずっと眺めていたいような心地好い気持ち…後ろ髪ひかれるように緑地を後にしたdoveでした…。